蓼科山
たてしなやま

2,530m

別名榛名富士とも呼ばれ、円錐形の独立峰であるが、
頂上は広大で草木一本無く、大岩の原といった景観が珍しい。
独立峰だけに360度の展望は最高である。

 
エリア 日程日帰り(前夜車中泊) 日付2009.08.17 天候晴れ
同行者単独 TIME(休憩含む)3時間51分
コース 蓼科山七合目駐車場(7:05)→ 馬返し(7:22) → 天狗の露地(7:54) → 将軍平(8:19) → 蓼科山山頂(8:59)頂上散策(9:31)→ 将軍平(9:57) → 天狗の露地(10:20) → 馬返し(10:45) → 蓼科山七合目駐車場(10:56)

カシミール5万分の1地形図より作成
【参考】国土地理院2万5000分の1=蓼科山




車山高原・大門峠より望む蓼科山

夏の休みは避暑を兼ねて高い山を目指しています。高い山といっても、そこは中年 サラリーマン。車で涼しい中腹の駐車場に泊まり、これもまた誰でもが安全に歩ける ルートで頂上を目指します。長期の休みが取れる夏の時期であればこその恒例山行です。 昨年は南八ヶ岳の赤岳を訪れましたので、今年は北八ヶ岳に向かいました。最近はとみに 運動不足です。普段の休日の山歩きの頻度もだいぶ少なくなっています。よし、今回は(今回も?) 楽々ルートにしよう。というわけで蓼科山へ、それも最短時間で上がれる七合目駐車場からの アプローチです。例によってP泊し朝早くからの行動開始です。この時期都会では味わえない 夜の涼しさ(寒くて起きました)と日中は高原のさわやかな風に吹かれ、頂上を目指します。 蓼科山は別名榛名富士とも呼ばれ、下から見ると独立峰で綺麗な円錐形の山容ですが、山頂は 他では見たこともない光景でした。大きな岩ばかりに覆われた平らで広大な山頂です。どこがピーク か分からない山です。頂上の広さは野球場が2面は取れるほどの広さがあり草木は一本も無く、大岩の原です。 さすが独立峰、周りに高い山がないので360度ぐるっと最高の眺めです。しかし、360度の 眺めを楽しむには歩きにくい大岩の上を伝って山頂を一周しなければなりません。
下山は同じルートを通って、登山口へもどりましたが、途中であることに気がつきました。 今まで山歩きをした中で、はじめての経験です。かなり下ったころで空腹を感じ、 なんと昼食を取っていないことに気がつきました。お弁当を忘れたわけではなく、ちゃんと ザックに入れてあります。いったい何を思って山を登っていたのか、我ながらあきれるやら おかしいやらの珍事件でした。(山頂があまりにも奇怪な眺めだったので、散策に没頭し食事を 忘れ下山してしまいました。また今回は立ち休みだけで一回も腰を降ろして休まなかったことも 昼食を思い出さなかった理由の一つでした。)




路肩を利用した未舗装の駐車場です。区画はありません。無料。
蓼科山登山口になっている、蓼科神社の一の鳥居前にあります。
水場と自販機はありません。トイレは手前数十mほどにあります。

蓼科山七合目駐車場

中央高速自動車道の諏訪ICを利用。国道152・299号線(芹ヶ沢までは一緒)を進み、 芹ヶ沢を左折し国道152号線通称大門街道を進みます。 しばらく道なりに進み、白樺湖を半周するように走り込み、蓼科牧場を直進し、夢の平林道を進みます。 進んだ林道の左手にある駐車場です。
路肩の空き地にある駐車場で、約20台駐車可能です。道路を挟んだ反対側には蓼科山への登山口がある 蓼科神社一の鳥居があります。その右横には休憩用の東屋があり、その先にはトイレがあり、 トイレ横にも30台程の駐車場(未舗装、区画なし)があります。
朝の7時前に到着しましたが、すでに4,5台の車が駐車していました。どの車にも人影はなく、 ずいぶん早くから皆さん行動をしているようです。



出発

7時05分。
支度を整え出発です。
登山口は道路を挟んだ駐車場の前にある、
蓼科神社の一の鳥居から始まります。



鳥居の左下には、ご自由にお使いくださいと
沢山の杖(ストック)がありました。
山用のストックではなく、スキーのストックの再利用です。
今はスノーボードが大はやりで、スキー人口は減っており、
貸しスキー屋さんからでも譲り受けたのではないかと、
勝手に妄想をしました。
なお、案内には下山口最寄りの売店、山小屋に預けて欲しいと書かれていました。
多くの方々の協力があって、はじめて出来ることなのですね。
これも一つの町おこしかもしれません。


鳥居から先は、小石の緩やかな道を進んで行きます。
周りには笹藪とカラマツ林の隙間から、朝日が差し込み、
小鳥のさえずりの中を気持ちよく進みます。


馬返し

7時22分。
スタートから17分。
周りの木々が濃くなり、ツガの林の途中に道標が丸太に打ち付けてあります。
たぶん一枚の板が割れたので丸太に打ち付けたようです。
馬返しと呼ばれる場所です。
地名から想像すると、ここまで馬で来て、 ここからは歩いて登ったのでしょうか。
広場も何も無く、ただ道標があるだけです。



良く周りを見ると、右側草むらに今は使っていない道らしき跡があります。
草むらの中には、案内表示らしきものも見えます。
草むらの中に入って見ると、「番□をへて 箕輪平へ」とはっきり読めます。
(口のところの文字は、漢字ではなく家の形をした絵が書いてありました)
2万5千分の1地形図をみると、箕輪平へのルートが示されています。
この様子だと、今は廃道か通行禁止のようです。


ツガの原生林。
雰囲気の良い道を少しきつくなった登りを上がって行きます。。



道幅はかなり広く、石が多くなってきました。



ここから道は細く、少し険しくなってきます。
石が大きくなり歩きにくい道が続きます。
(写真)右 将軍平へ とあります。


天狗の露地

7時54分。
スタートから49分。
岩がゴロゴロして歩きにくくなってきました。
少し開けた場所ですが、休憩するような場所ではありません。



大きな岩の道。
涸れ沢の登り道。



崩落止めに丸太を斜めに交互に設置してあります。
砂土の道と急勾配の道はジグザグになっていまが、
かなり歩きにくい道です。


上から下りてくる人とすれ違いました。
振り向いて下側を撮った写真です。(傾斜と道の様子がわかります)


将軍平・蓼科山荘前

8時19分。
スタートから1時間14分。
この広場には蓼科山荘があります。
山荘の方が庭のテントに、お土産の品を並べていました。
軽く挨拶を交わし、ここは通過です。


ここからは蓼科山からの主稜線と合流し、
山荘前を右手に蓼科山を目指し進みます。





直ぐに大岩がゴロゴロする急登がはじまります。
両手も使い、体全体で斜面を上がって行きます。
一部鎖場もありますが、落ち着いて標高を稼いでいきます。


振り向くと下に蓼科山荘の屋根が見えます。



頂上まで15分の表示です。
このような情報はありがたいものです。



大岩の上を伝って登るのは、割と難しく、バランスを崩しそうになります。
下から軽快な足取りで、どんどん登ってくる若人に道を譲りました。
昔ならそれこそ天狗とあだ名がつきそうです。


蓼科山頂ヒュッテが見えてきました。



蓼科山頂ヒュッテ前からは、頂上らしき表示が見えます。



蓼科山山頂

9時04分。
スタートから1時間59分。
蓼科山山頂に到着です。
山頂といってもどこがピークは分かりにくい山です。
山の名前と標高がでているので、ここがピークでしょうか。



山頂全体の案内図があります。
とにかく変わった山頂です。
図の中で赤マル▲が現在地点で、グレーのマル全体が山頂です。
溶岩が冷えてできた大岩が一面にころがる、平坦な山頂ですが、
正確には溶岩が積み重なった火口縁が縁のように高くなっており、
山頂中心部はお皿の中にいるように、この火口縁しか見えません。
現在地の反対側は、少し小高くなっており方位盤が設置してあります。


方位盤のある反対側の小高くなった場所に、数人の人がいます。



現在地点から左前方に南八ヶ岳の山並みが見えます。
天気は快晴ですが、少し霞んでおりその先の南アルプスの山並みは
肉眼では見えますが写真には写りません。



霧ヶ峰と白樺湖。



方位盤を目指して移動です。
山頂の縁の大岩の上を、時計方向に回っていきます。とにかく歩きにくいです。
山頂の中心点には蓼科神社の祠が見えます。

山頂の縁を回れば360度の大パノラマです。



山頂縁の大岩の上を慎重に伝い、10分ほどで反対側の方位盤に到着しました。
背景は南アルプス方面。


大パノラマを堪能し下山のため、先ほどの蓼科山頂ヒュッテ前へ戻ります。
良く見ると大岩に黄色のペンキで歩行ルートを示す矢印が書かれています。
頂上の中心を真っ直ぐに通っています。
神社の前にきました。鳥居は丈夫な鉄製です。



下山

9時31分。
スタートから2時間26分。
約30分の頂上散策の後、下山開始です。
下りは往路を戻ります。



下山途中では、多くの人とすれ違いました。
往路の時は、朝早かったためほとんど人はいませんでした。
写真は振り返って撮った大岩の急登を登る人々。



犬の親子
光と影の微妙な関係で、蓼科山荘前の登山道で犬の親子に遭遇。
後ろの大きいのが母犬で左横を向いています。
手前には子犬がこちらを向いて伏せています。
どうですか? ちょっとムリ? えっ、わかる!


将軍平・蓼科山荘前

9時57分。
スタートから2時間52分。
下山開始から21分。
将軍平・蓼科山荘前到着。
林間学校のような親子連れが何組かいました。



天狗の露地

10時20分。
スタートから3時間15分。
下山開始から49分。



馬返し

10時45分。
スタートから3時間40分。
下山開始から1時間14分。



蓼科山七合目駐車場

10時56分。
スタートから3時間51分。
下山開始から1時間25分。
蓼科山七合目駐車場に到着しました。
今回も天候に恵まれ、最高でした。 それに、昼食をとることを忘れるくらい?
楽しい山歩きができました。


立ち寄り湯


すずらんの湯】長野県茅野市白樺湖
入浴料700円、10時00分〜21時00分、火・木は12時オープン、Pあり、0266-68-2848
白樺湖湖畔に建つ日帰り温泉施設です。サウナやバイブラバスを備えた近代的な施設です。駐車場も広く(案内には300台と書かれて います)、温泉も同時に100人入浴可能な大型の施設です。玄関を入り左横のげた箱に靴を入れ、入浴券を購入しフロントへ 向かいます。貴重品は貴重品専用ロッカー(無料)へ入れ、浴室へ向かいます。かなり広くて綺麗な施設です。脱衣ロッカーは優に 100人以上分あり、洗面台も11箇所ありすべてにドライヤーが付いています。地方でこれほど洗面台の数がある日帰り温泉施設は初めてでは ないでしょうか。 浴室も広く、洗い場は専用区域として21ヵ所あり、多人数でも十分な数です。訪れた時は平日の昼間ということもあり、数人の利用で ゆったり温泉を楽しむことができました。浴槽は室内に2つと、露天風呂が1つで岩風呂になっています。特徴的なのはこの露天風呂は 半室内といった感じで、正面がすべて解放されている浴室です(天井と横の壁がある)。よく見ると正面の開口部は折りたたみ式の ガラス戸が付いており、真冬などこれを閉めれば快適な浴室になるようです。お風呂上りの休憩スペースも畳の大部屋と椅子とテーブル のラウンジ形式のスペースがあり、とっても快適でゆったりできる施設でした。



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