丸山・白駒池
まるやま・しらこまいけ

2,329m

どこかヨーロッパの香りがする、
草原から原生林と静かな湖の森を歩く。
家族連れや初心者にもお勧めのルート。

 
エリア 日程日帰り(前夜車中泊) 日付2009.08.18 天候晴れ
同行者単独 TIME(休憩含む)3時間33分
コース 麦草峠駐車場(6:59)→ 丸山(8:01) → 高見石小屋(8:25) 展望台(8:43) → 白駒荘(9:11)→ 東屋(9:31)昼食(9:42) → 青苔荘(9:46) → 駐車場脇(10:04) → 麦草峠駐車場(10:32)

カシミール5万分の1地形図より作成
【参考】国土地理院2万5000分の1=蓼科




高見石より白駒池を望む

標高のある湖はどこか神秘的です。湖の周りには急峻な斜面や深い谷はなく、また 湖につながる川があるわけでもなく、まさに高い山に忽然と湧き出でたように湖が そこに在ります。麓にある湖は周りの山々から流れ込む水で成り立っているため、山に 囲まれ、器の底にいるように思えますが、高い山の湖は視界を遮る山もなく、 あたかも広い空の下に浮かんでいるように感じられ、そこが余計に神秘的に思えるのかも しれません。今回訪れた白駒池は北八ヶ岳最大の湖で、車を停めた麦草峠や洒落な 麦草ヒュッテ周りの景色と合わせ、どこかヨーロッパの香りがする静かな湖です。 また、前半に登った丸山山頂へ至る広い草原から原生林を歩くルートは高原のそう快感を 味わえ、登るに従い次第に大地を覆うコケは深緑色の絨毯を敷き詰めた、庭園のような 風景が最高です。今回一番のサプライズは高見石から望んだ白駒池の素晴らしい 景観でした。高見石の大岩の重なる斜面を登っていた時は、その後に現れる絶景を予期 していなかったこともあり、その光景を見た時、こんな素晴らしい場所があるなんて、 それも独り占めできるとは最高の贅沢でした。




国道最高の標高2,120mにある麦草峠手前100mにある無料の駐車場です。
100m先の麦草峠には麦草ヒュッテがあります。駐車場は水洗トイレがありますが、水場、自販機はありません。ハイシーズンには混み合うようです。

麦草峠駐車場

中央高速自動車道の諏訪ICを利用。国道152・299号線(芹ヶ沢までは一緒)を進み、 芹ヶ沢を直進し国道299号線通称メルヘン街道を進みます。 蓼科中央高原と別荘地帯を進み標高を稼いでいきます。カーブが多い山道では、カーブミラーの ポールに標高が出ています。どんどん標高を稼ぎ2,100mを超え、そしてカーブがなくなり 平坦な真っ直ぐな道になると、右側に麦草峠駐車場があります(麦草峠手間100mの位置)。
整備された広い駐車場で、100台程度駐車可能です。駐車場の真ん中には真新しい水洗トイレ(男女別)が新設 されています。砂利の未舗装で区画はありません。無料です。




出発

6時59分。
駐車場には既に5,6台の車が停まっています。
支度を整え出発です。
登山口へは駐車場左横から入ります。
道標には麦草峠・白駒池とあります。



駐車場からは左を走る国道に並行して、麦草峠まで100m程を進みます。



7時02分。
スタートから03分。
洒落た外観の麦草ヒュッテがある麦草峠に出ました。



麦草ヒュッテ前の広場を右手に麦草ヒュッテを見ながら、広場左の登山道に入ります。
道標右手「白駒池・丸山・狭霧苑地」方面と出ています。


麦草ヒュッテ前の広場から3分程、笹原の中を進むと、草原の左手方向へ進む道との分岐に出ます。
道標左手「白駒池」、直進「丸山・高見石」とあり、ここは直進して丸山を目指します。
なお、戻ってくる時は左手の白駒池方面から、帰ってくる予定です。


草原を登り切ると、ツガの樹林帯になってきます。



倒木も多く見られます。
ここでは倒木を登山道にうまく使い、ぬかるむ道を歩きやすくしています。
古い倒木は、最終的には朽ちて土に返っています。
人工的な木の階段はありません。


次第に苔が木や岩、大地を覆い、緑の絨毯を敷き詰めたような景観です。
ここでこれから向かう白駒池までに会った、ただ一人の方と一緒になりました。



丸山

8時01分。
スタートから1時間02分。
標高2,329mの丸山山頂に到着しました。
ここからの眺望はありません。立ち休みで少し休憩を取り、先へ急ぎます。
道標左下方向「高見石・白駒池・渋の湯・天狗岳」方面へ、岩の道を下ります。


登山道の真ん中に大きなキノコがありました。
今まで誰にも採られずここまで大きくなったのは、きっと皆さん自分と同じように
これは毒キノコと思ったのでしょうか。色が派手です。
大きさがわかるように足を横に置いて写真を撮ってみました。


原生林と岩の道を高見石小屋に向かって、下って行きます。



白駒峠を通過します。
ここは渋の湯から登ってくる登山道と合流する三叉路になっています。
ここは直進し高見石へ。
道標左手戻り方向「丸山・麦草峠・白駒池」、右手直進方向「高見石・中山峠・白駒池」、手前合流方向「サイの河原・渋の湯」



高見石小屋

8時25分。
スタートから1時間26分。
高見石小屋に到着しました。
静かな山小屋です。今の時間は宿泊客はいないようです。
小屋の人が布団を干しています。


高見石小屋の建物の間を抜け、その先の岩山を登ると展望台に出られます。



大きな岩が積み重なった斜面を両手を使い登って行きます。



登り始めてわずか2,3分。展望台に出ました。
絶景です。期待をしないで登っていましたが、眼の前に神秘的な白駒池がたたずんでいます。


湖の向こうには浅間山が望めます。
吹く風はさわやかで、日差しは暖かく、最高の天候です。
いつまでもここに留まっていたい衝動にかられます。


20分ほど神秘的な雰囲気の絶景を堪能し、先へ向かいます。
(高見石小屋の下まで戻ります。)


ふたたび高見石小屋に戻り、白駒池方面へ向かいます。
岩の道から樹木が濃い道に変わってきました。登山道に木道が敷かれ、歩きやすくなっています。



白駒荘

9時10分。
スタートから2時間11分。
白駒池湖畔一周歩道に合流しました。
上の写真左(合流地点左側白駒荘が見えます)、写真中(合流地点)、写真右(合流地点右側湖畔一周歩道)
ここを反時計回りで周回歩道を進みます。




湖畔周回路の左横は、すぐ湖です。


湖の右側半分は植生保護とハイカーのために木道が敷かれており、大変歩きやすい道です。



湖を時計の針に置き換えて見ると、2時付近に東屋があります。
今日は昼食を取るのを忘れないよう、ここでしっかり休憩と食事をとりました。


青苔荘

9時46分。
スタートから2時間47分。
青苔荘に到着しました。ここからの眺めは最高です。
小屋の前から湖に出られます。









青苔荘前の散策後、湖畔の遊歩道を進むと、
白駒池と白駒入口の駐車場を結ぶ広い道に合流しました。
ここを道標に従い、国道299号線駐車場・麦草峠方面へ右折します。


だらだらと下っていきます。


国道299号線の駐車場直前に左手に入る小道があります。
ここを左折すれば、国道を経由せずに麦草峠へ出ることができます。


目を楽しませてくれる庭園風の美しい道に出ました。「白駒の奥庭」と表示があります。
ゴロゴロした溶岩と木道の道を、気持よく歩けます。


道は緩やかな登りになり、木々の間を抜けると笹原になります。



前方赤い屋根が見えてきました。麦草ヒュッテです。
朝に通過した分岐に到着しました。
右方向から来て、左の丸山へ向かった分岐点です。



麦草ヒュッテ



麦草ヒュッテ前の広場を横切り、朝来た駐車場へ向かう小道に入ります。
広場をよく見ると、バス停があり路線バスが入ってくるようです。


麦草峠駐車場

10時32分。
スタートから3時間33分。
麦草ヒュッテから100mほどで駐車場に到着しました。
朝に比べ車が増え、バスも1台停まっていました。
今日のルートは手軽に原生林や開放的な湖など見どころも多く、
家族連れにも楽しめるルートでした。


立ち寄り湯


小斉の湯】長野県茅野市蓼科温泉
入浴料700円、8時00分〜20時00分、不定休、Pあり、0266-67-2121
芹ヶ沢からビーナスラインで蓼科湖方面へ進んだ右側に建つ温泉旅館です。日帰り入浴も受け付けています。斜面に建っている木造 旅館で建物前と奥が駐車場になっています。入口で靴を下駄箱に入れフロントで700円を払います。ご主人らしき人から壁に風呂の案内図 が貼ってあるからと言われ、手書きの案内図を見るもよく分かりません。4つの露天風呂があり2ヵ所は女性用、一つは男女共用で、 残った一つが男性用の露天風呂「見晴らしの湯」ということで、館内の案内表示に従い斜面に造られた渡り廊下と階段を いくつか通って、目指す男性用露天風呂に到着しました。旅館全体が木造で増築を重ねて大きくなった施設です。 男性用の露天風呂は10人くらいが利用できる脱衣所が2ヵ所ありますがプレハブ作りといった感じです。利用客は自分一人です。 無料のロッカーに服を入れ、露天風呂に出ます。湯舟は2つに区切られていますが一つの大きな湯船です。源泉らしき湯が常時流れ込んでおり、 湯温は熱く備え付けの蛇口からしばらく水を入れて入浴できました。お湯と水の蛇口がセットになった洗い場が2つあります。露天風呂なので 東屋風の屋根はありますが、吹きさらしで夏以外は寒いこと間違いありません。湯船も岩とタイルにセメントの手作りのような風呂場です。 老舗の温泉旅館でしょうが、昨今の温泉ブームで近代的で快適な温泉施設を沢山経験した人間には評価が分かれるところです。 温泉そのもので評価するのか、または施設を含め総体で評価するのかで両極端な意見に分かれると思われます。なお、脱衣場には鏡が1枚と備え付けの ドライヤーが1台ありました。



山行の記録へ


ホームへ戻る



このページに直接入られた方へ。
当ホームページはこちらです⇒ 晴れときどき山歩記 「丹沢を中心に車で行く、日帰り山歩きの記録」