石老山
せきろうざん

694.3m

手頃なハイキングコースで見所も沢山。
富士山や丹沢山塊、相模湖の眺めは最高、
家族連れや初心者にもお勧めのルート。

 
エリア 高尾・奥多摩 日程日帰り 日付2009.12.20 天候晴れ
同行者単独 TIME(休憩含む)3時間46分
コース 相模湖病院前駐車場(7:40)→ 顕鏡寺(8:03) → 融合展望台(8:41) → 石老山(9:12) → 大明神山(9:49)昼食(10:05)  → 大明神展望台(10:12)→ キャンプ場(10:43) → 相模湖ピクニックランド入口(11:03) → 石老山入口(11:10) → 相模湖病院前駐車場(11:26)

カシミール5万分の1地形図より作成
【参考】国土地理院2万5000分の1=与瀬




石老山山頂より富士山を望む
(手前左は大室山)

石老山へは顕鏡寺への参道を登りますが、顕鏡寺までの途中にある多くの奇岩や巨石を 眺めながら楽しく歩くと石老山山頂に到着します。標高はわずか700m弱ですが、周りに 高い山もなく、見晴らしは非常に良い山です。山頂までの途中にある八方岩 (八方を見渡せる岩)では、冬晴れ ということもあり、都心の高層ビルや横浜のMM21の高い建物が朝日に輝いて望めます。 石老山山頂からは尾根道を軽いアップダウンを繰り返し下っていきますが、進行方向左手 (西側)には冬の枯れ枝越しに雪をかぶった霊峰富士の姿をずっと見ることができました。 大明神展望台では360度の大パノラマが開け、富士山手前の丹沢山塊が朝日に照らされ山並み のシルエットを鮮明に見ることができました。富士山の反対側(東側)には相模湖の輝く 湖面の上を滑るように進む小船と相模湖ピクニックランドの観覧車が見えるなど、見所や 眺望に恵まれ、歩いていて大変に楽しい山です。下った相模湖湖畔には渡し船乗り場もあり、 山歩きに変化を付けるには、乗船して船を楽しむのもいいものです。冬の寒い時期という こともあり、途中出会った人は駐車場での男女と単独行の男性二人とすれちがっただけで、 陽だまりの静かな山歩きを堪能しました。




登山者・参拝者用駐車場で無料ですが、スペースの反対側(右側)は病院用駐車場です。
表示板には「登山者・参拝者用 駐車場」とあります。

相模湖病院前駐車場

国道413号線から三ケ木から412号線に入り、津久井湖を過ぎてしばらく走ると、 石老山入口の信号があり、ここを左折し、途中の表示に従い進みます。まもなく道路右側に 相模湖病院、登山者・参拝者用駐車場と二つの看板が出ている駐車場に到着します。 駐車場は横にある相模湖病院と顕鏡寺参拝・登山者用駐車場が一体になっており、登山者用は向かって左側が指定され ていますが、区画や明確な駐車指定はなく、7,8台が駐車可能です。今回は12月の朝7時 に私のほかにちょうど1台来ていました。ハイシーズンには早めの到着が必要のようです。 駐車場にはトイレ、水場はありませんが、顕鏡寺までの登山道を兼ねた参道を進みますと、顕鏡寺 には公衆トイレと自販機があります。なお、12時に駐車場へ戻った時は登山者用は満車で、 病院用も縦に3列停める状態でした(前の2台はどうやって出るのか不思議です)。




出発

7時40分。
登山者用に先客が1台駐車しており、出発の準備をしていました。
挨拶を交わし、自分も準備を整え、彼等(男女)の後出発しました。
石老山へは、途中にある顕鏡寺までは同寺の参道を進みます。
参道(登山道)は駐車場と前にある相模湖病院の間にある道を道標に従い進みます。
写真右の建物が相模湖病院です。



駐車場から5分ほどで、雰囲気の良い大きな石畳の坂道を登ります。


7時48分。スタートから8分。
ここから顕鏡寺参道の巨石が続きます。

案内表示より
「岩屋の前の大石の上に絞龍の石像があり悪魔を降伏させるような
顔相である。この石像に岩上から滝がふりかかるので、これを滝
不動という。昔は水量も多く参詣人がこの滝の水を浴び身を清め
祈願したといわれている。今は絞龍の石像はこわれ、顔相だけに
なっている。」

滝不動


案内表示より
「この岩は一見住居の塀風を思わせるところから屏風岩という。中央
より左右に割れて並び、その間が通路になっているところから、別名
「切通し」ともいう。岩の大きさは高さ約4.5m。横幅約7mである。」

屏風岩


案内表示より
「平面に傾斜している巨岩と右側少し入ったところに直立した巨岩
がある。左右相対して一対の岩となり、これを「仁王岩」または
「阿うん岩」という。この場所は昔、仁王門があった場所ともいわ
れ、仁王岩の名がついたと思われる。左側の巨岩は、高さ約9m
横幅約12.5m、右側の巨岩は、高さ約7m、横幅約9mである。」

仁王岩(阿うん岩)


案内表示より
「この駒立岩は山中最も有名な巨岩で伝説も秘めている。石老山顕鏡
寺建立の始まりで、京都高家の宮人三條殿の若君武庫朗と八條殿の
姫君が、今から一千年の昔、名馬にまたがり住居とする岩窟を探す
時、この岩で休憩したといわれ、岩上には馬の蹄や寝た跡がある。
岩の大きさは、高さ約11m、横幅約175mである。」

岩が大きすぎて、山の一部になっているようで表示板のある下がその
岩のようです。

駒立岩


案内表示より
「大きい岩の上に直立した小さい岩が「力試岩」である。大きい岩が
「男岩」で周囲約3.5m、高さ約1.6m、小さい岩が「女岩」で、
周囲約2m、高さ約1.6mである。昔、力持ちの人達が力試しをした
と伝えられている。右側にある大きい岩を「文珠岩」といい、岩のよう
に重い罪も文珠の知恵はこれを救うといわれて、参拝者はこの岩肌にさ
わってあやかるのである。岩の大きさは高さ約12m、横幅約17mである。」

力試岩・文珠岩



顕鏡寺

8時01分。スタートから21分。
顕鏡寺に到着しました。
奇岩や巨石の案内板を楽しく見ているうちに
着いてしまったという感じです。
山門の右側には公衆トイレと自販機があります。
【顕鏡寺】
「今から千百年余り昔のこと。当時の宮人、三条貴丞卿の若君武庫郎と 八条殿の姫君の子として生まれた男の子は、岩若丸と名付けられ、若君 は子供との再会の証として、鏡を割って一片を渡し、道志法師となって 諸国行脚に出た。その後成長した岩若丸は父母と再会。岩若丸は僧となって 源海上人と号し、古い石の山から寺の号を石老山といい、鏡から顕鏡寺と 呼んだといわれています。」


山門の手前左側に石段があり、
道標に従い石老山山頂へはここを上がります。


この先にも奇岩、巨石が続きます。

案内表示より
「この岩窟は、「道志法師」、「源海法師」が住居とし、これを
道志岩窟という。岩窟の中に「福一満虚空蔵尊」が安置されて
おり、顕鏡寺の寺宝とされている。顕鏡寺で行う小児虫留加持は
この虚空蔵尊の霊験といわれている。岩の大きさは高さ約7m、
横幅約12mで岩窟の中は奥行き約5m、横幅約5m、高さ約2m
である。」

岩窟



鳥居をくぐって先へ進みます。
道標もあります。

案内表示より
「この岩は、「散蓮華」のような岩なので、蓮華岩といわれる。
やや登って右側奥に、直立した天狗の鼻のような岩があり、こ
れお「大天狗岩」という。岩の大きさは「蓮華岩」高さ約3.5m、
横幅約8m、「大天狗岩」高さ約14.5m、横幅約16mである。」

蓮華岩・大天狗岩


案内表示より
「この岩は、平面が鏡のようであり、朝日を反射し光を放つよう
であり「鏡石」と名付けたいわれる。右側、斜め下の山中に直立し
た天狗の鼻のような岩があり、これを「小天狗岩」という。岩の大き
さは「鏡石」高さ約23.5m、横幅約18m、「小天狗岩」高さ約
2m、横幅約8mである。」

鏡石・小天狗岩


何かのおまじないでしょうか。
まるでこの大岩を支えるように小枝が何本も挿してあります。
それこそ屁のつっぱりにもならないものですが、
なにか、愛嬌があり気になって写真を撮りました。


岩を見ながら山道を登っていきます。

案内表示より
「登山道にかぶさるように突出しているこの岩を「吉野岩」という。
別名「弁慶の力試岩」ともいわれ、中央に拳の跡が二つある。弁慶は
強かった人かもしれないが、この岩に拳の跡を残す力はなかったと思
う。拳に似た石が抜け落ちてできたものではないかと思われる。岩の
大きさは、高さ約11m、横幅約7mである。」

吉野岩(弁慶の力試岩)


案内表示より
「飯綱権現神社を覆いかぶさるように突出している岩が「擁護岩」で、
別名「雷電岩」ともいう。飯綱権現神社をかかえて守ため、擁護岩と
名付けられた思われる。この擁護岩は、石老山で最も大きな岩である。
岩の大きさは、高さ約22m、横幅約19mである。」

擁護岩(雷電岩)


案内表示より
「大きな岩が半分に割れたのが「大試岩」、横に割れて小さいのが「
小試岩」である。昔、腕の立つ武士がこの山に登った時、鋭利な大小の
刀でこの岩を試し切りしたと伝えられ、大刀で切ったのが大試岩、小刀
で切ったのが小試岩という。岩の大きさは大試岩が高さ約3.5m、横
幅約6m、小試岩が高さ約1.5m、横幅約4m、である。」

試岩




案内表示より
「山腹に突出した岩が「八方岩」で、この岩に登れば八方が見えるといわ
れているが、東南方面が見えるだけである。東南方面の眺望は雄大である。
岩の大きさは高さ約9m、横幅約14mである。」

八方岩



案内文を読むと早速ロープを超え岩の上に上がってみました。
確かに眺望が素晴らしいです。岩に上がった正面には都心方面の高層ビルが望めます。
右手方向にも高層ビルが見えます。その形から横浜のランドマークのようです。


8時34分。スタートから54分。
奇岩、巨石は終わり、石老山山頂を目指し、登山道を進みます。
顕鏡寺本堂から0.4km、石老山まで1.1kmの地点です。



朝日のこぼれる、山道を進みます。

融合平見晴台

8時41分。スタートから1時間01分。
標高570mの融合平見晴大に到着しました。
ベンチもあり、相模湖がよく見えます。
冬晴れの空のもと、青い湖面が輝いています。


木立の中の陽の当らない山道は、
霜柱で白く見えます。


途中にはところどころにベンチもあり、
歩きやすい尾根道を進みます。


石老山山頂

9時12分。スタートから1時間32分。
石老山山頂に到着しました。あっけなくといった感じです。
顕鏡寺の奇岩や巨石を楽しく見ながら歩いてきたので、
時間の経過をあまり感じなかったようです。



正面には丹沢山塊と富士山がくっきりと見えます。

頂上の案内表示より
「ここは石老山の頂上です。山の中腹にある石老山顕鏡寺
は有名で、寺の山号をとってこの山を石老山と呼ぶように
なりました。正面には標高1,000mを超える丹沢の山並みが
見えます。最高峰は標高1,672.7mの蛭ヶ岳です。東海自然
歩道は手前に二つの峰がある、石砂山を超え、道志川を渡っ
て西野々へと向かいます。そこからは山岳地帯となりますの
で充分な装備と、綿密な計画が必要です。」

休憩は大明神展望台とし、山頂は通過することとしました。
<写真左>
写真手前から来ました。
山頂の左方向は道標によると牧馬とあります。
高塚山(約40分)もこちらの方向です。
<写真右>
大明神展望台へ向かいますので、ここを道標に従い
右方面へ下っていきます。


緩やかな下り坂を、軽いアップダウンを繰り返し
ながら下っていきます。


向かって左側は木々の間から展望が
開ければ、ずっと富士山を見ることができます。


大明神山

9時49分。スタートから2時間09分。
ここまで、左側の富士山側の眺望が良く、 右側は樹木に遮られ眺望はあまり良くありませんでした。
ここ大明神山は相模湖ピクニックランドが一望でき、ベンチもあります。
陽も差し休憩にはもってこいの場所です。
大明神展望台での食事休憩は止め、急きょ場所を変更です。


10時05分。
15分間の昼食タイムをとり、出発です。
相模湖ピクニックランドの観覧車が良く見えます。

大明神展望台

10時11分。スタートから2時間31分。
大明神展望台に到着しました。
展望台にはベンチもあり、360度のパノラマが広がります。
わずか700m弱の山ですが、周りに高い山がなく、素晴らしい眺望です。



展望台よりの眺望
<写真左>北方向:相模湖
<写真右>東方向:都心方面


展望台よりの眺望
<写真左>南方向:富士山、丹沢山塊
<写真右>西方向:中央自動車道方面


展望台よりの眺望を楽しんだ後は、
道標に従い、東側のねん坂方面へ下ります。


鼠坂と書いて「ねん坂」と読みます。
道標に従い、ねん坂方面へ下ります。


林道に合流しました。
ここを左へ下っていきます。

間もなくキャンプ場の中を進みます。


キャンプ場を抜けると県道の箕石橋に出ます。
ここを右へ進み、左手に相模湖の渡し船の入口を見送り、
道なりに舗装路を進みます。


相模湖ピクニックランド前

11時03分。スタートから3時間23分。
相模湖ピクニックランド前の交差点に出ました。
この信号を右へ進み、石老山入口へ向かいます。



石老山入口

11時10分。スタートから3時間30分。
石老山登山道入口と書かれた大きな看板が目印です。
この信号を右へ進み、赤い欄干の石老山橋を渡ります。



途中道標に従い、一般道を進みます。



<写真左>
間もなく、石老山表参道の表示があります。
<写真右>
その先には駐車場入り口の「相模湖病院」と
「登山者・参拝者用駐車場」の看板があります。


相模湖病院前駐車場

11時26分。スタートから3時間46分。
相模湖病院前駐車場に到着しました。
駐車場は満車状態でした。

天候に恵まれ、見所も多く、雄大な眺望も楽しめた、
とても良い山行で今年を締めくくれました。


立ち寄り湯


東尾垂の湯】神奈川県相模原市藤野町牧野8114−2
入浴料850円、10時00分〜21時00分、年中無休、Pあり、042-689-2360
源泉掛け流し100%の表示が目につく日帰り温泉です。同温泉はリハビリの一環に温泉療養を取り入れた療養施設の ふじの温泉病院なごみの里の横に一般客向けに建てられており、その効用は実証済みです。建物前には第一駐車場と 第二駐車場があり、その横に第三駐車場があります。当日は第一駐車場が満車で、 その並びの第二駐車場へ停めました。建物は一部2階建てですが一見平屋で、和風のたたずまいです。入口で靴をげた箱へいれ、 自販機で850円の入浴券を購入します。フロントへ入浴券とげた箱のカギを預けると、脱衣場のロッカーキーとともに、タオルと 湯上り用バスタオルを渡されます。今までの日帰り温泉で、無料でタオルとバスタオルを貸し出すところは初めてです。感激ものです。 脱衣場も広く、各洗面台にはドライヤーとヘアーブラシ、綿棒がおかれていました。ヘアーブラシは共用でしたので利用しませんでした が、設備が整った施設です。浴室は大きな浴槽とジェットバスとミストサウナがあり、大きな露天風呂もあります。洗い場も12ヵ所あり それぞれゆったりしたスペースが確保されています。建物には無料休憩スペースのほかに簡単な食事処やお土産売り場もあり、多くの 利用者で賑わっていました。



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