御正体山
みしょうたいやま

1,681.6m

夏の蒸し暑さに汗を絞られるルート
途中、そして頂上でも展望は無し。
一日誰にも会わない静かな山行を楽しむ。

 
エリア 北丹沢 日程日帰り 日付2008.07.21 天候晴れ
同行者単独 TIME(休憩含む)4時間40分
コース 駐車スペース(7:05)→ 白井平分岐(8:44)→御正体山山頂(9:41)(休憩)(10:10)→白井平分岐(10:47)→駐車スペース(11:45)

カシミール5万分の1地形図より作成
【参考】国土地理院2万5000分の1=御正体山


御正体山。変わった名前です。仏教や信仰のいわれがありそうな名前です。 山梨県都留市と南都留郡道志村の境にある山で、標高は1,682mあり、 丹沢山塊最高峰の蛭ヶ岳より高く、道志山塊最高峰の山で 日本二百名山の一つに数えられています(個人的に百名山の類は興味はありませんが)。 山頂には御正体権現が祀られ、都留市小野に里宮である若宮神社があります。 江戸時代には美濃の僧妙心が登山道の整備に努め、山中で入定し、山内の上人堂 には妙心のミイラが祀られ、現在は故郷の岐阜県の横蔵寺に移されているそうです。 そのような訳で昔から山全体が御神体として崇められてきました。 この山を有名にした一つに平成16年10月15日に今の皇太子殿下が御登頂され、 頂上にはその記念の掲示もあります。そのうえ山梨百名山にも指定されていますが、 頂上は木々に囲まれ眺望は無く、登って楽しみがある山とは決して思えません。 (地元で御正体山を愛する方、ごめんなさい) どちらかと言えば通好みのマニアックな山です。 では、なぜ皇太子殿下はこの山をわざわざ選んで登られたのでしょうか。答えは知る由も ありませんが、よっぽど人が少なく、警備などの安全対策が楽な山だったから選んだのではと つまらぬことを考えるのは私だけでしょうか。 この山へは前回は山伏峠から頂上を目指しましたが、今回は前回と同じ道志道側から ではありますが、御正体山の頂上から見て反対側にあるバス停の御正橋(白井平)から 林道へ入り林道終点に車を停め登りましたが、 このルートから御正体山を目指すのもかなりマニアックなようです(笑)。



林道脇にある、車1台分の駐車スペース。
帰りに出やすいよう下向きに駐車しました。当然トイレ、水場はありません。 林道終点は先のT字路を左折した300mほど先にあり、2台程度駐車が可能です。

駐車場

国道413号線(道志みち)を青山交差点から山中湖方面へ進みます。 途中、道志村役場を過ぎ、道の駅どうしを過ぎ4q程先にあるバス停「御正橋」のわき道を右に入ります。 舗装された道を板の沢に沿って進むと民家を過ぎ別荘地になり、さらに道なりに進むとやがて未舗装路になります。 未舗装路はすぐにT字路に突き当ります。T字路には御正体山への道標があり道標に従いここを左折しさらにダートを 300mほど登ると林道終点となります。林道終点脇左に2台程度駐車が可能です。今回はT字路手前の林道わきにある 車1台分の駐車スペースに停め、ここから歩きだしました。林道終点がわからずT字路で確認のため 下車して先を見に行きましたが、登り坂のため先が見えず既に林道ではなく登山道に入ってしまったと思い、T字路手前に駐車しました。





道志みちの「御正橋」バス停わきの登山道入り口。
写真は反対方面の山中湖方面から撮ったもの。青山方面からくると、小さな御正橋を渡ったら右折する。
道標には「御正体山頂 約3時間」とあります。


出発

7時05分。
支度を整え出発です。
今日は念のためヒル対策として、膝下までのストッキングと山ビルファイターを 靴に噴霧して出発です。
なお、写真は駐車場紹介のT字路です。



T字路に設置されている、御正体山への道標。



道標に従い左へ入ります。
さらに車で林道終点まで行く場合も一緒です。


7時16分(出発してから11分)
道標から300mほどで林道終点に到着です。
写真左に見える広場に2台程度駐車可能です。
登山道へは写真右にあるルートを進みます。
脇には御正体山頂への道標が設置されています。
これ以降白井平分岐まで道標はありませんが、わかりやすいルートです。


ルートに入りすぐに左手の沢に沿って進みます。
良く踏まれたルートで、道標は途中無いが明瞭な道です。










しばらくして、ほとんどの水の無い箇所で沢を渡り、
ここからは右手に沢を見ながらルートを進みます。



7時38分。(スタートから33分)
ルート脇に「三合目」と彫られた石柱を発見しました。
御正体山は信仰の山ですので、参拝に登られる人も多くいたのでしょうが、
このルートはメインの登頂ルートではないので、このような石柱があるなんて思いもよりませんでした。
すると、一合目と二合目はどこにあったのだろう?このさき頂上まで石柱があるのかな?
うまく発見できるかな?。山登りにほんの些細な楽しみが増えました。


右下に沢を見ながら、登山ルートを進みます。



20分のロス

7時47分。(スタートから43分)
そのまま進むと、枯れ沢がいくつか合流する箇所に出ました。
岩や石で踏み跡は薄くなりましたが、なんとかわかる状態でした。
そのまま進むと、正面に大きな堰堤が現れました。(堰堤の左側(右岸)に出ました)
この堰堤を越え先へ進みましたが、河原の石で踏み跡はわかりません。
いくつか沢が集まっており、どの沢沿いに進んでよいのか分からなくなりました。
正面の沢を進み、まき道や斜面に入るルートを探してみましたが、発見できません。
地形図を見ると目的の頂上は左手方向です。 どうやらルートを外したようです。 道迷いの鉄則で現在地点がはっきりわかる場所まで引き返すことにしました。
堰堤に戻り、なおしばらく来た道を戻ると踏み跡が巻き道で尾根に取り付いているルートを発見しました。



何のことはありません。 上流から(上から)見れば一目瞭然ですが、下から登ってきた時には、左へほぼ180度曲がって 左斜面へ取り付く巻き道は、周囲の夏草に覆われ見えなかったのです。
この場所をよく見ると広い枯れ沢の真ん中に倒木が一本前方をふさぐように横たわっており、 枯れ枝も何本か置いてあります。
どうやら直進してはいけないというサインのようです。
ここで振り向けば左後ろに続くルートを発見できたのですが、倒木の先に踏み跡はしっかり 付いており、そのまま直進してしまったのです。

写真クリックで拡大します。

写真はルートを外した場所です。
写真手前から進み先へ進みました。倒木の先に踏み跡は続いていますが、ここは本来倒木の手前を左へ戻るように巻き道に入らなければいけません。
写真左下にある草でルートを見失ってしまいました(トホホです)。
8時05分。約20分のロスの後、復帰しました。


左180度後方に続く巻き道で、尾根に取り付きます。



8時09分。(スタートから1時間04分)
ルート脇に倒れた状態の「四合目」の石柱を発見しました。



尾根上のルートは迷うような場所もなく、単調な登りの連続です。
写真で見ると明るく見えますが、あまり陽は射さず薄暗く、この時期まとわりつく湿気が不愉快です。
汗もかなりかいています。途中の水分補給をまめにして、熱中症を予防しながら登ります。


白井平分岐

8時44分。(スタートから1時間39分)
山頂に続く尾根上の白井平分岐地点に出ました。
手書きの道標が木に付けられており、左御正体山、右道坂峠とあります。
ここを左へ尾根を登って行きます。


御正体山山頂に続く尾根に入ってからは、ガスってきました。
ただでさえ薄暗いルートが、ますます幽玄な雰囲気になってきました。
道迷い状態でこのような山中に一人でいると、不安と恐怖が入り混じって
気持ちをしっかり持たなければと思うようなシチュエーションですが、
安全なルート上でかつ誰もいない、このような幻想的な雰囲気は最高です。

唯一気になるのは、地面が湿っていることもありますがヒルの恐怖です。
下から常に注意して登山道を見てきましたが、このエリアにはヒルはいないようです。


気がつけばいつの間にか周りはブナの林です。
最高です。ブナの育つ森は大好きです。



植生が変わり、高い木がなくなってきました。
陽を遮る木々が少なくなったので、周りが明るくなってきました。
頂上が近いことがわかります。


御正体山山頂

9時41分。(スタートから2時間36分)
御正体山山頂に到着しました。



途中を含め、頂上からの眺めは樹木に遮られ、何もありません。
がんばって登っても、ご褒美がない山行です。



前回に比べ、ベンチが新しくなっていました。真新しい道標も設置されています。






皇太子殿下登頂の掲示板
平成16年10月15日



三角点

汗だくのシャツを着替え、だれもいないベンチで昼食(遅い朝食)をとります。
ルート途中から山頂にかけて小バエのような小さなアブのような虫がたくさん 顔にまとわりつき、とても不快な状況でした。途中には耳と目に一匹入りました。
頂上にはいることはいましたが、陽が射していることもあるのか若干少なめでした。



下山開始

10時10分。(スタートから3時間05分)
29分間の昼食休憩後、下山開始です。
帰りはピストンで同じルートを下ります。





途中の木々にいくつかの巣箱がかけらています。
誰がつけたのだろうか
登山口には多くの別荘があり、その住人(夏場に来る人)が付けたのではないかと勝手に想像してしまう。



10時33分。(スタートから3時間28分。下山から23分)
「八合目」の石柱を発見しました。
なぜ、これが登りのときには目に留まらないのでしょう。
きっと、下ばかり見て登っているからなのでしょう。


白井平分岐

10時47分。(スタートから3時間42分。下山から37分)
白井平分岐に到着です。
ここから右の尾根を下ります。


11時05分。(スタートから4時間00分。下山から55分)
「五合目」の石柱を発見しました。
上から見ればすぐ発見できます。
これで登りに発見したものを含めて、三、四、五、八と四つ発見できました。


登りに道迷いした箇所を過ぎ、沢沿いを下って行きます。



登山道入り口

11時40分。(スタートから4時間35分。下山から1時間35分)
登山道入り口(林道終点)に到着しました。



11時45分。(スタートから4時間40分。下山から1時間40分)
駐車スペースに到着しました。
ついに誰とも会わない、静かな山行を楽しむことができました(最高!!)。
誰にも会わないということは、山を独り占めしたようであり、最高の贅沢ができたと思っています。
今回はルートがしっかりしているので言えるのであって、道なき道を 藪こぎで進む場合は緊張の連続で、楽しむ余裕はありません。そんな訳でこのルートは眺望は望めませんが 山の楽しさは十分堪能できます。
帰りは紅椿の湯により、汗を流しさっぱりとして帰途につきました。



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