大山(北尾根)
おおやま(きたおね)

1,251.7m

訪れる人も少ない大山北尾根で大山を目指す。
静かで気持ちの良い尾根歩きを堪能できる。
大山山頂は対照的に多くの人で賑わっていた。
 
エリア 東丹沢 日程日帰り 日付2006.11.05 天候晴れ
同行者単独 TIME(1時間06分の昼食休憩含む)6時間13分
コース ヤビツ峠駐車場(7:57)→門戸口(青山荘)(8:28)→登山口(地獄沢橋先)(9:05)→P913(10:21)→ 16号鉄塔(10:27)→ミズヒノ頭(10:46)→西沢ノ頭(11:19)→大山(12:02)休憩(13:08)→イタツミ尾根分岐(13:18)→ヤビツ峠駐車場(14:10)

カシミール5万分の1地形図より作成
【参考】国土地理院2万5000分の1=大山


神奈川県丹沢にある大山は江戸時代から大山参りとして多くの人が訪れる有名な山です。 メインの登り口には名物の豆腐料理店や土産物屋がならび、中腹までケーブルカーで登れるなど、 四季を通じて多くの観光客が訪れる山でもあります。また、丹沢山塊の中でも入門的な山で、 最寄駅からのバス便や駐車場も完備し、ハイキング気分で訪れる人も少なくありません。
大山へ登るには幾つかのルートがありますが、今回は前から気になっていた北尾根で大山を目指しました。 このルートは昭文社の山と高原地図(旧エアリア)では破線のルート表示ですが、2万5千分の1地形図 ではルートの表示はありません。また、ヤマケイのアルペンガイド丹沢にもこのルートは載っていません。 このルートの登山口は大山ケーブルから見て山頂の大山を挟んだ裏側になり、林道を車で行くか歩くかのどちらかで、一般に大山 を訪れる人はあまり行くことのないエリアです。 2万5千分の1地形図を見るとはっきりとした大きな尾根を登れば良く、かつ破線のルート表示である ということは、ある程度人は歩いているルートであると考えチャレンジしてみました。
登山口入口は林道脇斜面の一部が崩れたような場所から取り付きますが、そこには本ルートの大山山頂 までで唯一となる道標があります。手作りで大山まで2時間と書かれていましたが、昭文社の高原地図(2002年版)で 見ると3時間10分はかかるルートで出だしから???でした。1時間15分程登ったポイント913には、 やはり手作りと思われる道標がもう一つありましたが、こちらは表示板が壊れており、方向を読み取る ことはできませんでした。登り出す前は踏み後をたどれば大丈夫と考えていましたが、今の季節は落ち葉で 斜面が被い尽くされ踏み後は無いに等しい状況でした。しかし、ルートはひたすら尾根を外さずに 登れば良く、途中少ないながらも要所要所にテープもあるなど決して危ないルートではありません。 当日は地形図を片手にどっぷりと山に浸り、頂上まで3組の方に会うだけの静かな山歩きで、充実した秋の 一日を過ごしました。
(必ず2万5千分の1地形図を持参し、初心者の単独行は注意が必要です)


7時半に到着しましたが、ヤビツ峠駐車場は半分程度の空きがありました。 これから紅葉の時期は訪れる人も多く、朝早くから満車になる場所です。近くの路肩も多くの車で一杯になるのも時間の問題でしょう。 ここは路線バスの折り返し点で、バスが到着すると大勢の人で一気に賑やかになります。

ヤビツ峠駐車場

国道246号線からヤビツ峠の標識に従って右折し、県道秦野清川線に入ったら道なりに進みます。
進むに従い標高が高くなり、道幅も狭くなります。ヤビツ峠にある路線バスの折り返し地点横の駐車場です。
売店、トイレがあり、登山者カードポストもあります。

出発

7時57分。
支度を整え、ヤビツ峠駐車場を出発です。
舗装された秦野清川線(丹沢林道)を札掛方面へ歩いてもいいのですが、林道と平行して通る登山ルートを 門戸口(青山荘)まで歩くことにしました。門戸口からは秦野清川線(丹沢林道)に合流し、登山口のある地獄沢橋までは林道歩きと なります。
ヤビツ峠駐車場の左奥に道標があり、門戸口へは横の斜面を下って行きます。

このルートは沢沿いに門戸口まで続いていおり、
U字状になった日の当らない枯れ沢を歩いて行きます。
あまり手入れがされていないルートで潅木の枝が伸び若干歩きにくいルートです。

門戸口(青山荘)

8時28分。
(左)仮橋を渡ると開けた明るい場所に出ます。青山荘の裏手に到着しました。
(右)敷地の中を通って、秦野清川線(丹沢林道)へ出てます。ここからは札掛方面へ舗装された林道を歩きます。
写真は秦野清川線(丹沢林道)に出て振り向いて撮った写真です。

途中にあるボスコキャンプ場を左手に見送り林道を進みます。


地獄沢橋

9時05分。
右手に舗装され林道を見送ると、すぐに地獄沢橋があり、この先の大きく右にカーブしている場所に登山口があります。


上で右に見送ったゲートのある林道入口です。(振り返って撮った写真)


登山口

地獄沢橋を越えて直ぐ右手にある登山口。
道路の土手が崩れたような場所に緑の道標があります。
どうやらここが登山口のようです。
土手を登ると、道標には頂上まで2時間とあります。しかし、どう考えてもここから2時間で大山へは無理と思えます。 昭文社の高原地図(2002年版)で見ると3時間10分はかかるルートです。
踏み後は道標から右に尾根を巻くように進む道と、斜面を上がる道が付いています。一瞬悩みましたが2万5千分の1地形図 を見ると大きな尾根を登ればポイント913へ到着するので、迷わず尾根を真っ直ぐ登るルートを選択しました。

大きな尾根の中央に立ち、尾根を見上げると植林された杉が伐採され、まるでスキー場のゲレンデのような空間が真っ直ぐ 上に延びています。
山肌には踏み後は見えませんが、伐採工事の名残か山肌の土がしまっています。

真っ直ぐ大きな尾根を登ります。ジグザグに登った方が楽に登れますが、ルートが付けられていないので斜面の 真ん中を真っ直ぐ登っていきます。体力的に無駄な登り方ですが、上に進むだけなのでそのまま登ります。

尾根が緩やかになり小ピークを越え、再び尾根を登ります。
どうやらポイント667のようです。これほど綺麗に地形が読めると地図読みは非常に楽です。


ひたすら真っ直ぐ尾根を登ります。


右手に大きくカーブした林道が見えます。人工物はこれ以上ない現在位置確認の手段です。
標高700mの地点です。

途中からプラスチック(ゴム製?)の階段が出てきました。
この尾根は通称、東電道と呼ばれておりこの上に送電線16号鉄塔があり、鉄塔巡視路として付けらた階段では ないかと思えます。
やはり階段は登りやすく疲れません。が、あっというまに階段は終わってしまいました。

ここまで来てやはり本来の登山道は別にあり、この階段で合流しているように思えます。 たぶん最初にあった道標を右に進み、尾根をトラバースするように登ってここへ出るか、 又は右下に見えている林道を登ってきて途中からここへ出るのではないかと想像しました。
尾根の真ん中を強引に登ってきたことが、なんとなく滑稽に思えてきます。

だいぶ尾根が緩やかになってきました。
2万5千分の1地形図を見ると標高900mの地点で尾根が右に曲がりその先を登ったらポイント913です。

10時21分。ポイント913に到着です。ここには今日初めてでかつ最後の道標がありました。
プラスチック製の方向を示す板がすべて壊れており、ほとんど役に立ちません。
唯一読める県道は左にある秦野清川線(丹沢林道)のことだと思えます。目的の大山は下に落ちていますが、 方向は一目瞭然で手前後方です。右側は一の沢峠です。

ポイント913からは緩やかな北尾根を歩きます。直ぐに16号鉄塔が見えてきました。
その左に小高いピークが見えます。ミズヒノ頭です。


16号鉄塔

10時26分。
16号鉄塔に到着です。
ここまで誰にも会いません。これから向かう大山山頂は座る場所を探すのも大変なくらい多くの人で賑わっているのに、 ここは別世界です。
鉄塔の横のミズヒノ頭の右に見える小高い山は西沢ノ頭のようです。


16号鉄塔から鞍部を通り、再び緩やかで広い尾根を登ります。


尾根が広く踏み後は落ち葉で分りませんが、着実に大山の方向へ登っていくと、途中に テープと言うより、ビニールの紐(ピンク)があります。
この尾根はこのピンクの紐が要所要所にあります。

ミズヒノ頭

10時48分。
林の中から西側が開けた場所に出ました。
ミズヒノ頭に到着したようです。正面には大山が見えています。(写真左の中央正面)
写真右は大山の頂上を拡大。頂上のアンテナが目印です。

西側の開けた方向には表尾根の山々が望めます。
先月登った三ノ塔の非難小屋が見えます。その右の低くなったところにも小屋が見えます。烏尾山山荘のようです。
残念ながらその右にある塔ノ岳は雲の中です。

ミズヒノ頭からはいったん下り(左)、登り返せば(右)西沢ノ頭です。
この辺は稜線歩きが気持ちの良い場所です。大山からほんのわずかな場所にいることが信じられません。
ここは穴場的な場所です。

西沢ノ頭

11時19分。
周りの地形から判断して西沢ノ頭に到着しました。はっきりとしたピークではなく小さな丘のような 場所です。道標も何もありません。
休憩もなく通過です。

北尾根を大山へ向かってどんどん進みます。(左)
だいぶ大山山頂のアンテナも大きく見えてきました。(右)


紅葉もだいぶ色付いており、見ごろは直のようです。


急に回りにピンクのテープが目立ち始めました。数本どころではなく十本以上の木にピンクテープが付けられています。 良く見ると左に支尾根がある場所で木の枝にネクタイがぶら下がっているのが見えます。
ここが通称ネクタイ尾根の入口です。この尾根を経て唐沢川源流部に下って唐沢峠に登るルートへの目印です。
ネクタイは数本木に下がっていますが、長期間下がっていたネクタイは色も落ち、ぼろぼろのネクタイもあります。
ぶら下がり方が気持ちの良いものではなく、個人的にはあまり好きな光景ではありません。

大山

12時02分。
大山山頂に建つアンテナ施設の間に出ました。大山に到着です。
建物の前に出ると、多くの人が休憩したり食事を採っています。やはりかなりの人出のようです。
トイレの脇を抜け大山山頂奥ノ院前の広場に向かいます。

大山山頂の標識です。
本当に多くの人でビックリします。
ここまでの尾根歩きがうそのようです。

大山山頂奥ノ院の横に腰を掛け、昼食の準備です。
いつものようにコンビニ弁当に温かい麺類です。ラーメンをすすっていると、親子ずれのお父さんの羨ましそうな 視線を感じます。

13時08分。1時間の昼食休憩後、大山山頂を後にします。
下りは最短のイタツミ尾根で車を停めたヤビツ峠を目指します。

イタツミ尾根分岐まではメインのルートを下っていきますが、来るわ来るわ。ものすごい人です。


イタツミ尾根分岐

13時18分。
下社へのメインルートから分岐しヤビツ峠へ向かうイタツミ尾根を下ります。
ここからは急に人が居なくなり、静かな山歩きに戻った感じです。


笹の中の歩きやすいルートを下って行きます。


14時09分。
ヤビツ山荘の前に出ました。もう間もなくです。

ヤビツ峠駐車場

14時10分。
ヤビツ峠に到着しました。こちらは思ったより人が少なく下社方面の人出がウソのようです。
多くの人で賑わう大山ですが、ルートを選べば訪れる人もまばらで、自然にどっぷり浸かることができ 満足の一日でした。



山行の記録へ


ホームへ戻る



このページに直接入られた方へ。
当ホームページはこちらです⇒ 晴れときどき山歩記 「丹沢を中心に車で行く、日帰り山歩きの記録」