丹沢主稜縦走(1日目)
たんざわしゅりょうじゅうそう

犬越路〜檜洞丸〜蛭ヶ岳

丹沢主稜を縦走。蛭ヶ岳に一泊。
バス便のため、スタートが遅く、宿泊予定の蛭ヶ岳へは
体力と時間との戦いで、なんとか午後4時半に到着。
 
エリア 丹沢 日程一泊二日 日付2005.06.13,14 天候晴れ時々曇り
同行者単独 TIME(休憩含む)8時間00分
コース 自宅(5:25)→東神奈川(5:36)→新松田駅発西丹沢自然教室行き(7:15)→西丹沢自然教室(8:34) →用木沢出会(9:03)→犬越路(10:37)→熊笹ノ峰(12:33)→檜洞丸(13:08)休憩(13:21) →金山谷乗越(14:07)→神ノ川乗越(14:35)→臼ヶ岳(15:10)→蛭ヶ岳(蛭ヶ岳山荘泊)(16:34)

一般的に丹沢主稜縦走とは、西丹沢から檜洞丸を経由し(つつじ新道利用が主)、丹沢最高峰の蛭ヶ岳へ登り、下りは丹沢山を 経由し、大倉尾根を下るコースを指す。が、今回は以前から行きたかった丹沢三峰(三つの頭の総称) を登り、宮ヶ瀬湖に抜ける丹沢山塊を東西に横断するロングコースを設定した。それも東西横断するならと、 入り口も西丹沢からさらに先へ進み林道終点の用木沢出会いから犬越路経由を選択した。


カシミール5万分の1地形図より作成
国土地理院2万5000分の1=中川、大山



平日に新松田から西丹沢自然教室までのバス便は5:55、7:15、8:10とあるが、時間的に手ごろなのが7:15だ。 しかし、この便だけ平日に限り途中の中川止まりなのだ(土日祝は西丹沢まで行く)。念のため営業所に電話をして確認すると、 応対に出た女性の方が、乗ったときに運転手に西丹沢まで行きたいと言えば行きますよと教えてくれた。ヤッタ。これなら 8時過ぎから行動ができる。
そして終点の西丹沢まで行ってくれたバス。富士急バスさんありがとう、運転手の大林さんありがとう。

西丹沢自然教室

今年は6月10日に梅雨入りした。数日前には台風4号も来て、ここ数日は雨続きだ。会社の休みが13,14日にもらえるので、 前から行きたかった丹沢三峰方面へ蛭ヶ岳に一泊して行くことを計画していた。天候しだいでは中止も考えていたが、週間天気予報に反し、 天気はなんとかもちそうなので、計画通り山行を実行。
今回は丹沢山塊を東西に横断するロングトレイルに挑戦する。地図を見ても自分が普段歩いている一日6時間程度より時間的にも長く、 コースもハードだ。それを二日連続で歩かなければならない。果たして膝痛は出ないか、体力は持つか。心配なスタートだ。
今回は、下山口が違うので車は使えない。小田急と富士急バスを使って西丹沢まで入る。5:36に東神奈川から横浜線に乗り、 6:20町田で小田急小田原線に乗り換え、7:02新松田駅に到着。7時15分の西丹沢自然教室行きのバスに乗る。平日はこの時間のバスは 途中の中川止まりだが、乗車時に運転手さんに西丹沢まで行きたい旨を告げる。新松田から乗車したのは全部で14名。途中で山に行く11名 だけになる。途中で何人かは降りて、終点の西丹沢(途中から行き先は西丹沢に延長された。)までは、自分と年配の男女四人グループの 5人が行った。
8時34分西丹沢自然教室に到着。教室横の公衆電話から今日の宿の蛭ヶ岳山荘に電話をいれるが、「電波の届かない・・・または電源が・・・」 で通じない。しょうがない、犬越路辺りまで登れば、自分の携帯でもつながるだろうと、用木沢出会に向かって出発した。他の四人は つつじ新道で檜洞丸の日帰りのようだ。  

用木沢出会

9時04分白石沢沿いの林道を歩き用木沢出会に到着。この先にはゲートがあり、車は入れない。
足慣らしの30分の林道歩きの後だが、膝痛防止に簡単な準備運動をして朝食用のパンを食べる。
用木沢出合からは、右の登山道に入る(写真前方)。  

 
10分程で青い鉄橋の橋に着く。この橋で沢を渡り、堰堤を巻くように左岸を登っていく。



再び用木沢に出て、しばらく沢沿いの道を行く。



途中の堰堤したの淀み。魚影は見えないがいるのだろうか。



9時50分。やがて用木沢から離れ左上に登るように進む。そんなに高度を稼いでいないのに、大きなブナの木がある。
ちょっとびっくり。
 

杉が多い階段状のやや急な登りを進む。
10時00分。犬越路まで800m地点。
 

コシバ沢を登るように進む。
途中に落ちていたシロヤシオの花。ピークは5月末ごろか。上を見上げても花はもうない。
 

10時14分。コシバ沢の標識

 

10時32分。犬越路下の大岩。ここまでくれば、もう一息で犬越路だ。
 

笹の急登をジグザグに登っていく。

 

10時37分。稜線に出た。犬越路だ。

犬越路

犬越路は稜線上の十字路で、東はこれから進む檜洞丸へ、北は神ノ川へ、西に大室山への道が延びている。 この近辺では唯一の展望のよい地点だ。
(左)大室山へは犬越路避難小屋の脇を通って進む。
(右)避難小屋から見た、犬越路と檜洞丸方面(先で見えないが)。
ここで、蛭ヶ岳山荘に携帯電話で連絡をとる。アンテナが1本立っている。なんとか通話できる。今日一泊をお願いする。 現在地点を聞かれ犬越路と答えると、かなり心配な様子。大丈夫です、4時過ぎには到着しますのでよろしくお願いしますと 返事する。言ってはみたものの、かなりキツイ行程だ。エアリア地図の所要時間を単純計算してもここから5時間30分かかる。 現在時刻10時40分であり、4時到着はかなり無理っぽい。だいたい丹沢自然教室からここまでエアリアで1時間40分のところを 2時間かかっている。
10時41分。気を取り直して出発。  

 

11時02分。犬越路トンネルへの分岐。笹に囲まれた稜線上を進む。
 

小笄までは比較的緩やかな稜線の登りを進む。
エアリア地図は比較的時間設定がキツイ中、過去の経験から 犬越路から檜洞丸までの所要時間は甘く、短縮できる区間と想定しており、ここでできれば30分短縮を目指し、がんばって進む。
 

岩場が出てきた。クサリ場もある。

 

鉄製の階段を上がる。

 

急登を登る途中で後ろを振り返る。犬越路から上がってきた稜線が良く見える。
キツイ登りが続く。休憩をしたいがとにかく先へ進む。
 

急登ばかりから、少し緩やかな登りに変わった。樹木もブナが目立ってきた。

 

もう少しで熊笹の峰だ。ガンバレ。

 

12時33分。熊笹の峰に到着。先客が一人休憩している。時間がもったいないので、休憩なしで先へ進む。

 

檜洞丸はまだか。
樹木の間から見える。まだまだ先だ。

 

12時51分。檜洞丸名物のバイケイソウが現れてきた。もう直ぐだ。

 

(左)13時05分。檜洞丸の道標に到着。
(右)その先のミツバツツジの群生の下を進む。

檜洞丸

13時08分。檜洞丸到着。
頂上には3組が休憩していた。その内には朝一緒だった4人組もいた。
犬越路からの所要時間は2時間27分。エアリアの標準タイムでは2時間50分。
やった、22分の短縮だ。(冬場の汗をかかない時なら40分程度短かった記憶があるので、ちょっとガッカリ)
ここで、ご褒美に15分の食事タイムをとる。ベンチに靴を脱ぎ、少しでも足を楽にする。これからあと3時間、それも未知のエリアだ。 やはり4時到着は無理だ。携帯も通じない。他の宿泊客に迷惑をかけないためにも、5時前には山荘に着きたい。暗くなればコースを 見失う危険もある。気持ちがだんだんブルーになる。
 

13時21分。出発!これから未知の世界だ。エアリアで2時間40分の行程で16時過ぎの到着を目指す。
蛭ヶ岳方面へ進むのを見て、隣の3人組が声を掛けてくれた。「蛭に行かれるのですか?」「お泊りですか」「気をつけて」・・・ 「ありがとう」
元気に出発。
(写真)直ぐ下の青ヶ岳山荘。最近有料のバイオトイレが設置された。
 

青ヶ岳山荘下の、バイケイソウとマルバダケブキの群生を抜けて進む。
 

木立の間の緩やかな尾根を下る。あまり下りたくない。せっかく登ったのに、それに最後の急登もあるし。
 
(左)14時07分。金山谷乗越に到着。檜洞丸から50分(1.2km)、蛭ヶ岳2時間10分(3.4km)とある。
時計を見るとここまで46分かかっている。順調じゃないか。しかし、到着は16時17分だ。
(右)金山谷乗越の崩壊地。ここから臼ヶ岳まで上りになる。
 

14時35分。神ノ川乗越。蛭ヶ岳まで2.7km。
14時55分。緩やかな登りが続く。しかし朝からの山行でかなり体力的にキツイ。息も絶え絶えといった感じだ。
周りに霧が出て、薄暗くなってきた。このまま暗くなってしまうのかと考えヘッ電は、電池予備はと、頭の中で確認をする。
そんな時、前方に鹿の群れが草を食べている。5頭見える。全部若い鹿かメス鹿のようだ。写真を撮るが逃げる気配がない。 そのまま斜面を登っていく。鹿にだいぶ近づいた。よし、3枚目のシャッターを押す。「メモリーが足りません」メモリが一杯で撮れない。 その間に鹿は行ってしまった。
 

15時10分。臼ヶ岳に到着。この間が一番きつかった。ベンチの上に仰向けになり、しばらく休憩した。
落ち着いたところで、カメラのSDカードを交換し、一息入れた。
 

臼ヶ岳から先に進むと、明るくなってきた。霧も晴れ、日が射してきた。
しばらくは気持ちの良い尾根を先へ進む。
 

前方の視界が開けた。見ると蛭ヶ岳がそびえている。
ウエー。これを登るのか。

 

しばらくは平坦な尾根を歩いていくが、途中から急登が始まる。でもこれが最後だと思えば少しは気が楽だ。
しかし、苦しい登りだ。進んでは立ち止まり、また進んでは立ち止まることの繰り返しだ。

 

(左)16時10分。蛭ヶ岳まで400m。もう少しだ。
(右)またガスってきた。蛭が見える。まだ先だ。

 

16時33分。頂上に到着。
その先に小屋が見える。

蛭ヶ岳

 
16時34分。小屋に到着。キツイ行程であった。30分もオーバーして到着だ。
入口に雨水をためた、タンクがあり、そこから水を汲んで顔を手を洗い小屋に入る。
小屋に入る。靴置き場に靴が一つもない。静かだ。
管理人さんが電話をした方ですね。早く着きましたねといったが、こちらは他人に迷惑をかけてはいけないと必死であった。
宿帳に記帳する。「もしかして、貸切ですか」「そうです。昨日は二人でした」
ヤッター。蛭ヶ岳山荘を一人で貸切るなんて、思いもよらなかった。いい思い出になる。寝床は好きなところに自分で敷いてくれとのこと。 前回に寝た場所にまた布団を敷いた。食事は17時からでまだ20分程時間がある。もう一度雨水で体を拭き、さっぱりしたところで夕食をいただく。 一泊二食で6,000円。高いか安いか、いろいろな判断基準があり何とも言えない。今回も前回と同じにおでんだった。そして、おいしい とは言えないご飯。小屋は2回目で勝手がわかっているので、自由に伸び伸びできる。食事は17時10分過ぎには済んでしまった。する事もなく、 また、体も冷えてきたので、早々と布団に入り寝てしまった。しかし、今日は良く歩いたものだ。休憩を入れて8時間の行動であった。

<続く>丹沢主稜縦走(2日目)へ


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