不老山
ふろうやま

928m

雪の不老山、持病の膝痛で難儀するも
陽だまりの山頂で
至福のひと時を過ごす。

 
エリア 日程日帰り 日付2008.02.11 天候晴れ
同行者単独 TIME(休憩含む)4時間38分
コース 不老橋駐車スペース(7:56)→ 世附峠(9:11)→不老山山頂(10:06)(休憩)(11:03)→世附峠(10:50)→不老橋駐車スペース(12:34)

カシミール5万分の1地形図より作成
【参考】国土地理院2万5000分の1=駿河小山、山北


しばらくぶりの山歩きです。昨年から事情があり山歩きの頻度が半分になって しまいました。加えて年末年始は家族での温泉旅行と正月のあわただしさ、 先月の一月は恒例のスキー旅行へ出掛け山歩きはお預けでした。さて、今年 はじめての山歩きはどこを登ろうか。普段から時間があれば地図を眺めて、 いくつかの候補を考えています。そして頭に浮かんだのは、今の時期雪を 楽しみたい。冬の澄んだ空気のなか富士山が綺麗に見える場所に行きたい。 車で入れるルートから登りたい(これは必須です)。帰りには温かい温泉に 入りたい。日頃の運動不足でも登れるルートにしたい。いままで歩いていない ルートにしたい。・・・・というわけで国道246号線の湯船側から不老山へ 登ることにしました。上記の条件はすべてそろっていますが、最大の欠点は 行程の半分が林道歩きなのです。
結果はこのルートで正解でした。雪がなければ手軽なハイキング程度のルート ですが、先月のスキーで普段の運動不足に加え膝を酷使したので、今回は歩き始めて 間もなくして持病の膝痛が出てしまい、復路は痛さで難儀しました。それでも 冬の澄んだ空気が凛とした静寂の中、お約束のでっかい富士山の雄姿と 雪の山頂での陽だまりの中至福のひと時を過ごすなど、冬の山歩きを堪能しました。



写真手前の不老橋の先左にある駐車スペースです。5台程度駐車できます。
林道ゲート前の広場ですので、トイレ、水場はありません。 写真右手にゲートがあり、車は行き止まりです。

駐車場

東名高速大井松田で降り国道246号線の生土(いきど)トンネルをくぐって500mほど先にある中島 (道路左に青の縦書きで中島の表示があります。交差点ではなく小さなインターチェンジのようにな っており、左折のみ可能です。)を斜め左方向へ斜面を下ります。直ぐ下の道に合流したら左折し、 その先の突き当ったT字路を右折します。その先細い道から道幅が太くなった交差点(直進山中湖方面 の表示あり)に出たら交差点の斜め右にある道へ入ります。そのまま246号線の高架下をくぐり、 山口橋を渡り緩やかな上りの舗装路を進みます。途中から未舗装路になり車一台程の山道をしばらく 進むと、不老橋先のゲートで行き止まりとなった左の広場です。





出発

7時55分。
気温は車外温度計でマイナス4度です。
外へ出ると地面は凍っています。
体感温度はそんなに寒くは感じません。
さあ、支度を整え出発です。



駐車場脇には、不老山名物の手作りの道標があります。
ここにもあるとは、すごいなと感嘆しました。


駐車場の先にはゲートがあり、ゲート脇を抜けて湯船林道を世附峠を目指して出発です。
入口には湯船林道の表示があり、延長11.6キロメートルとあります。


駐車場までの林道には雪が残っていませんでしたが、ゲートを越えた先は2日前に降った雪が残っています。
いったん溶けた雪が凍った場所はつるつるです。滑らないように道を選んで歩きます。


不老の滝

8時01分。歩き始めてわずか6分(130m)の所に不老の滝の道標です。
見るとここから8メートルほど林道を外れて右へ入ると見えると書いてあります。
さっそく道標に従い林道を外れて右へ入ってみます。


林道右には小さな沢があり、その先には滝が見えます。
思っていたより立派な滝です。
水量はさほど多くはありませんが、綺麗で繊細な感じの滝です。
思いも寄らずプレゼントをもらったようで、すごくうれしくなりました。
「なかなか不老山いいじゃないか。」思わず心の中でつぶやいていました。

林道を上がるにつれ、雪が結構残っています。
日の当たらない場所では15pほどあります。
氷になっている場所を避け、雪が残っている歩きやすい場所を選んで歩きます。


不老山を愛する気持ちが伝わる手作の道標。
ずい所に設置されているこれら手作りの道標は不老山を歩く楽しみの一つかもしれません。


8時28分。スタートから33分。
日が当たり雪が残っていない南側斜面に、何やら沢山の植林が見えます。
そばへ寄ってみても、ネットで木がよく見えませんが、どうやらヒノキのようです。
それにしてもすごい数です。このうち何本が立派な木に成長するのか、林業とは都会で流れる時間とは 別の時間が流れているようで不思議な世界を垣間見ました。

日の当たらない場所で人が歩かない場所は、かなりの雪が残っており靴もスッポリ雪に埋もれてしまいます。
こちらの道標は県が設置した道標で、金属の金太郎のオブジェがユニークです。
これも不老山名物のようですが、例の手作りの道標に対抗しているようで、楽しくなります。

まっさらな雪に自分の足跡を残し林道を歩いていきます。
写真は振り向いて自分の足跡を撮った写真。


8時51分。スタートから56分。
単調な林道歩きに飽きてきたころに、不老の清水なるものがありました。
看板には楽しく上手な絵が描かれています
「不老の清水
不老山直下から湧出し、除草剤殺鼠剤その他、汚染は全く見られません。
不老なる山のいのちのこの清水、汲みて帰らん癌病む妻に
わしゃ、不老のかすみを食い、この水を飲んで千年も生きとるんぞ
熊を連れて遊んどった金太郎もよく見かけたの」


9時02分。スタートから1時間7分。
振り向いて撮った道標です。写真右下から上がってきました。
T字路になっており進行方向左手(写真は右方向指示)が湯船林道の続き。
進行方向右に大きく曲がって(写真は左方向指示)進むと世附峠まで0.4q、不老山1.7qです。


上の写真右側 湯船林道の続き。
鎖があり侵入禁止です。徒歩でも誰も入った様子はありません。
地図を見ると左に大きく曲がって、湯船まで下っているようです。


上の写真の左側 世附峠まで0.4q。
左膝に違和感を感じます。最初は痛みではなく膝の中がちょっとうずくような感触が生まれます。
これは間違いなく膝痛になる前兆(シグナル)です。まだ登山道に入っていないのに です。
歩く距離と時間に比例してうずく感覚が大きくなり、痛みに変わりついには完全な膝痛になるのです。 膝の屈伸運動では膝関節が痛むことはなく、あくまで歩行時に左の足で体を支えた瞬間に電気が 走ったようにビックと膝に痛みが走るのです。
こうなると左膝をかばって、痛みが出ないようにいかに登ったり下ったりするかに神経がいき、山歩きを楽しむ 余裕はまったくなくなります。当然のように歩行スピードは半分程度に落ち、辛い山歩きを強いられるのです。
その恐怖の膝痛が出たのです。


世附峠

9時11分。スタートから1時間16分。
世附峠に到着しました。 登山道は正面の斜面に取り付き、そこを上がって行きます。
左正面に続く林道は、前回浅瀬橋から上がってきたルートへ出る林道です。



林道の名称は不老山線(起点)間伐林道とあり、延長4.3qです。


峠には例の手作り道標がたくさんあります。
どれも丹念に描かれています。


斜面を上がった場所には手作りベンチもあり、ちょっとした休憩スポットです。


9時15分。さて、これから登山道をあがります。
ここまでの林道歩きの中で、心配だったのが登山道の雪の状況でした。
どのくらい積もっているのか。踏み固められているのか。アイゼンはいるのか。まさかラッセルにはならないと思うが・・・・
実際に見ると、すでに何人かの足跡があり、2日前の雪はある程度固く締まっており、登山道を外さなければまったく問題がありませんでした。

歩き始めの斜面はこんな感じです。


靴も雪に埋もれることはありません。
ある意味雪の中を歩くには最高の状況かもしれません。


膝は痛みますが、それを忘れるような気持ちよい雪の登山道を上がっていきます。
風は全くなく、うっすら汗もかいてきました。


9時37分。スタートから1時間42分。世附峠スタートから22分。
登山道右側に例の手作り道標があります。
ここは不二見台と書かれていますが、道標の作成者が付けた名称だと思います。
右手の樹林帯が一部切れ、富士山が綺麗に見えるスポットです。
説明文の中に、許可を得て樹木を切ってもらったそうです。
世附峠と不老山山頂の中間あたりです。
(右側の何も書かれていない場所には、富士山の写真が貼ってありましたが、今は無くなっていました)

確かに富士山の絶景ポイントです。


9時43分。世附峠スタートから28分。
今回のルートの中で、一番きつい登りにさしかかりました。
地図を見ると標高800mから850mの区間です。
斜度は30度程度のようです。木がなければスキーで滑りたい衝動にかられます(笑)。

斜面上から下を振り返って撮った写真
このあたりが雪が一番深く、ルートを外すと膝くらいまでの深さがあります。
この斜面は北斜面で雪がほとんど解けません。

不老山南峰

9時59分。スタートから2時間4分。世附峠から44分
一見すると頂上のようですが、不老山まで200mの視界のよい頂きに出ました。
ここからは樹木に邪魔されずに富士山がよく見える絶景ポイントです。
雪がなければ、手作りのベンチがあり休憩にはもってこいの場所ですが、今日は雪でベンチも埋まり座る場所がありません。


開けた絶景ポイント
富士山を楽しんだ後は、ここから左方向の不老山山頂に向かいます。

不老山山頂

10時06分。スタートから2時間11分。世附峠から51分
不老山山頂に到着しました。
標高928m、世附峠から1.3q、山市場まで4.7q地点です。
ここは周りが樹木に囲まれ景色は望めませんが、南側に面しており陽だまりの休憩場所としては最高です。
前回来たときは、ベンチが朽ちて壊れそうでしたが、今日は真新しいベンチになっていました。それもベンチの上に雪がなく、 座るには最高の状況でした。ベンチが朽ちてなくなっていれば立ったままの食事になっていました。



不老山山頂の全景です。(写真奥から来ました)
風がなく日が当り暖かな山頂です。最高です!!。 ここまで登るのに汗をかき、シャツが冷たいので着替えをしました。

ひと段落したところで、食事タイムです。
いつもと同じメニューですが、温かい食べ物は元気がでます。
こんなにのんびり、まったりできるなら食後のコーヒーとデザート(フルーツたっぷりのゼリー)を持ってくれば良かったとちょっと後悔しました。
山頂では10時50分まで44分間の大休憩をとったあと、帰りはピストンで戻ります。

下山開始




不老山南峰。 10時56分。不老山山頂から6分。
山頂で小一時間休憩しましたが、膝痛は治るはずもなく膝をかばいながらの下山です。


世附峠。 11時35分。(日が当たりだいぶ雪も解けていました)
不老山山頂から45分。
エアリア(昭文社の山と高原地図)で40分のところを45分でなんとか痛みに耐えて下りてきました。
あとは1時間強の林道歩きです。

林道下山中の景色。 朝は凍結して滑る道も南側の林道はだいぶ雪も解けていました。


不老橋駐車場

12時34分。スタートから4時間38分。世附峠から1時間44分
夏場の一般的な時間が1時間のところ1時間44分かかって戻ってきました。
これから夏にかけて筋トレとリハビリに励まなければと心に誓って降りてきました。
膝痛は出ましたが、近年まれに見る楽しい山歩きを堪能しました。
雪の山は天候を選べば最高です。


立ち寄り湯


小山町健康福祉会館「ふじみセンター」】静岡県小山町小山75−7番地
入浴料300円、9時〜21時30分、月曜日(祝日のときは翌日)、Pあり、0550-76-6666
JR御殿場線駿河小山駅5分のところにある小山町立の福利厚生施設です。れっきとした天然温泉です。二つの建物に見えますが中央が吹き抜けになっており 、おおきな一つの建物です。施設は役所そのもので、その3階に立ち寄り湯が併設されているといった感じです。訪れたのが休日のため役所の窓口 はすべて電気が消え、事務室が暗い前を通ってエレベータで3階へ上がります。3階に上がると幼児用のプレイルームのような施設の右側が温泉施設に なっており、入口脇の入浴券自販機で2時間300円の券を購入しました。浴場入口で靴を下駄箱に入れ、青い暖簾が掛かっている男湯に向かいます。 脱衣ロッカーは8個3段で24個あり、こじんまりした広さです(建物が大きかったのでそのように感じました)。中は天井が高く、広さに比べのびのび した感じです。湯舟は室内のみで露天風呂はありません。大浴槽のほかには2人が入れる打たせ湯と圧注湯があります。洗い場は8口あり、当日は人も 少なくゆっくりと入浴ができました。300円で贅沢は言えませんがボディシャンプーは備え付けてありますが、ヘアーシャンプーは置いてありません。 脱衣場には備え付けのドライヤーもあり、値段を考えるとお得な施設です。反面、まさに役所の風呂に入っているといった感じで、温泉の情緒はありません。 なお、一般的な日帰り温泉施設同様に50人が入れる大広間の休憩室があり、大型TVと長机がたくさんあり、多くの人が思い思いにくつろいでいました。



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