権現山
ごんげんやま

1,1386m

西丹沢自然教室から畦ヶ丸ルートで権現山を目指す。
登山口先にある下棚の滝、本棚の滝へ寄る。
水しぶきを散らしながら流れ落ちる美しい滝は見事である。
 
エリア 西丹沢 日程日帰り 日付2006.09.30 天候曇り
同行者単独 TIME(休憩含む)5時間9分
コース 西丹沢自然教室駐車場(8:09)→権現山分岐(8:50)→下棚の滝(9:02)休憩(9:11)→本棚の滝(9:25)休憩(9:46)→ 権現山分岐(9:56)→権現山(11:12)昼食休憩(11:42)→権現山分岐(12:40)休憩(12:53)→ 西丹沢自然教室駐車場(13:18)

カシミール5万分の1地形図より作成
【参考】国土地理院2万5000分の1=中川


3ヶ月ぶりの丹沢です。余暇と天候がうまく合わず曇天ですが山歩きに出かけました。
今回は西丹沢自然教室から畦ヶ丸へのルート途中にある権現山登山口から権現山を目指します。
権現山は眺望も効かず、面白みに欠ける山ですが、この畦ヶ丸ルートの 権現山登山口の先には、沢を遡行しなければ見られず、沢登りをする人達だけが見られるような 滝が僅かのところにあり、せっかくなのでこの滝(2つ)を見学してから向かいました。
まず1つ目は本棚沢の下流の枝沢にある下棚の滝です。巨大な岩盤が立ちはだかるようにそそり立ち、その美しい 岩肌を幾筋もの水の流れが交差しながら落差40〜50mを一気に滑り落ちる様は見応えがあります。
2つ目の本棚の滝は下棚の滝から10分ほどにある本棚沢にかかる落差60mの大滝です。水量は下棚の滝に比べ 豊富で三角状になった巨大な岩壁の左側に寄って落下しています。下棚の滝が女性ならこの本棚の滝は 男性の荒々しさ感じる滝です。落水は風に流され水しぶきが舞い上がり、まわりに飛翔しています。 沢の源流部にあるため、遠景から眺めることができず、滝つぼの真下で水しぶきを 肌に感じながらの見学です。
2つの大滝を見学した後は、いったん権現山登山口まで戻って、今日のメインイベントである権現山山頂を 目指しました。この山は途中を含め眺望はありませんが、ルートも判りやすく手ごろな山歩きが堪能できる山です。
夏が終わり秋の紅葉までの季節ということもあり、あまり訪れる人が少なく静かでゆったりした時間を 山の新鮮な空気を吸いながら大いに満喫した一日でした。


紅葉にも早い時期なので閑散としており、自然教室前の駐車場にも数台の空きがありましたが、 いつもの道路を挟んだ林の中の空き地に車を停めました。支度をしている中、数台の車が来ましたが今日は比較的 人出が少ないようです。

駐車場

国道246号線の清水橋の信号を右折して丹沢湖を目指す。なだらかに登る県道を進み、丹沢湖を過ぎ、 中川温泉から箒沢の集落に入る。国の天然記念物に指定されている箒杉を過ぎ、しばらく進むと 西丹沢自然教室に着く。ここはバスの折り返し地点にもなっている。この先は道路の幅が狭くなる。 駐車場の横に丹沢自然教室の建物があり、中にトイレと自販機がある。シーズン中はキャンプ場やバーベキュー に訪れる人たちで直ぐ満車になるので、朝は早めの到着を心がける必要がある。いっぱいの場合は道路を挟んだ反対側の 空地に駐車ができる(10台〜20台位)。

出発

8時9分。
支度を整え、丹沢自然教室へ登山届けを提出し出発です。普段の日帰り山行では、登山届けを提出したことはありません でしたが、今日到着してトイレを利用したときに自然教室の係りの方に「おはようございます」「お出かけのときは登山届け の提出をお願いします」と声をかけられ「おはようございます。ハイ」と返事をしていました。
登山口はバス停の反対側にある自然教室横の畦ヶ丸の道標に従って進みます。
道標には下棚1.65q、本棚1.91q、畦ヶ丸4.8qとあり、下棚、本棚とは今日向かう、2つの滝のことを表しているようです。


上の道標の先にある西沢に架かる吊橋を渡り、西沢の河原沿いの登山道に入ります。


今日のルートは権現山登山口までは、畦ヶ丸の道標に従い進んでいくことになります。
西沢沿いを進みますが要所要所には道標があり、踏み跡もしっかりしているので問題はありません。

直ぐに水の音がして、右に大きな堰堤が見えてきます。
石積の大きな堰堤で、まるで滝のように水が流れ落ちています。人工物の堰堤ですが、長い歳月の中で 自然に溶け込んでまるで自然が作った滝のようです。
これだけでも絵になる場所です。

堰堤の左にコンクリートの階段があるので、これを伝って堰堤の上に出ます。


堰堤の上に出ると広い河原になり、踏み跡を辿って進むと仮橋が見えてきます。


これから、下棚、本棚までは堰堤や仮橋をいくつも渡り進んで行きます。
畦ヶ丸4.1q、西沢出合から0.6q





自然に溶け込んだ堰堤を右にある階段で越えて行きます。
(写真の右上、日陰で黒く見える場所に階段が見えます)




落差5mほどの滝?


権現山分岐(登山口)

8時50分。
権現山分岐(登山口)に到着しました。ちょっとした広場でベンチがあり休憩に最適な場所です。
ここを道標に従い、左の尾根を登っていけば権現山です。今日はその前にこの先に有る、下棚と本棚の滝を見学してから ここへ戻ってくる計画です。
ここまでは殆ど平坦なルートで、陽も差していないため体力的には楽な日です。よって休憩無しで先へ進みます。
右畦ヶ丸3.5q、左西沢出会1.3q、左権現山1時間30分


8時58分。
下棚の滝への入口に到着しました。ここは本棚沢の下流の枝沢への入口です。
ここを左に沢を登って5分ほどで下棚の滝へ出ます。


下棚の滝

9時02分。
下棚の滝に到着しました。静かに岩肌を滑り落ちるように流れている滝です。
滝壺まで難なく行けます。轟々と滝壺に流れることはなく、飛沫も飛ばず滝壺のそばでゆっくりできます。
巨大な岩盤が立ちはだかるようにそそり立ち、その美しい 岩肌を幾筋もの水の流れが交差しながら落差40〜50mを一気に滑り落ちる様は見応えがあります。







下棚の滝を見学した後は、先ほどの登山ルートへ戻り先へ進みます。


9分ほどで本棚の滝の入口に到着しました。 本棚の滝も本棚沢を5分ほど登った先にあります。
写真右:本棚沢へ入ります。

本棚の滝

9時25分。
本棚の滝に到着しました。落差60mの大滝です。こちらは下棚の滝に比べ水量が豊富で、滝まで途中の沢も飛び石伝いに苦労して登りました。





上の写真のように滝の横までは難なく到達できますが、滝の正面に回るには豊富な水量が流れる 滝壺のそばを大きな石伝いに進まなければなりません。
しずくで石が濡れ滑って危険です。そして、なんとか正面に回れました。

水量は下棚の滝に比べ 豊富で三角状になった巨大な岩壁の左側に寄って落下しています。下棚の滝が女性ならこの本棚の滝は 男性の荒々しさ感じさせる滝です。落水は風に流され水しぶきが舞い上がり、まわりに飛翔しています。 沢の源流部にあるため、遠景から眺めることができず、滝つぼの真下で水しぶきを 肌に感じながらの見学です。


バス停から1時間足らずで、多くは沢を遡行しなければ見られず、沢登りをする人達だけが見られるような 大きな滝が僅かのところにあります。
畦ヶ丸への登山ルートに戻ると、3人のパーティが前を横切り先へ進もうとしていました。そのうちの一人が道標に気が付き ここにも滝があるのですかと聞いてきたので、是非訪れることを薦めますよと答えました。
足場が滑るので気をつけてと後姿に声を掛けて見送り、ここから先ほどの権現山登山口へ戻りました。

権現山分岐(登山口)

9時56分。
権現山登山口に戻ってきました。ここから道標に従い尾根に取り付き頂上を目指します。
道標には1時間30分と表示されています。


ここからやっと山歩きになりました。沢の音も遠ざかり良く踏まれたコースを登ります。
最初はジグザクで確実に高度を稼いでいるのが分かります。
コースは林の中で、遠望は効きません。


10時42分。登山口から46分で初めて有った道標です。
古くて文字が読めません。


10時44分。再び2分ほどで朽ちかけた道標が有りました。
かろうじて読める字で権現山は左へ曲がって、急な尾根を上がるように道標は指しています。 右には今登ってきた広い尾根が続いていますが、 進入を妨げるように木の枝が積まれ、場違いな土管が置かれ、そこにはバツ印が付いています。



道標が差している左の尾根の取り付きには、道標の柱だけが残っています。
その柱にはガムテープが巻かれ、上から降りて来た人のために西沢出合右との表示が赤マジックで書かれていました。



ここからは今までとは異なり、かなり急登となり、場所によっては両手も使って登るようになります。



踏み後も残っていますが、ルートに不安を感じたときに、またまた出ました、読めない道標です。
道標に安心して細い急登の尾根を登っていきます。途中から木々の間に頂上らしい頂が見えて来ました。


緩やかな尾根に出ました。どうやら頂上のようです。
明確なピークが無くどこが頂上か分らず、少し進むとありました。



権現山山頂

11時12分。
権現山山頂に到着しました。
道標は相変わらず朽ちて無くなり、代わりに権現山と書かれた板が打ち付けてありました。


頂上は一箇所だけ、木々が開けた場所があり丹沢湖の一部が望めます
良く見ると今朝通ってきた山北藤野線も見え車もはっきり見えます。
ここに腰を掛け、だれもいない静かな頂上でゆっくり昼食を取りました。日が出ていれば 昼寝でもしたいところですが、僅かに吹く風は肌寒く、秋が近いことを知らせています。 体が冷えないうちに戻ることとしました。
11時43分。帰りは今来たルートを戻ります。


下山途中にあった茸のいっぱい付いた大木。
大きな茸は野球のグローブほどあります。



権現山分岐(登山口)

12時40分。
登山口に到着です。
午後からは陽も差し良い天気になりました。ベンチで横になるとあまりの気持ち良さに、10分ほど寝てしまいました。


西沢出合に到着し、吊橋を渡って駐車場に向かいます。



西丹沢自然教室

13時18分。
西丹沢自然教室前の駐車場に帰ってきました。
朝は数台だった車も沢山停まっています。 今日は殆ど人に会わず静かな山行を心行くまで堪能した一日でした。



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