三峰山(大山)
みつみねやま

934.6m

痩せた尾根とクサリ場やハシゴの多い、
アスレチックのような変化に富んだコース。
ヒルの恐怖で全ルート立ち休みで通す。
 
エリア 東丹沢 日程日帰り 日付2006.06.04 天候曇りのち晴れ
同行者単独 TIME(休憩含む)6時間11分
コース 谷太郎川林道駐車場(6:48)→二ノ足林道終点(7:34)→不動尻キャンプ場跡(7:50)→三峰山(9:34)休憩(9:46)→ 物見峠分岐(11:24)→谷太郎川林道(12:19)→谷太郎川林道駐車場(12:59)

カシミール5万分の1地形図より作成
【参考】国土地理院2万5000分の1=大山、厚木


ここしばらく週末の天候は思わしくありません。お天気ニュースでも日照時間が平年の4割程度と 伝えており、しばらく山へは登っていません。そろそろ欲求不満も溜まっており、今日はあまり 良い天気ではありませんが、思い切って出かけました。
大山三峰山は2002年12月以来3年半振りです。前回も今回と同一の周回ルートを組みましたが、そのときは 前日の雨で沢が増水して渡渉できず、急遽別ルートから三峰山へのピストンとなった不完全燃焼の山でした。 今回は前回断念した周回ルートへの再チャレンジです。
大山三峰は丹沢にしては珍しく鋸の歯のようなギザギザの痩せ尾根を持つ山です。標高は953mと低山ですが、 北峰、中峰、南峰とピークが連続していてクサリやハシゴ、ザレ場ありと大変変化に富んだ山歩きが 楽しめます。
しかし時期が6月とヒルの季節であり、ちょっと心配な山行でした。特に登り口の煤ヶ谷から谷太郎川沿いは 丹沢でもヒルが多いエリアです。昨年購入したヤマビルファイター(ヒル専用の忌避剤)でスパッツと靴にスプレーし、 靴下の下には膝までのストッキングを履き、万全の体制で臨みました。


この林道は夏はバーべキューや鱒釣客で多くの車が入るが、シーズンオフはほとんど車は通らない。
区割りは無いが全面舗装されており、 10台程度駐車可能。トイレや水場はない。

駐車場

国道246号線より伊勢原津久井線へ入り、途中七沢温泉、広沢寺温泉横を通り、 清川村役場を目指す。役場前を通過した先に煤ヶ谷バス停があるので、その先の小さな橋を渡り 左へ入る。細い道だが、このまま道なりに進めば谷太郎林道だ。
駐車場はこの林道の終点(5q先)にあり、途中、清川リバーランド(バーべキュー、キャンプ場)や鱒釣場 を過ぎて先へ進む。道幅は車一台程度の林道であるが、途中すれ違うためのスペースは要所要所にある。 林道終点にある区画は無いが舗装された駐車スペースだ。


登山口

駐車場横から谷太郎側沿いにコースがあります。
登山口入口には道標やたて看板があるので、迷うことはありません。



(左)入口にある道標、三峰山まで4.0qとあります。その右のたて看板にはクマ目撃情報。
その下に置いてあるプラスチック製ケースにはヒル駆除用の塩が入っています。
(右)ヒルの注意書きと駆除のお願い。
さすがにヒルでイメージダウンは避けたいのか、地元の村もヒル対策には力を入れています。



今日はヒル対策として、普段の靴下のしたに、膝までのストッキングを履いています。
さらにスパッツを着用しそれには事前にヤマビルファイターを吹き付け、登山靴にも昨晩吹き付けておきました。
【なお、ヒルについての情報や対策等は本HPの「丹沢メモ」の「丹沢とヒル」をご覧ください】


出発

6時48分出発です。
駐車スペースから直ぐ入った所に谷太郎川が流れており、大きな岩の上の仮橋を渡って 左岸へ渡ります。前回来た時は、この仮橋は無く川は増水で渡ることができず、別ルートから 三峰山を目指しましたが、今回は簡単に左岸へ渡れました。




道標は要所要所にあり、迷う心配はありません。
天候は霧雨まではいかない、霧のような雨が舞っています。
レインウェアーを着るほどではありません。
しばらくは谷太郎川の左右を渡りながら進んで行きます。



(左)ヒメウツギ
ユキノシタ科ウツギ属落葉低木
花期:4〜5月
(右)ヤマツツジ
ツツジ科ツツジ属落葉低木
花期:4月中旬〜6月上旬


7時06分。しばらく川沿いに進んできましたが、途中から斜面を上がって行きます。
林の中で、かつ朝が早いこともあり、光があまり差さない暗い道です。


弱い霧雨の中を歩いていきますが、地面はかなり濡れておりヒルの活動には最適のように思えます。
少し進んでは靴の踵とスパッツの周りを点検し、また少し進んでは点検をするという繰り返しで進みます。


7時30分。不動尻まで0.7q地点です。駐車スペースから1.8q来ました。
周りの景色や山野草を見る余裕はありません。ひたすら足元のヒルを警戒してキョロキョロして進みます。
日が差さず、暗くじめじめしたルートに気持ちも晴れません。

ついにヒルを発見!!
立ち止まって足元を良く見ると石の上にヒルが居ます。こちらに気が付いたのか、顔?をこちらに向けています。
後ろの足元を見ると、こちらにもまたまた居ます。こちらは尺取虫のように体を動かし、近づいてきます。
うわー。恐い。気持ち悪い。写真を撮ると一目散に先へ進みます。足元も見ずにどんどん先へ進みます。

二ノ足林道終点

7時34分。駐車スペースから約50分で二ノ足林道へ合流しました。
乾いたコンクリートの上で今日始めてザックをおろし、簡単な朝食のサンドイッチを食べました。
乾いた場所なら安全です。
ここは、左へ行くと二ノ足林道経由で広沢寺方面。右は不動尻キャンプ場跡経由で大山、三峰山方面です。
(写真右)二ノ足林道から今来た道を振り返って撮った写真。


小休止した後、右手の大山、三峰山方面へ向かいます。



舗装された林道を、今は無い不動尻キャンプ場跡へ向かいます。
途中にあったキャンプ場の炊事場や崩壊のあった土砂などは すべて撤去されています。



不動尻キャンプ場跡

7時50分。10分ほどの舗装路歩きで不動尻キャンプ場跡に到着しました。
ここはキャンプ場の中心地で大きな建物があった場所ですが、今は草が一面に生えた広場になっています。 唯一建物の土台であったコンクリートがそのまま残っています。


三峰山分岐

旧キャンプ場の中を進むと木の階段があり、その先には大山方面(3.8q)と三峰山方面(2q)の分岐があり、 道標に従い右手の三峰山方面へ進みます。


唯一見つけた山野草


ルート入口にある注意書。「・・・引き返す勇気が必要です。」
はじめて見た人ならビビってしまいます。
それにしても脅し過ぎではありませんか。


しばらくは沢沿いの道を進みます。このルートは林の中で、遠望はききません。
日が遮られ暗いじめじめしたルートです。
霧はまだ出ています。


おっと、出ました。クサリ場です。
斜面はかなり角度があり、クサリの長さもかなりあります。
ここは、この様なクサリ場やハシゴが沢山あり、最初の注意看板の引き返す勇気となるのです。


ほい、また有りましたクサリ場です。



しばらくは沢に沿って高度を稼いでいきます。
コースは湿っており、ヒルが出てもおかしくない状況です。


途中から沢を離れ、静かな尾根歩きになりました。
どこかで休憩を取りたいのですが、乾いた地面はありません。ザックを背負ったまま立ち休みです。
足元を良く見ると、居ました。ヒルです。
こちらの尾根にも居たのです。そそくさと移動です。


途中には盛りを過ぎた花が残っていました。
ガクウツギ
ユキノシタ科アジサイ属落葉低木
花期:5〜6月


緊急時位置確認表示板。
最近は安全対策の一環として人気のある山に良く設置してあります。



(左)まだまだクサリ場は続きます。
(右)8時50分。三峰山まで0.7qの地点に到着。ベンチがありますが、霧と雨で濡れています。 ヒルが恐くてとても休む気になりません。


だいぶ尾根も細くなってきました。三峰山の雰囲気が出てきました。



ヤマツツジ
ツツジ科ツツジ属落葉低木
花期:4月中旬〜6月上旬


9時10分。登り一辺倒から下りも出てきました。
(左)ほぼ垂直のクサリ場の下り。
(右)やはり垂直の下りのハシゴ。その先は痩せた尾根。
転げ落ちないように注意しながら慎重に下ります。

9時29分。三峰山まで100mの地点に到着。


最後の階段とクサリ場を登って、まもなく三峰山山頂です。


三峰山山頂

9時34分。三峰山山頂に到着しました。
山頂はあまり広くない広場で、ベンチもありますが、遠望はききません。
だれもいない静かな山頂で休憩です。
ここまで誰とも会いませんでした。


山頂にある三等三角点。
何かお地蔵様と勘違いされているような雰囲気です。
9時35分。1分の休憩後、これから下りの長丁場にかかります。



下りはじめると直ぐにハシゴやクサリの連続です。
事故の無いように慎重に下ります。


これはちょっとビックリです。
左右が切り立った尾根の上に仮橋がありますが、空中に浮いています。
平行してクサリが設置してありますので、これにつかまりソロリソロリとクリアーします。
やはり丹沢の中でも特異で、面白いコースです。


ヤマツツジ
緑一色の中にひと際目立ちます。


またまた、ビックリです。
こちらは、かなりの下り坂になっています。
霧の中仮橋は濡れており、滑りやすくなっています。
濡れた木道が一番危険なのです。
慎重に下っていかないといけません。
だれも見ていないのでへっぴり腰で通過です。


たくさんのクサリ場とハシゴと仮橋を通って痩せ尾根を下っていきます。



頂上から30分程で、コースはいつの間にかクサリ場やハシゴが終わっています。
ここからは緩やかなコースをひたすら下っていきます。


数十メートル離れて設置してある道標。
(左)10時22分。ルート右側に設置。煤ヶ谷4.4q、三峰山0.6q
(右)10時23分。ルート左側に設置。煤ヶ谷5.2q、三峰山0.8q
前に出てきた道標では煤ヶ谷まで4.4qなのに、数十メートル先の道標では5.2qと逆に距離が増えています???。
それぞれ合計を出すと、前者が5q、後者が6kmです。設置はともに神奈川県です。


見通しは利きませんが、緩やかなコースを下っていきます。
10時31分、全行程6kmバージョンの道標を通過。
(煤ヶ谷まで4.7qです、何か損した気分です。)


10時35分、崩壊地に差し掛かりました。
このコース唯一遠望が利く場所です。
前に来たときに比べ整備されていますが、この松は何年もつことやら。思わず「頑張れ」。


崩壊地から見た丹沢三峰。
(丹沢には今回の大山三峰のほかに丹沢三峰があります。)
このコース唯一遠望が利く場所です。
この崩壊地の前後でそれぞれ別グループの十人程の人たちとすれ違いました。 このコースは自分が今、目指している煤ヶ谷まではバスで来て、そこから三峰山を目指すのが一般的です。 自分のように逆コースでは三峰山への急登になるので、あまり居ません。現在時刻から逆算すると、 すれ違った人たちは、9時ごろのバスで煤ヶ谷に到着した人たちと思われます。これ以降再び人には合いませんでした。


(左)10時55分到着。6kmバージョン。
(右)10時56分到着。5kmバージョン。
責任者出て来い!


10時56分。ベンチのある分岐に到着。
そのまま通過しました。



山の神

11時04分。ひっそりとたたずむ山の神に到着です。
ベンチが3つあり、ちょっとした広場になっていますが、ここも立ち休みで通過しました。



山の神の脇にあった道標です。
煤ヶ谷まで2.65q。これは5qバージョンの道標です。
ここから6kmバージョンは無くなっていました。
よって煤ヶ谷、三峰山間は5qに決定です(?)。


いつの間にか天候は回復しています。
静かな山道を下っていきます。



右側に樹木がなく、遠くが見渡せます。
どうやら大山のようです。



物見峠分岐

11時24分。物見峠分岐に到着しました。
ベンチは乾いています。今日はじめて腰を降ろしました。
ヒルの恐怖に一日立ち休みを通したのです。



こちら側にも例の看板です。
数分間の休憩を取り、出発です。


樹林の中を下っていくと途中に鹿柵を2ヵ所通過します。
柵といっても網はありません。枠だけの扉です。


途中小さな沢を渡り、緩やかな山道を下っていきます。
単調な山道に飽きてきたころです。

マルバウツギ
ユキノシタ科ウツギ属落葉低木
花期:4月下旬〜6月下旬


12時10分。山道から林道入口に到着しました。
ここにも登り口にあったヒルへの注意書きと、駆除用の塩が入ったケースが置いてあります。


上の場所を道なりに右折し舗装された林道を下っていくと、民家が見えてきます。



12時17分。民家の脇の登山道入口に到着しました。
登山者カードポストの下には、ヤマビルファイターが置いてあります。
なかなか親切だと、清川村を見直しました。


谷太郎川林道入口

12時19分。2分ほどで谷太郎川林道入口に到着です。
ここを真っ直ぐ200mほどで煤ヶ谷バス停です。駐車スペースへは、ここを右に曲がります。
これから50分間、約5qの林道歩きのスタートです。
なお、この林道は朝、車で通った林道です。車ではあっと言う間でしたが、歩くとかなりあります。


直ぐに左手に公衆トイレがありました。
女性には大助かりでしょう。


12時28分。途中左手にある清川リバーランド横を通過します。
バーベキューの煙の中を歩いていきます。


12時51分。谷太郎川釣りの看板が見えたらもう直ぐです。



ウツギ
ユキノシタ科ウツギ属落葉低木
花期:5〜6月


遠くに駐車スペースが見えた来ました。



駐車スペース到着

12時59分。車を置いた駐車スペースへ到着しました。
今の時間、思ったより車が少ないようです。天気が悪いので人出も少ないようです。
無事帰ってきました。お疲れ様です。
これで、しばらくは山の欲求不満は出ないと思います。


立ち寄り湯


清川村ふれあいセンター別所の湯】神奈川県愛甲郡清川村煤ヶ谷1619
入浴料700円、平日10時〜21時、毎週月曜日定休(祝日の場合翌日)・年末年始、Pあり、046-288-3900
煤ヶ谷のバス停から国道246号線方面へ2qほど戻った、別所温泉にある日帰り温泉。ここは公営の立ち寄り湯ですが、本当の温泉では ありません。清川の源流(地下水)を使用した沸かし湯で運営している、ユニークな温泉(?)です。公営なだけに 別の温泉脈を掘るのは他の温泉に影響があってはいけないとの方針です。 施設は公営なだけに立派です。駐車場も建物の前がいっぱいならその下に3ヵ所あり、かなりの台数が駐車可能です。入口の自販機で入浴券 700円(3時間)を購入し、受付に向かうと入浴券は帰りに渡してくださいと言われました。風呂は階段を降りて地下に行く感じですが、 どうやら斜面に建物が建っているようです。脱衣場へ入ると、中は広くロッカーも大きくて使い勝手が良いです。 お風呂場は岩風呂で広く、ゆったりした感じを受けます。浴槽は大きなものが一つと、小さな水風呂にサウナもあります。露天風呂も ありますが、こちらは小さく2,3人でいっぱいです。窓の外は一面林の中で、とても気持ちのよいロケーションです。 室内の洗い場は7ヵ所と混雑時には足りないかもしれません。天然温泉と異なりお湯は沸かし湯なので、湯が硬く感じられました。 しかし、汗をかいた後の風呂はまた格別なものです。



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