大室山(日陰新道)
おおむろやま (ひかげしんどう)

1,587.6m

丹沢山塊西部に位置する、重厚な大室山。
訪れる人が少ない日陰新道で、
標高差1000mを一気に登る直登コース。
 
エリア 北丹沢 日程日帰り 日付2006.05.04 天候晴れ
同行者単独 TIME(休憩含む)6時間13分
コース 日陰沢橋駐車場(7:23)→日陰新道分岐(7:30)→大室山枝尾根上(9:20)→大室山(10:12)休憩(10:49)→ 犬越路分岐(10:56)→大杉丸(11:47)→犬越路(12:09)→日陰新道分岐(13:32)→日陰沢橋駐車場(13:36)

カシミール5万分の1地形図より作成
【参考】国土地理院2万5000分の1=大室山、中川


今年のゴールデンウイークは全国的に好天に恵まれました。丹沢は都心に近いもともあり、人気が高く 特にゴールデンウイークの表尾根方面は多くの人で賑わいます。 ここ数年ゴールデンウイークの天候が良い日を選んで、丹沢へ出かけていますが、人出を嫌って 表尾根方面は避け、もっぱら北(裏)丹沢方面へ出かけています。
今年は膝の調子がいまいちのため、1000m程度の低山を膝の様子を見ながら歩いていましたが、 今回は回復状況の確認を兼ねて、大室山へ登ることにしました。大室山へ前回来た時は、西丹沢自然教室→ 犬越路→大室山と一般的なルートを使いましたが、今回は日陰新道を使って標高差1000mを一気に直登です。 大室山の山容は重厚で、丹沢最高峰の蛭が岳を凌駕し、1000m以上の標高を一気に立ち上がる姿は独立峰の 様でもあります。
今回のルートは昭文社の山と高原地図では破線(難路)表示のコースです。地図上には分岐不明瞭(日陰新道 から大室山枝尾根に乗る部分)、不明瞭(大室山手前の急登)の文字が記載されています。破線コースの一部は 未整備ではありますが、赤テープと踏み跡を見失わないよう注意して登れば、問題はありません。
膝は、上りは快調で下りでは半ばの犬越路までは問題ありませんでしたが、犬越路から日陰沢沿いのガレ場の下りで 膝痛が出て、時間を要しましたが、まあまあの手ごたえを感じました。


日陰沢橋から林道ゲートまでの林道脇に駐車。日陰沢橋の手前にも数台分の駐車スペースがある。
路駐がダメな場合は、直ぐ横の神ノ川ヒュッテの広場に駐車できる。こちらは一日300円。


駐車場

国道413号線より神ノ川林道に入る。神ノ川キャンプ場を過ぎ道なりに進む。さらに道なりに進み 神ノ川ヒュッテを過ぎた林道終点のゲート前の路側帯。ゲートの前には綺麗な公衆トイレがある。

朝の7時に到着しましたが、既にゲートから橋までの間は車で一杯です。さすがGWです。 天気も良くキャンパーや釣り人も来ているのかもしれません。何とか橋の上に駐車しました。


出発

7時23分。支度を整え、足腰を中心に準備運動を念入り行い出発です。
登山口は直ぐ横の神ノ川ヒュッテの前を抜け、左横の林道へ入ります。
(写真:神ノ川ヒュッテ前の駐車場)


神ノ川ヒュッテの左横の林道へ入っていきます。


この林道は日陰沢沿いに犬越路へ向かう東海自然歩道です。


登山口

7時30分。出発して数分で右手に造林用の小屋が見えてきます。
登山口へはこの小屋の手前を右へ分岐し日陰新道に入ります。道標が手作りのようで目立ちません。
自分も小屋まで行き、気が付き戻ってきました。


道標に従い、日陰沢へ入ります。良く見ると前に仮橋が見えます。


仮橋で枝沢を渡り、大きな石が転がる沢を上がっていきます。


左岸を進みますが、大きな石に赤ペンキで矢印や丸印が、沢山書かれた岩があり、 これをたどって進みます。


赤ペンキに導かれ、手入れのされた杉の植林帯の中へ入っていきます。


最初からかなりの急坂です。
杉の落ち葉がふかふかの急登を上がっていきます。


7時59分。
(写真左)右手に水音が聞こえる尾根の淵を上がっていくと、正面に赤い道標が置いてあります。
(写真右)正面にそのまま進みたくなりますが、左に折れる山道があり、道標に従い左へ進みます。
写真道標:左大室山、右黒岩


尾根を巻くように左へ上がっていきます。



右左の折り返しを続けて樹林の中を登って行きます。
途中で後ろを見ると檜洞丸が見えます。


8時12分。標高880m当りでしょうか。
ここも直進ではなく、右に大きく曲がって斜面を上がるように道標が設置されています。
(写真左)道なりに進む方向には大谷沢とあり、その先には白い布に通行止の文字が記され、ロープで通行止めです。
(写真右)ここを右に大きく曲がるように道標に従い、大室山を目指し斜面を上がっていきます。


相変わらず手入れの良い植林帯を登っていきます。


8時34分。標高1030m当りでしょうか。
ここも直進ではなく、右に大きく曲がって斜面を上がるように道標が設置されています。
(写真左)道なりに進む方向には、やはり大谷沢とあります。
(写真右)道標に従い、大室山を目指し斜面を上がっていきます。


8時36分。標高1050m当り。
やっと植林帯を抜け、開けた場所に出ました。
(写真左)植林帯を抜けた場所。
(写真右)そこには、古い木の階段がありました。


木の階段の途中で小休止です。
左の木の間越しにこれから目指す大室山が見えます。



後ろを振り返ると檜洞丸が一段と大きく見えます。
下には犬越路トンネルへの舗装林道も見えてます。



しばらく登ると、笹が生えた明るく広い尾根に出ます。
笹の間を登って行くと、もう一段植林があります。
笹の原を過ぎると尾根が広く踏み後もはっきりしませんが、 木々に赤いテープが巻いてあり、これを頼りに登っていきます。



後ろを振り返ると、蛭ヶ岳が雲をまといどっしりとした姿が望めます。



大室山枝尾根上

9時20分。林が切れ、広い尾根に出ました。
場所を示す道標等は何もありません。赤い板に神ノ川ヒュッテへの道標が在るだけです。
ここは大室山から東に延びた枝尾根の上です。右に枝尾根を下れば鐘撞山(かねつきやま)です。
ここから尾根を左へ登っていきます。


緩やかで広い尾根を進んでいきます。
回りにはバイケイ草の群生が有ります。



写真を撮りながら歩いていると、林の奥から声を掛けられました。
今日はじめて会う人ですが、いきなり声を掛けられたのでビックリです。
見ると中年の男女が林の中で食事をしているようです。
「どこから上がって来ました。」座ったままで話しかけてきます。
「神ノ川から上がってきました。日陰新道で。」
「キツイ登りだったでしょう。」
簡単な挨拶を交わし、先へ進みます。
しかし、このような場所に居るとは、大室山にかなり詳しそうな方です。


緩やかな尾根から、またキツイ登りになります。
踏み跡も濃く、赤いテープもあります。



左手に見える蛭が岳(左)、檜洞丸(右)



バイケイ草



9時36分。再び急登になり尾根の左側を進みます。
ここからは後方の視界が開け眺めが良い場所です。
左側は最近崩壊があったようです。
崩壊のためか斜面の林はかなりダメージを受けており、枯れている木が目立ちます。
足元の土が崩れ、枯れた林の枝を掴みながら登るのに一苦労します。
この辺りは踏み跡がほとんど無いので、赤いテープを辿って登ります。


いったん登りが緩み、笹の茂る尾根を進みます。



最後の急登をこなします。
踏み跡が薄く(土が軟らかく踏み跡がはっきりしない)ルートが分りにくい場所ですが、 赤いテープを目印に進めば問題はありません。


10時08分。登りが緩み鹿柵とバイケイ草が出てきました。頂上間近です。
鹿柵に沿って左へ回り込んで進んでいきます。


10時12分。道標が出てきました。
大室山から北側に延びる茅ノ尾根へ下る道標です。


大室山

10時13分。大室山山頂に到着しました。



(写真左)大室山山頂は樹林に囲まれ展望はありません。
ちょっとした広場といった感じです。
(写真右)頂上横の登って来た場所にある道標です。ここから北側に延びる茅ノ尾根(大渡・久保吊橋)と大室指に至るルートで 両方とも地図では破線のコースです。



自分がいま上がってきたルートの正式な道標はありません。少し離れた場所に手作りの日陰新道への道標がありました。
初めての方が、この道標を頼りに神ノ川ヒュッテへ下るのは、ちょっと難しいと思われます。



前に来たときは誰もいない頂上でしたが、今日は反対方向から次から次に人が来ます。高校生の山岳部員のグループが 訓練のためか、3組ほど来ました。その内一組は10人程のグループでとても賑やかな山頂になっています。
そして、いつもいのようにお湯を沸かし、温かい麺類を食べしばし休憩です。



10時51分。35分の昼食休憩後下山開始です。
下山は南西に延びる白石峠(加入道山)方面へ向かいます。
上りでは一人も合いませんでしたが、下りはメインの西丹沢自然教室から犬越路経由で登ってくる多くの人とすれ違います。



犬越路分岐

10時56分。5分ほどで犬越路と白石峠(加入道山)への分岐に到着です。ここにはベンチが2つあり、両ベンチとも人が休んでいます。
真っ直ぐ進むと白石峠(加入道山)方面、左へ下ると犬越路です。
ここを犬越路目指し左へ下ります。



急な尾根を下っていきます。



下る右手に木の間越しに富士山が見えます。



良く踏まれた笹の茂る尾根をぐんぐん下って行きます。



11時44分。犬越路まで800mの地点。
途中鎖場と軽いアップダウンを繰り返し下っていきます。
鎖場のある小高い丘は1221地点で、ベンチが一つあります。


大杉山


11時47分。
(写真左)再び小高い丘を登ります。ここが1168大杉山ですが、表示等は何もありません。
(写真右)三角点は丘の頂上にはなく、下った先に設置されていました。



檜洞丸とそれに連なる稜線が間じかに見えてきました。まもなく犬越路です。



多くの人の話声が風に乗って聞こえてきます。犬越路の非難小屋の屋根が見えてきました。
あれ?青色ではない。建て直したんだ。


犬越路


12時10分。犬越路に到着です。
非難小屋だけではなく、犬越路一帯が整備されベンチや案内板等すべて綺麗になっています。



犬越路の表示も新品です。



犬越路は各方面からのコースが十字路をなしている場所です。
南に向かえば用木沢出合を経て西丹沢教室へ、東には主脈縦走路が檜洞丸、蛭ヶ岳方面へと延びており、 神ノ川への下山路は北の谷間を下って行きます。
(写真右)神ノ川・日陰沢橋方面へは北にある階段を下っていきます。(人が多くベンチに座れなく階段に腰を掛けている女性)


このルートからは再び人の居ない静かな山歩きになります。
足場の悪い沢沿いのルートを折り返しながら下っていきます。



12時32分。右手に犬越路トンネルへの道を分けた先で、豪雨の後遺症を残す荒れた河原を歩きます。
この辺りから左膝が痛み出し、かなりのペースダウンとなりました。今日はいけそうだっただけにガッカリです。


12時38分。神ノ川まで1.7q地点



12時57分。沢を渡り神ノ川まで1.2q地点



13時08分。標高740m付近から石の河原から樹林の中へとコースが変わります。



13時22分。樹林を下りたところで仮橋を渡り右岸に戻ると古い林道跡の広場に出ます。



広い林道跡の道を進むと往路にとった日陰新道分岐の先にあった小屋が見えてきます。



13時31分。小屋の前を通過すると、その先に日陰新道への分岐があり、それを見送り林道を進んでいきます。



神ノ川ヒュッテ横を抜け、その先の日陰沢橋へ向かいます。



日陰沢橋駐車場


13時36分。
神ノ川ヒュッテ前のキャンプ場脇を抜け、その先の日陰沢橋へ到着です。



立ち寄り湯


いやしの湯】神奈川県相模原市津久井町青根807-2
入浴料600円、平日10時〜21時(12月〜3月は20時迄)、毎週火曜日定休(祝日の場合翌日)、Pあり、042-787-2288
国道413号線から20号線へ抜ける山北藤野線沿いの、緑の休暇村の中にある日帰り天然温泉です。建物は広い敷地に平屋で大きく 、その建物の前が区画された広い駐車場になっています。緑の休暇村はキャンプ場やテニスコートなどを備えたリクレーション 施設ですが、この温泉施設は最近オープンされた日帰り温泉です。入口の自販機で入浴券600円(3時間)を購入し 下駄箱に靴を入れ、受付に向かうと入浴券は帰りに渡してくださいと言われる。受付の前はとても広い畳の休憩所になっており、 食事が出来るようになっています。その横を通り脱衣場へ向かうと、中は広くロッカーも大きくて使い勝手が良いです。 お風呂場も建物に比例し大変広く天井も高いことから、とてもゆったりした感じを受けます。 浴槽もとても大きく気持ちのよいお湯です。室内には他に円形の源泉風呂とサウナがあり、当然露天風呂もあります。 かなり広い露天風呂の敷地にやはり屋根の付いた大きな露天風呂があります。とにかく敷地が広いのでなにもかもゆったり感じます。 室内の洗い場も17ヵ所あり、並ぶこともなく利用できました。



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