菰釣山(山伏峠より)
こもつるしやま

1,379m

山伏峠から菰釣山までは未踏破の区間として残っていました、
是非歩きたいと以前から計画をしていたものです。
往復約11km強、気持ちの良い稜線上の尾根歩きが楽しめます。
 
エリア 北丹沢 日程日帰り 日付2011.10.10 天候晴れ
同行者'm' TIME(50分の食事休憩含む)7時間10分
コース 山伏峠駐車スペース(8:10)→大棚ノ頭(8:40)→石保土山(9:26)→西沢ノ頭(9:55)→ 樅ノ木沢の頭(10:17)→油沢ノ頭(10:36)→ブナノ丸(11:01)→菰釣山(11:20)昼食休憩(12:30)→油沢ノ頭(13:15)→ 樅ノ木沢の頭(13:26)→西沢ノ頭(13:49)→石保土山(14:12)→大棚ノ頭(14:53)→山伏峠駐車スペース(15:20)

カシミール5万分の1地形図より作成
【参考】国土地理院2万5000分の1=御正体山


今日は山伏峠から菰釣山を目指しました。距離にして約11km強です。地形図を見ると幾つかの小ピークを越え、 稜線上の尾根歩きが延々と続いています。実はこのHPにおけるルート選定には一つの目標があります。それは、 山と高原地図の「丹沢」に掲載されている全てのルート(赤の実線のルート)を踏破するという目標です。実際 には車で訪れているので、ルートがピストンになりがちで、どうしても踏破が難しいルートもあり、一種の標語 みたいなものです。そんな訳で今回の山伏峠から菰釣山までは未踏破の区間として残っていましたので、是非歩き たいと以前から計画をしていたものです。
今回も’m’が同行しました。前回の三ノ塔は楽勝だったのか、声を掛けると行く気満々といった感じです。まあ、 ちょっと距離はあるが、高低差が少ない稜線歩きだから問題は無いだろうと誘ったのです。実際に歩いてみると 50分間の昼食休憩を含み7時間10分、距離にして約11km強でした。往復で小さなピークをかなり越え、これら 登った小ピークの標高は合計830mになり、思ったよりハードな山行でしたが、感心なことに’m’は文句も言わず (少しは言いました)最後まで歩き通したのです。根性と体力を見直しました。良く頑張った!
なお、往路の途中で単独の中年男性を追い越しましたが、最後の車に戻る直前にこの男性にまた追い付きました。 その時、男性が「途中お会いした方ですよね、いやー実に健脚ですね。」と話掛けられました。聞くところによると 、その男性は追い越された場所で横になって休憩し、そのまま先へは行かず折り返し、さらに戻る途中の鉄塔の下 でも横になって休憩してから、戻ってきたところですと言っていました。ということは、自分たちと同じルートを 先に歩いていたが、ほぼ中間地点あたりでリタイヤして戻り、最後の駐車場直前で追いつかれて一緒になった ようです。ということは、我々は後から出発し、倍の距離を歩いて、かつ最後は同じに戻ったのです。 この人には思わず苦笑しましたが、’m’の健闘に拍手です。


犬伏峠トンネル脇の道路の路肩
数台 無料 トイレなし、  水場なし、自販機なし。

山伏峠駐車スペース

国道413号線を山中湖方面へ進みます。道の駅「どうし」を過ぎしばらく走ると 山伏峠トンネルがありますのでこのトンネルを過ぎたら直ぐ左の脇道の路肩に駐車します。
この道は国道413号線から脇に入る旧道です。100m程で行き止まりですが、 その先にはホテル跡地(旧山中湖高原ホテルの廃屋)があり、 入口は閉鎖されており中には入れません。2005年まではフェンスが無かったので中に駐車することができましたが 現在はできません。御正体山へ向かう方が多く停めます。


出発

8時10分。
支度を整え、駐車スペースを出発です。
車の後方が登山口へ通じる道です。
路肩には先客の一台が駐車していましたが、
この車のドライバーには、山の途中と最後に会うことになります。
直ぐに

直ぐに進入を阻止するように、鎖のゲートがあります。(上の写真)
この脇を抜け、左に旧山伏峠トンネルの廃墟を見送り、旧山中湖高原ホテルの跡地に向かいます。
跡地入口のフェンスは、以前は脇が通れるようになっていましたが、今は完全に塞がれていました。
左脇から入ろうと、旧山伏峠トンネルの方向に数歩進んだところ、旧山伏峠トンネルの入口に設置された 人感センサーが作動し、けたたましい警報音とライトの点滅で威嚇されました。(写真の左に旧山伏峠トンネルがあります)


この写真は今年の4月(6ヵ月前)に訪れた時の写真です。
鎖とゲートの間の左に旧山伏峠トンネルの廃墟があります。(今回の1枚目と2枚目の写真の中間です)
どうやら、旧山伏峠トンネルの廃墟に人を近づけないように設置されたセンサーに引っかかったようです。
前はありませんでした。良からぬやからが、廃墟で悪さをするので設置したようです。


2枚目の写真のゲートの隙間を四つん這いになってくぐって、旧山中湖高原ホテルの中に入りました。
廃屋に近づいていくと、人の声がします。廃屋のベランダの軒下には、電灯が下がっており灯りが点いています。
直ぐに、人の声はラジオの音で、電灯も単に人が居るように見せかけていると判断できます。
毎回ここを利用していますが、今回は人の進入を拒む強い意志を感じます。
たぶん夏の夜など、人が入り込み問題になったのかもしれません。
今後はこの旧山中湖高原ホテルの跡地から登山道に入ることは止めることにします。
今日は、このまま旧ホテル脇を通してもらいました。
なお、帰路はトンネルの反対側のルートで駐車スペースへ戻りました。

廃屋の前にある神社の鳥居が登山口です。(上の写真丸印)
ここを左へ上がって行きます。
もう、ここは通れないのかと思うと、ちょっともったいないです。


直ぐに登山道はT字状になり、まったく読めない道標を右へ進みます。
左は御正体山方面です。


踏み跡のしっかり付いた山道を進みます。目印は送電線鉄塔を目指して進みます。


廃屋から10分程で、鉄塔の下を通過します。
西群馬幹線No.258鉄塔です。

斜面の道をトラバースしながら上がって行きます。
特に道標はありませんが、ピンクテープと踏み跡を辿っていきます。


大棚ノ頭

8時40分。スタートから30分。
東海自然歩道の大棚ノ頭に出ました。
写真左、山伏峠0.5km方向から来て、 写真前面、城ヶ尾峠8.6km、菰釣山5.1km方面へ向かいます。

菰釣山は、この稜線上の尾根道を東海自然歩道を辿って行きます。


大棚ノ頭から10分で水の木分岐に到着します。
ここは道標に従い稜線上を右へ進みます。


菰釣山までの間、唯一ある木道の階段。


小ピークを登ると、ベンチがあり、ここから左へ尾根歩きになります。
菰釣山まで4.7kmの道標です。
ここで最初の休憩をとしました。

気持ちの良い尾根歩きを堪能します。
歩きだしたばかりで、体力にも余裕があり最高の気分です。


菰釣山まで4.3kmの道標です。


この辺りにはトリカブトが多く見られます。


同行者’m’は、このトリカブトに興味しんしんです。
理由は、テレビのサスペンス劇場などで、殺人の道具としてこのトリカブトがよく登場するので、 名前だけは知っていましたが、見るのは初めてなのか、毒はどこにあるのか、どの位の量で死に至るのかなど、熱心に見ています。
確かに有名な有毒植物です。毒は根に含まれ、採取時期や地域によって毒性は異なります。
食べると嘔吐・呼吸困難、臓器不全などから死に至ることもあります。
経皮吸収・経粘膜吸収され、経口から摂取後数十秒で死亡する即効性があります。
トリカブトによる死因は、心室細動ないし心停止です。
特異的療法も解毒剤もありませんが、各地の医療機関で中毒の治療研究が行われているそうです。
芽吹きの頃にはセリ、ニリンソウ、ゲンノショウコ、ヨモギ等と似ているため、 誤食による中毒事故(死亡例もある)が起こるそうです。


左手の木々の間からは道志山塊最高峰の御正体山の雄姿が良く見えます。


石保土山 1,297.3m

9時26分。スタートから1時間16分。
石保土山に到着です。ベンチがあり今日初めて腰を下ろして休憩しました。
菰釣山まで3.8kmです。

ベンチの脇に、三等三角点があります。


小休止後、菰釣山へ向かって出発です。


途中に道標が沢山あります。
ほぼ300mごとに出てきます。さすが神奈川県です。
これだけ登山道を整備している県は他には知りません。
静岡県、山梨県、長野県、東京都など色々な登山道を歩いても、
これほど整備されている都道府県は無いと思います。
左菰釣山まで3.5km、右菰釣山まで3.2km

小さな梯子が出てきました。
この辺りから、白ザレの小石で滑る登山道になってきます。

上の梯子を下り、少し先へ行って振り返った写真です。


西沢ノ頭

9時55分。スタートから1時間45分。
西沢ノ頭に到着です。この辺りで菰釣山までの中間地点です。
結構歩きがいがあります。
菰釣山まで2.8kmです。



樅ノ木沢の頭

10時17分。スタートから2時間07分。
樅ノ木沢の頭に到着です。稜線上にベンチがある単なる通過地点の感じです。
ここに先客で単独行の中年男性がベンチで休んでいました。
我々が着くと、ベンチを空けてくれたのか、ロールマットを地面に敷き、横になって休んでしまいました。
すこし疲れた感じです。
実はこの方が最後の駐車場で再び会った人で、ここから戻った人でした。
我々は立ち止った程度の休憩後、先へ進みます。
菰釣山まで2.1kmです。

この辺りはブナの林が綺麗な場所です。
しかし、丹沢全体に言えることですが、ブナの立ち枯れや倒木も沢山ありました。
いつまでこの自然が残っているのか。
酸性雨や温暖化など、なかなか厳しい状況のようです。

油沢の頭

10時36分。スタートから2時間26分。
油沢の頭に到着です。
菰釣山まで1.6kmです。
少し飽きてきました。そのうえ少し疲れてきました。

ブナノ丸

11時01分。スタートから2時間51分。
ブナノ丸に到着です。
菰釣山まで0.7kmです。
1キロを切りました。あともう少しです。

前方にピークが見えます。
今まで同じようなピークをいくつも越えてきましたが、
こんどこそ菰釣山です。

登りきると頂上にベンチがありますが、道標は何もありません。
登っている時は、ここが菰釣山と思っていましたので、一瞬キツネにつままれた感じです。
地形図を見ると本当の菰釣山は100mほど先です。ここは菰釣山手前の小ピークの山頂です。
もう一回下って登らないといけません。
’m’は緊張の糸が切れたのか、もうここでいいと言い出すしまつです。
しょうがないので’m’をそこに残し、とにかく自分だけでも山頂へ行って直ぐ戻ってくるからと言い残し先へ行きました。

菰釣山 1,379m

11時20分。スタートから3時間10分。
菰釣山に到着です。
ここから呼べば’m’に聞こえそうな距離です。
後方を見ると、こちらに登ってくる’m’が見えました。

山頂では温かい麺類とおにぎり、サンドイッチの昼食です。
ベンチの周りには汗で濡れたシャツを着替え、日に当て乾かしています。
風もなく秋の陽を浴び、一年でも一番良い時期を山頂で過ごします。
至福のひと時です。

下山開始

12時30分。スタートから4時間20分。
菰釣山山頂での50分間の昼食休憩後、帰路につきました。
また同じ道を戻ります。さあー頑張るぞ! 3時間。
写真は菰釣山山頂から見た御正体山です。



帰路は同じルートですので、写真は割愛です。

・油沢ノ頭   13時15分。スタートから5時間05分。下山開始から0時間45分。
・樅ノ木沢の頭 13時26分。スタートから5時間16分。下山開始から0時間56分。
・西沢ノ頭   13時49分。スタートから5時間39分。下山開始から1時間19分。
・石保土山   14時12分。スタートから6時間02分。下山開始から1時間42分。
・大棚ノ頭   14時53分。スタートから6時間43分。下山開始から2時間23分。


陽の光を浴びて、輝くススキの穂。

大棚ノ頭

大棚ノ頭   14時53分。スタートから6時間43分。下山開始から2時間23分。
ここから、山伏峠への道標に従い、東海自然歩道から右へ入って行きます。同じ道をもどります。


西群馬幹線No.258鉄塔を過ぎ、朝の道を戻ります。
最後の駐車スペースに戻る道は、朝の道は通らず、
車を止めた山伏峠トンネルの反対側に出るため、途中で右へ分かれます。
私有地?であるホテルの跡地を通りません。

15時09分。大棚ノ頭から16分。
写真はホテル跡地へ向かう道と山伏峠トンネルの反対側に出る道の分岐に到着です。
写真奥から来て、ここを右折です。直進するとホテル跡地です。
下ってきてここを右折です。

右へ曲がったところにある、手書きの道標が目印です。
上から来ると見えないかもしれません。
この辺りで、右へ分岐する道はここだけですので、分かると思います。

熊笹の生い茂る緩やかな道を下っていきます。
振り向いて撮った写真です。


小さな斜面を巻くように下って行きます。


山伏峠登山口

15時15分。スタートから7時間05分。下山開始から2時間45分。
山伏峠登山口に到着しました。


同じ場所を反対から撮った写真です。


案内表示は地面に置かれていました。
この表示は少し不親切です。かなりはしょっています。
先ほど、ホテル跡地と山伏峠の分岐を通過しましたが、そこに設置するような内容です。
左方面:道志村? 右方面:石割山、御正体山

登山口前の舗装路を右へ進むと、直ぐに国道413号線に出ます。


国道413号線に出たら、直ぐ左の山伏峠トンネルを通過すると、駐車スペースへ出ます。
ここで、中年男性に追い付きました。疲れた足取りです。
良く見ると途中で会った男性です。


遅い足取りに、山伏峠トンネルの中でこの男性を追い越しました。


山伏峠駐車スペース

15時20分。スタートから7時間10分。下山開始から2時間50分。

トンネルをくぐると左手が朝車を止めた場所です。
今日のルートはちょっと距離もあり、少しハードでしたが、無事到着です。
お疲れさまでした。よく頑張りました。
なお、後方の車は最後に追い付いた単独行の中年男性の車でした。
ここで、「健脚ですね」と話しかけられたのです。

立ち寄り湯


この後、近くの日帰り温泉「石割の湯」に寄り、汗を流しリフレッシュして帰路につきました。

◎「石割の湯」の詳細なレポートは、立ち寄り湯 箱根・富士 「石割の湯」 をご覧ください。






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