鍋割山(二俣)
なべわりやま(ふたまた)

1,272.5m

後沢乗越経由で鍋割山を目指し、
鍋焼きうどんに舌鼓を打つ。
新緑のブナ林を愛で、小丸尾根で二俣まで戻る。

 
エリア 東丹沢 日程日帰り 日付2012.05.26 天候晴れ
同行者’m’、’t’ TIME(食事、休憩含む)6時間25分
コース 表丹沢県民の森駐車場(8:34)→ 二俣(9:00) → 後沢乗越(9:51) → 鍋割山山頂(11:07)昼食(12:20) → 小丸尾根分岐(12:56)  → 二俣分岐(14:31) → 表丹沢県民の森駐車場(14:59)

カシミール5万分の1地形図より作成
【参考】国土地理院2万5000分の1=大山



 今回訪れた鍋割山は丹沢山塊の中でも有名な山ですが、有名になったその大きな理由は山頂に建つ鍋割山荘 の主人草野氏のボッカ(荷を背負って運ぶ)と名物鍋焼うどんによるものです。山荘に 食糧や燃料をボッカするのは、大変な重労働であり、その重さも60キロから100キロ超と聞けば、 一般人にはただ驚くばかりです。本来、山には文明の象徴である電気やガスなどが無いのが当たり前 ですが、都心から来るお客のためにプロパンボンベを担ぎあげ、酒や嗜好品など食料をボッカ するのは、我々都会人のわがままのように思えます。しかし、ここの主人の目の付けどころには 脱帽します。何の変哲もない鍋割山荘をこれだけ有名スポットにしたのは、ご主人の功績です。 そこにはホームページによるボッカの紹介と、たぶん山の名前から思いついたと思われる名物鍋焼 うどんの考案です。小屋が建つ鍋割山そのものはピークがハッキリしている独立鋒ではなく、どちらか といえば塔ノ岳へ向かう単なる通過点のような感じです。それも大倉尾根のメインルートから 少し寄り道をしなくてはならないルートにあります。鍋焼うどんは過去何回か食べていますが、今回は 雑誌を見た同行者の希望もありちょっとミーハーではありますが、この名物の鍋焼 うどんを食べる山行です。マスコミの力は絶大です。
 天候に恵まれ8時に到着した表丹沢県民の森駐車場とその先のゲート前の広場は既に満車状態でした。 やむを得ず林道脇に駐車し、ヒル避けのスプレーをして出かけましたが、幸いにもヒルには お目にかかることはありませんでした。登った鍋割山は多くの人で賑わっており、訪れたかなりの 人が鍋焼うどんを注文していました。一杯1,000円ですが、一日250杯なら25万円です。毎日60キロ のボッカは大変ですがそれに見合った収入も期待できるとは、さすがです。肝心の山行は往きは二俣から 後沢乗越経由で鍋割山頂を目指し、下りは鍋割山稜を塔ノ岳方面へ向かい途中の小丸から小丸尾根(訓練所尾根)を 使って二俣まで戻ってきましたが、夏の暑さが訪れる前のさわやかな時期で最高の山行になりました。




無料、舗装、区割りされた駐車場。6台駐車可能。
トイレあり、水あり、自販機なし、満車の場合(先のゲート前7,8台可)


表丹沢県民の森駐車場

国道246号線を渋沢駅先の交差点菖蒲の信号を右折する。みくるべ病院の案内に従い進む。
みくるべ病院からは道が狭くなるが舗装されている。道なりに進んだ表丹沢県民の森にある駐車場。
水場、トイレ、東屋がある。
ここが満車の場合は、林道を進みその先にあるゲート前の広場に駐車ができる。
二俣へ行くには、このゲートを抜けて進むことになるので、こちらの方が二俣へは近くなる。



当日は8時に到着しましたが表丹沢県民の森駐車場は既に満車、その先の二俣へ向うゲート前の広場も満車でした。
やむを得ず表丹沢県民の森駐車場と二俣へ向うゲート前広場との間の道路脇に駐車しました。
右の写真の先に見えているのが二俣へ向うゲート前広場です(7,8台駐車可)。車の直ぐ後方が表丹沢県民の森駐車場です。
自分の後の車は表丹沢県民の森駐車場の手前道路脇に駐車していました。
なお、相乗りのタクシーが数台、順次来ていました。その方たちは帰りは大倉へ出るのでしょうか。
「表丹沢県民の森駐車場」の写真とデータはこちら。



出発

8時34分。
駐車した直ぐ下の表丹沢県民の森駐車場のトイレに行き、
ヒル避けのスプレーを靴にかけ、身支度を整え出発です。
ゲート前広場の人達もヒル避けのスプレーをしています。既にヒルの活動期(5月〜11月)です。

写真右 ゲート横を抜け先へ進みます。


新緑が美しい林道を進みます。
吹く風は涼しく、絶好の登山日和です。



8時51分。スタートから17分。
四十八瀬川を勘七橋で越えると、直ぐに西山林道に出ました。
右側は大倉方面です。
目指す鍋割山、二俣方面は道標に従いここを左へ進みます。


二俣

9時00分。スタートから26分。
ダートの林道をしばらく進むと、車が数台駐車しています。
西山林道も車はここまでです。
登山カードポストがある二俣に到着しました。
鍋割山まで3.6キロです。


勘七沢に架かる橋を渡り、後沢乗越方面へ進みます。
かなり前には橋などなく、四駆の車が沢を渡りこの先まで入っていました。



勘七沢を渡ると直ぐにワイヤーロープが張られたゲートがありますので、ここを先に進みます。



9時02分。 直ぐに、右側から小丸尾根(訓練所尾根)の合流地点があります。
写真左:道標には、このまま進むと鍋割山、戻って大倉、二俣の表示です。
写真右:ここを右後方へ戻るように斜面を上がって行くと鍋割山(小丸経由)、塔ノ岳(大丸経由)の表示です。
帰りは、小丸経由でこの小丸尾根(訓練所尾根)を下ってきました。


ガクウツギ

ユキノシタ科
アジサイ属多年草
花期 5月〜6月



しばらく林道を歩きます。



本沢


9時20分。スタートから46分。
鍋割山2.7キロの道標を過ぎると、直ぐに本沢の仮橋を渡ります。



間もなく車が見えてきます。久しぶりに訪れたら車が2台になっていました。
この車(後方の四駆)は鍋割山荘主人の草野氏の車です。
ここまで車で来るのです。
そして、林道もここで終わりです。


車が停まっている先の左側に水の入った大量のペットボトルが置かれています。
そのペットボトルは鍋割山荘で使用する水道水であり、
ボランティアで小屋まで運んで欲しいとの表示がされています。

ペットボトルが置かれた反対側には道標があり、鍋割山2.4キロです。
ここから本格的な登りになります。



ミズヒ沢(分岐)


9時28分。スタートから54分。
ミズヒ沢の分岐です。
鍋割山1時間30分の表示があります。
ここからミズヒ大滝を見に寄り道しようと思っても、いつも行けてません。



枯れ沢を道標に従って登って行きます。



整備された登山道を道標に従って登って行きます。



ミズヒ沢から20分程急登を上がって行くと、頭上が明るくなってきます。
間もなく後沢乗越です。


後沢乗越


9時51分。スタートから1時間17分。
尾根に合流しました。後沢乗越です。
ここからは、この尾根を真っすぐ登れば鍋割山です。
ほとんど休むようなスペースはありませんが、ここで小休止です。
朝ごはんのおにぎりを一つ食べました。


ここから今来た二俣方面が見降ろせます。
多くの人が登ってくるのが見えますので、我々も先を急ぎます。
急登が続きます。


山ツツジが満開の場所がありました。






途中整備された木道を進みます。



後沢乗越から50分程来た場所です。
鍋割山0.8キロとあります。


頭上が開け明るくなりました。
前方にはピークが見えますが、これは鍋割山直前の偽ピークです。


偽ピークを越え、少し下がった先に鍋割山が見えます。


鍋割山荘が見えました。


鍋割山頂


11時07分。スタートから2時間35分。
鍋割山頂に到着です。
小屋の周りは多くの登山者が思い思いに休憩しています。
我々は休む間もなく、小屋に入り鍋焼うどんを注文です。
小屋の中は10人程がうどんの順番待ちしていました。
調理場には草野氏の顔も見えます。
ご家族(若い男女)も一緒にてきぱき注文をさばいています。


さほど待つこともなくうどんが来ました。
外は座る場所がないので、小屋の中のテーブル(こたつ)で食べることにしました。
どうやら鍋焼うどんにご満悦のようで何よりでした。
今日の最大の目的であるうどんを食べ、小屋の中でゆっくり休憩です。

前回来た時より値段があがっており、一杯1,000円になっていました。
同行者が計算です。今日250杯で25万円です。
すごい!! こんなに稼げる小屋はめったにありません。商売上手に脱帽です。


12時22分。
1時間15分間の昼食と大休憩のあと、トイレに行って出発です。



帰路は同じルートを戻るのではなく、
ブナの鍋割山稜を小丸まで行き、そこから小丸尾根(訓練所尾根)で二股に戻ることにしました。
小屋の後ろから道標に従って、右の鍋割山稜を進みます。(表示は金冷し2.2q、塔ノ岳2.8q方面です)


新緑の美しい鍋割山稜を小丸へ向かいます。



小丸


12時47分。スタートから4時間13分。
鍋割山荘から22分で小丸に到着です。
標高1,341m、鍋割山から0.9q、塔ノ岳へ1.9qです。


ブナの原生林の中を小丸尾根分岐を目指し先へ進みます。
酸性雨や温暖化の影響で以前目にした立ち枯れのブナが少なくなったように感じます。
その代わり若いブナの倒木が目につきました。それらは嵐などで倒れたような感じです。



小丸尾根分岐


12時56分。スタートから4時間25分。
写真道標の後方の斜面を右方向に下って行きますが、
かなり注意していないと、下るルートも見えず、ここに尾根の分岐があるのか分かりません。
単独行の女性が地図を見ながらここが分岐の場所なのか悩んでいました。
ここを下れば二俣に出れます。昔は訓練所尾根と呼ばれていたルートですと話をしました。



背の低い灌木の中の踏み固められたルートを下って行きます。



ルートはハッキリしており迷うことはありませんが、
このルートには道標は設置されていません。
過去に初めて使った時は、本当にルートが正しいのか不安の中を下ったこと思い出します。


ルートはだんだん広くなってきます。



ギンリュウソウ(銀竜草)

イチヤクソウ科
ギンリュウ属
花期5〜8月


過去ここを下った時は誰にも会いませんでしたが、
今日は数グループとすれ違いました。
雑誌等でこのルートが紹介されているのでしょうか。


だいぶ下って来たことが植生の変化からも分かります。



小丸尾根(訓練所尾根)を下ること1時間30分。
最初で最後の道標があります。
二俣0.3qです。


二俣


14時31分。スタートから5時間57分。
二俣に出ました。
今下って来たルートは鍋割山(小丸経由)、塔ノ岳(大経由)とだけあり、
距離表示はありません。
ここからは、朝に来た同じルートを駐車場まで戻ります。



勘七沢を渡り、林道を歩いて表丹沢県民の森駐車場へ向かいます。



表丹沢県民の森駐車場


14時59分。スタートから6時間25分。
表丹沢県民の森駐車場に到着しました。
車は半分ほどになっていました。
今日は天候にも恵まれ、メインの鍋焼うどんも食べ
久しぶりの山行でしたが、大満足で終わることができました。

立ち寄り湯


帰りに汗を流すため寄りました。
湯花楽
「立ち寄り湯」『湯花楽』のレポート




山行の記録へ


ホームへ戻る



このページに直接入られた方へ。
当ホームページはこちらです⇒ 晴れときどき山歩記 「丹沢を中心に車で行く、日帰り山歩きの記録」