高指山、鉄砲木ノ頭
たかさすやま、てっぽうぎのかしら

1,174.1m、1,291.0m

春の陽気に誘われて訪れた山は、まだ冬のいでたちでした。
冬枯れの山並みは視界が良く、地図読みには最適です。
  

  
エリア 北丹沢 日程日帰り 日付2011年4月3日 天候曇り
同行者単独 TIME(休憩を含む)6時間20分
コース 山伏峠駐車スペース(8:14)→大棚ノ頭(8:46)→高指山(10:06)→切通峠(10:37) →鉄砲木ノ頭(11:21)昼食(11:50)→切通峠(12:28)→高指山(13:01)→大棚ノ頭(14:05)→山伏峠駐車スペース(14:34)

カシミール5万分の1地形図より作成
国土地理院2万5000分の1=御正体山



 昨年の6月に今回とは反対のルートで三国峠側から鉄砲木ノ頭→高指山を訪れました (山行記録はこちらへ)。 このときは高指山から更に先の山伏峠まで行く予定でした が、天候が思わしくありませんでしたので高指山から引き返しました。今回は逆ルート で前回終着予定であった山伏峠側から高指山→鉄砲木ノ頭を往復しました。前回、ルート を短縮し引き返したのは梅雨時で雨が降りそうだったことに加え、高指山からさらに山伏 峠まで足を延ばすと距離が倍になり、体力的にも気持ち的にもエネルギーがたまっていま せんでしたが、今日は必ず歩くぞとの強い気持ちをもって出かけました。いつも思うこと ですがどんな山へ登るにも強い意志と信念が必要のようです。
 今回はアクシデントとまではいきませんが、プチトラブルというか想い出(すべて解決 し、たわいのないこと)が4つありました。その1.車で出発後、登山靴を忘れていたこ とを思い出す。→当然取りに引き返しました。これで朝の移動の貴重な時間を30分ロス。そ の2.数年ぶりに訪れた山伏峠でしたが、道標がなく、あっても手作りで字が消えている などメインのルートに乗るまでちょっとドキドキでした。(ここでのタイムロスはなし)。 その3.途中メインのルートが熊笹で覆われており、悩んだ末に鉄塔巡視路に入り込み 20分のロス。その後プチやぶ漕ぎ。その4.4時間以上歩くといつもの膝痛が出て、そ のうえミゾレに降られ少し気持ちがたそがれたこと。など、たわいのない出来事でしたが 、非常に楽しい山歩きを堪能できました。特に今回は時期も影響したのか他の登山者とは 遭遇しませんでした。また、冬枯れの山は地形が良く見え、地図読みの訓練には最適でし た。




犬伏峠トンネル脇の道路の路肩
数台 無料 トイレなし、  水場なし、自販機なし。

駐車場

国道413号線を山中湖方面へ進みます。道の駅「どうし」を過ぎしばらく走ると 山伏峠トンネルがありますのでこのトンネルを過ぎたら直ぐ左の脇道の路肩に駐車します。
この道は国道413号線から脇に入る旧道です。100m程で行き止まりですが、 その先にはホテル跡地(旧山中湖高原ホテルの廃屋)があり、 入口は閉鎖されており中には入れません。2005年まではフェンスが無かったので中に駐車することができましたが 現在はできません。御正体山へ向かう方が多く停めます。



出発

8時14分。
車からザックを降ろし支度を整えていると、前方(国道413号線)から、 中年のご夫婦が戻ってきました(上の写真の後方に写っている軽自動車の方)。
自分は支度を済ませ登山口に向かう際に軽自動車のご夫婦に挨拶をして、ずいぶん早く戻られましたねと 話掛けたところ、山伏峠トンネルの反対側にある登山口から御正体山を目指し登りはじめたが、前日の陽気で雪が解け、 今朝の寒さでアイスバーン状態になっており、アイゼンが無いと上がれないので帰ってきたとのことでした。
そこで、この先にあるホテル廃屋の敷地脇から御正体山へのルートがあり、自分はそこから反対方面の東海自然歩道 を使って三国峠方面へ向かう予定ですと話をし、ホテル跡地へ入り登山口へ向かいました。その時ご夫婦はその登山口は 知らなかったので、行ってみようかと相談をされていました。
写真は駐車した場所からホテル跡地入口を撮ったものです。左に見えるのは旧山伏峠トンネルです。登山口はこの ゲートをくぐりホテル敷地に入り、その先にある鳥居から登山口に入ります。



<写真左>入口のロープをくぐり、ホテル跡地へ入ります。
右の建物がホテル廃屋、丸で示したのが鳥居です。
<写真右>敷地内脇にある鳥居です。ここを上がり左方面が御正体山、 右方面が東海自然歩道で菰釣山、高指山です。





廃屋を後ろに見送り、坂道を上がって行きます。





唯一字が読み取れた道標(手作り)です。
左方面:御正体山、石割。右方面:大棚ノ頭、菰釣山、丹沢、高指山。17.1.1と読めます。
ホテル廃屋の裏山といった感じで、散策路のように幾つかの道がついています。
この先に同じような手作りの道標がいくつかありましたが、字が読めるものは一つもありませんでした。
地形図でこれから向かう先を確認していると、先ほどのご夫婦が上がってこられました。
御正体山はこちらですよとお話をして、別々の方向に進みました。





地形図で大棚ノ頭へ出る尾根の上を高圧電線が通っており、かつ尾根の上で鋭角に電線が曲がっています。
ということは尾根の上に鉄塔があり、そこを支点に電線が鋭角に曲がっていると判断ができます。
周りを見ると鉄塔が視認できます。付近には幾つかの道が付けられていますが明確な目標物があるので安心です。
間もなくして鉄塔下に出ました。その先のルートは白く見える残雪のルートを進みます。





鉄塔NO.258です。
あとで分かったのですが、ここまで自分が来たルートは鉄塔巡視路を上がってきたようです。
登山道と鉄塔巡視路が一緒になっています。





このあたりまで来ると明確に登山道に入ったと感じます。
道が分かれるところにはピンクのテープが目に付きます。





大棚ノ頭

8時46分。スタートから32分。
大棚ノ頭に出ました。東海自然歩道に合流です。
写真の左手前から来ました。山伏峠0.5km
左が城ヶ尾峠8.8km、菰釣山5.1km。 右が切通峠、高指山2.3kmです。ここを高指山へ向かいます。
写真道標の先にスチールの支柱に黄色のプラスチックで鉄塔番号の表示案内が見えます。
登山道と鉄塔巡視路が一部重なっています。



あまり人が歩かれていない気持ちの良い尾根道を進みます。



8時57分。大棚ノ頭から10分程来た場所です。
<写真左>
道標の示す方向(写真1時方向)は熊笹が生い茂り道が途絶えています。 その左(10時方向)には従来の尾根道の倍はある太い道が続いています。
<写真右>
写真左に写っている道標の指す方向は笹藪です。


ここは道標に従い、笹藪をかき分け先に進むと、
写真のような丸太が出てきました。
ここで、ウ〜ン? です。



先ほどのところへ戻ります。
明確で太い道の脇には鉄塔巡視路の案内表示があります。
おまけにピンクのテープまで付いています。
地形図を見てもここを左は無いはずです。
でも、本来の道は無くなり、その先には「入らないでください」の表示です。
こんな時人間は自分の都合のよいように物事を判断するようです。
それは、いままで登山道と鉄塔巡視路はかなりの部分で重なっていました。
きっと登山道はこの先崩落などのため、ここで鉄塔巡視路を使って迂回し、
その先で元のルートへ出るのではないか。ということです。
しかし、これはあまりにもあり得ないと思いつつ、ダメもとで鉄塔巡視路の先を 見に行こうと入って行きました。



やっぱりというか、結果はご覧のとおりです。
鉄塔に出ました。巡視路は登山道とは全く異なる方向に続いています。
想定したとおりですので、下った道を登り返してもう一度、先ほどの場所に戻ります。
怪我の功名ではありませんが、この鉄塔巡視路で雉とタヌキ?に遭遇しました。もしかしたら タヌキは他の動物かもしれません。大きさは猫より少し大きいくらいで、尻尾が長くふわふわの 冬毛に覆われており、体も頭も丸々しており、愛らしい動作で斜面を駆け降りて行きました。
この間1秒もありません。まさにあっと言う間でした。


今度は判断に迷いがありませんので、道標に従い笹藪の中を進みます。
何のことはなく、しばらくやぶ漕ぎをして進むと元の登山道になっています。
ここで鉄塔巡視路を往復して17分間のロスでした。



このルートは利用する人が少ないのか、登山道の整備といい、ベンチや道標もかなり傷んでいます。



しばらくすると、このルート唯一の鎖場があります。
白ザレの斜面は滑りやすく、慎重に下ります。


地形図を見るとルート上の1182ポイントで送電線と交わっています。
しばらく行くと、小高い丘と鉄塔が見えてきました。
あの小ピークを越えると鉄塔の下に出るはずです。


9時31分。ポイント1182脇の鉄塔No.259に到着です。
冬枯れで山の地形が良く見える上に、鉄塔は現在位置確認にとって非常に便利です。
送電線の向きで方向も一目瞭然に分かります。



この先も笹藪と落ち葉の広い尾根の気持ちの良い山歩きを堪能し、高指山を目指します。
9時36分。高指山まで1.4kmの表示です。


枯葉を踏みしめます。至福のひと時です。
冬枯れの先に見える小高い山は富士岬平のようです。


富士岬平

9時52分。スタートから1時間38分。
富士岬平です。今日は曇り空のため眺めは今一ですが景観の素晴らしい場所です。
高指山20分、切通峠55分、明神山2時間30分とあります。
なお、この明神山とは今日の最終目的地である鉄砲木の頭の別名です。
個人的には趣のある鉄砲木の頭が好きです。
ここは休憩なしで先を急ぎます。



間もなく、鉄塔と小高いピークが見えてきました。
地形図を見ると小ピークは1,174.1mの高指山です。
ここから見るとピークに鉄塔が建っているように見えますが、
鉄塔はその200mほど前に建っているようです。


高指山まで0.3kmの道標です。
バラシマ峠と記されています。


高指山

10時06分。スタートから1時間52分。
高指山に到着しました。前回はここで昼食をとり鉄砲木の頭へ戻った場所です。
休憩するには最高の場所ですが、昼食には少し早いのでここは小休止のみで出発です。
前方には石割山のある山並みが見えます。


山中湖を右手に見てしばらく下って行きます。



この辺りは山中湖湖湖畔の平野から小一時間程の場所です。



間もなく鉄砲木ノ頭が望める場所にきました。
一時間はかかりそうです。


切通峠

10時37分。スタートから2時間23分。
切通峠です。ここはこの辺りで一番低い場所で山と山の谷あいの峠といった感じです。
鉄砲木ノ頭まで55分とあります。
ここから鉄砲木ノ頭までは緩やかですがひたすら登りが続きます。


しばらくは枯れ草の緩やかな斜面を上がって行きます。


日が当らない斜面にはまだ雪が残っています。
何故かルート上に雪が多く残っており、歩きにくい雪のない脇を登っていきます。


目の前の林が開け、前方が良く見えるようになりました。
やっと頂上です。


鉄砲木ノ頭

11時21分。スタートから3時間7分。
林を抜けると鉄砲木ノ頭の山頂です。
周りは何もなく広い小高い丘の頂上です。



頂上中央には「山中湖諏訪神社奥宮」があります。
山中湖が望め、富士山の絶景ポイントですが、今日も富士山を見ることはできませんでした。



山頂にはベンチはなく座る場所はありません。
風もなく、穏やかな山頂なので、神社の裏で昼食としました。
30分の食事タイムの後、同じルートを戻ります。
11時50分。帰途に付きました。



切通峠

12時28分。スタートから4時間14分。復路38分。



高指山

13時01分。スタートから4時間42分。復路1時間11分。



午後から気温が低くなってきましたが、
ミゾレも降ってきました。
熊笹の上に降るミゾレはサラサラと小気味い音とともに降ってきました。


大棚ノ頭

14時05分。スタートから5時間51分。復路2時間15分。



ホテル跡地

14時30分。スタートから6時間16分。復路2時間40分。



山伏峠トンネル脇駐車スペース

14時34分。スタートから6時間20分。復路2時間44分。
無事に駐車スペースに到着しました。
朝のご夫婦の車は既にありません。無事に御正体山に行けたのでしょうか。
往路の途中からいつもの膝痛が出て、難儀しましたが何とか無事到着です。
今回のルートは距離はそこそこありますが、険しいルートではなく 楽しく歩けた山行でした。



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