乗鞍岳
のりくらだけ

3,026m

初の3千メータ超。天上の楽園。
ご来光を拝んだのちに畳平から乗鞍岳(剣ヶ峰)へ向かう。
下山後は乗鞍高原の温泉で汗を流す。
 
エリア 北アルプス 日程日帰り 日付2005.8.6 天候晴れ
同行者単独 TIME(休憩含む)2時間33分
コース 乗鞍高原観光センター(3:40)シャトルバス⇒ご来光⇒畳平(5:20)→肩ノ小屋(5:57)→ 乗鞍岳(剣ヶ峰)(6:44)→肩ノ小屋(7:20)→畳平(7:53)シャトルバス(8:10発)⇒乗鞍高原観光センター(9:40)

カシミール5万分の1地形図より作成
国土地理院2万5000分の1=



乗鞍高原観光センター前駐車場【第1駐車場】
300台 無料 24H利用可  敷地内にトイレ、洗面用水場あり、自販機あり。
他に観光センター前第2駐車場200台、善五郎の滝400台、休暇村乗鞍高原第3駐車場550台がある。

P泊・駐車場

昨日は沢渡からシャトルバスで上高地に入り、焼岳を日帰りでピストンした。夕方、ここ乗鞍高原へ移動し明日朝一番の シャトルバスに乗り途中でご来光を拝んだあと、畳平から乗鞍岳(剣ヶ峰)へ登る予定だ。
乗鞍岳へ登るには上高地と同様にマイカー規制が平成15年7月より全期間実施されており、 ここ乗鞍高原からシャトルバスで登山口の畳平まで上ることになる。 そこから歩いて1時間半程度で3,026mの乗鞍岳の頂に立つことができる。

夜に乗鞍高原観光センター前の第1駐車場に到着した。入口には利用時間は朝3時から夕方6時までと表示が出ているが、 出入りは自由で既に30台近くの車が駐車している。多くの車に人の気配がありP泊も結構いる様子だ。キャンピングカー も数台駐車している。中には駐車場奥にテントを張っている人までいる。
明日のご来光バス(シャトルバス)の出発は3時40分発で夏季(7,8月)のみ運行だ。このシャトルバスに乗り畳平を目指す予定だ。 目覚ましを2時40分にセットし早めに寝る。今日は焼岳ピストンで9時間近く歩いたので疲れが出て直ぐ寝るかと思ったが、 意に反してあまり早くには寝付けなかった(年をとったので、疲れが遅れて出るのか)。夜中に2,3回目がさめたが、ぐっする寝て 目覚まし時計で2時40分に起床する。外へ出ると夜空に満天の星が見える。晴天だ。都会では絶対に見ることのできない景色に大満足。 駐車場を見渡すと、深夜にも関わらず車が到着している。皆ご来光バスに乗るようだ。(写真は翌日朝に撮った)

乗鞍高原観光センターから畳平へ

バスは3時40分発なので、あと1時間近くもある。ゆっくり支度をする。3時20分過ぎにシャトルバスが真っ暗な中、ライトで駐車場を を照らすように、駐車場入り口にあるバス停に到着した。
出発時間まじかに行けば良いと様子を見ていたら、既にバスに乗り込む人の姿が車内灯に浮かんでいる。 少し早いが3時30分にバスへ向かう。 バスの乗口で添乗員(男性係員)の人から乗鞍観光センター〜畳平の往復切符2,000円を購入(片道は1,100円)し、乗り込む。 次々と人がやってくる。シートは全席埋まり、補助椅子も埋まった。外を見るともう一台のシャトルバスが来ている。こちらは さほど人が乗っていない。そして3時40分定刻にバス2台は出発した。
周りの人を見ると、冬支度のような人もいる。自分は半袖シャツにうすでの長そでシャツ姿だ。どちらかというと軽装の部類だ。 寒いかな?まぁ何とかなるさ。
バスは乗鞍エコーラインを登っていき、途中のご来光スポットの道路脇に停車する。そこでご来光を待つ。全員バスからおり、 道路の端に一列になって少し明るくなってきた東の空を見ている。写真が目的の人は三脚にカメラをセットしている。

ご来光

ご来光を待つ間に、数人が添乗員に申し出て、先に終点の畳平へバスで行くことになった。先頭に停車したバスに数人が乗り まだ暗いエコーラインを登っていった。そして10分程で戻ってきた。畳平はかなり近そうだ。
東の空の雲間から太陽があがってきた。5時9分。雲の間から朝の太陽が完全に顔を出した。 朝焼けは確かに美しかったが、思ったほどの感激はなかった。 あっけないご来光だ。多くの人が一生懸命写真に収めている。
日の出後数分でバス2台は乗客を再び乗せ、畳平に向かって明るくなったエコーラインを登っていく。


畳平到着直前の車窓からは2,817mの富士見岳に登る人たちの列が朝の薄明かりの中に見える。 こんな早朝からなんて多くの人がいるのかというのが第一印象だ。バスの乗客の何人かは係員(添乗員)に声をかけ、 途中下車した。どうやら畳平(ここから200m程度なのに)まで行って、ここまで戻ってくるのを嫌って、途中下車をしたようだ。
5時20分。畳平に到着した。広い駐車場には既に大型バスが10台以上到着している。
なお、この畳平の標高は2,702mあり、バスで上がってこれる日本で一番高い場所だ。


登山客が多く見られるが、まだ朝も早い時間なので周りの店はまだ閉まっている。
開店は8時のようだ。


5時23分。畳平の横から「お花畑」へ降り、そこから乗鞍岳(剣ヶ峰)を目指す。
(左)乗鞍岳(剣ヶ峰)まで90分の表示が出ている。
(右)「お花畑」にはあまり多くの花は見られなかった。(写真はコバイケイソウ)「お花畑」は遊歩道以外は歩くことができない。


「お花畑」から振り返って見た、畳平。左の山は2,831mの恵比須岳
10分程で「お花畑」の左上に見えていた登山道に、階段の上り口から上がって合流した。


(左)右手に2,872mの摩利支天岳に建つコロナ観測所が見えてきた。
(右)畳平から肩の小屋までは道路のような広い登山道を歩いていく。



摩利支天岳へ向かう道を右に見送り、肩の小屋を目指してすすむ。
左斜面下に大雪渓が見えてきた。スキーをしている人も見える。



正面に乗鞍岳の剣ヶ峰が早い雲の流れの中で、見えたり隠れたりしている。
見えている時間の方が少ない。自分が頂上に立つ時まで視界は大丈夫か。



5時57分。肩の小屋に到着。
小屋の後ろに乗鞍岳への登山コースがある。多くの人の流れが登山道コースをはっきりと浮き上がらせている。
小屋の前には何十人と言う登山客もいる。休憩している人、朝食をとっている人、その中にひときは大きな 団体が2グループほどいる。どうやらご来光と乗鞍岳登頂のツアー客のようだ。添乗員が一人づつ名前を呼んで 点呼している。



多くの人がたむろする小屋の横を抜け、肩の小屋裏にある登山口から頂を目指す。




多くの人が頂上を目指す。その人の流れの中に合流する。
たまに雲が流れ頂上が見える。



途中で後ろを振り返って見る。
下に見えるのが肩の小屋だ。人がまるで蟻のように連なって歩いている。


登山コースにはロープが張られ、脇に外れないようになっている。
幅は10m近くあるが、斜面の形状のため2,3m幅のようなところもあり、このような場所は のぼりとくだりで渋滞となっている。


蚕玉岳(こだまだけ)2,980m直前。
早い雲の流れのなかで、乗鞍岳(剣ヶ峰)の頂が見える。



6時34分。蚕玉岳(こだまだけ)2,980mに到着。
ここからは頂上の小屋が良く見える。頂上の剣ヶ峰はスペースがさほどないので、ここ蚕玉岳(こだまだけ)の広場で適当な石に 腰を掛け朝食をとる。
ここから右下に大きな権現池と雪渓が見える。雲が流れ展望が良いとはいえない。写真はせっかくだから頂上まで行って 撮ろうと考え、先へ行ったがこれは判断ミスであった。10分後の頂上からはまったく見えなかったのだ。


剣ヶ峰山頂に建つ、乗鞍本宮神社奥宮がまじかに見えてきた。
登頂コースは限られており、人の流れを見ながら先へ進む。


6時44分。剣ヶ峰山頂に到着。
記念すべき初の3千メータオーバーだ。
残念ながら視界は利かない。


山頂には乗鞍本宮神社奥宮と三角点があり、スペース的には非常に狭い。
人も多く上ってくるので、数分で降りなければならない。その間雲は切れなかった。
驚いたことに乗鞍本宮神社奥宮には神主さんのような白い衣装を着た売店の人がいた。 誰かが聞いていたが、シーズン中は毎日いると言っていた。
性格上すぐに何でも疑問に思う。トイレはどうするのだろう。
次々人が上がってくるので数分で下山開始。雲はさらに出てきており、視界はますます悪くなってくる。
そんな中下山は、ハイペースで先を行く人をどんどん抜いて下ってきた。


7時19分。肩の小屋に到着。
下りは30分程度。あっという間に下ってきた感じだ。

小屋の売店で牛乳を買って飲む。値段は高いかと覚悟したが、下界と同じだ。
そうか、ここまで車が入ってこれるのだ。ボッカは問題にならないのだ。


復路も肩の小屋から簡易舗装道路のような登山道を通って往路を戻る。
途中左手に不消ヶ池(きえずヶ池)があり、周りに花と雪渓が見える。
右手にある2,817m富士見岳へのコース入り口を見送り先へ進む。
帰りはお花畑を通らずに、登山道を真っ直ぐ下って鶴ヶ池を回って戻ることにした。


お花畑経由畳平と鶴ヶ池経由畳平のコース分岐。
往路は左下から上がってきた。復路は右の簡易舗装道路のような登山道を真っ直ぐ下る。


鶴ヶ池。雲(ガス)が出ていて視界がきかない。風も出てきた。
花もあまり多くない感じだ。
昨日の疲れもあり、散策はほとんどせず、畳平へ戻る。



乗鞍岳といのはこの辺一体の複数の山の集まりを指す。


7時58分。畳平に戻る。
まだ店は開いていない。来たときよりガスで視界が悪くなっている。
シャトルバスは毎時10分発、7時から17時までだ。次の8時10分で乗鞍高原へ戻る。
バスは行きと同じに2台で出発した。乗客は18名。全員前のバスに乗る。後ろは誰も乗っていない。どうやら この路線は人が多いので常時2台でワンセットのようだ。 確かにこれから畳平に上がってくるバスとすれ違った時は2台とも満席状態であった。 そして乗鞍高原観光センター前へ到着。

わずか2時間半の山行で3千メータ級の山に行って来たことになる。何か釈然としない。こんなに簡単でいいのかな。 もっと苦労して登るほうが、達成感や充実感が得られる。確かに昨日9時間の山行の後なので、このくらいが丁度良かったが。 でも、何かが違うように感じる。

立ち寄り湯


【湯けむり館】長野県南安曇郡安曇村鈴蘭
入浴料700円、9時30分〜21時、毎週火曜日休館(祝日の場合は水曜日)、Pあり、0263(93)2589
乗鞍高原の観光センター手前にある、村営の日帰り温泉施設。駐車場は道路を挟んで、かなり広い。
乗鞍高原の入り口に位置しており多くの登山客が訪れる。男女別の大浴場のほか、それぞれに露天風呂がある。 乳白色の硫黄臭のある温泉。
朝の9時半過ぎに訪れた。駐車場は100台位とめられる大きな駐車場だ。建物の外観はこじんまりしているが、中は広い。 入り口で靴を下駄箱に入れ、階段を上がってロビーに行き、700円を払う。ロビー脇に貴重品のコインロッカーがある。 脱衣場も広く、ゆったりしている。湯船は屋内に一つと露天風呂が一つある。この露天風呂は林の中に作られているが、 敷地が広いせいか、まるで屋外のプールにいるようだ。太陽がさんさんと当っていた。
湯船と床はすべて木曽サワラを使ったもので、少し滑りやすく注意が必要か。湯は白濁したまるで豆乳のような乳白色を しており、硫黄臭がある。朝も早いのでお客さんは5,6人ほどでゆったりと入浴ができた。雲がかかっていなければ湯船に 浸かりながら乗鞍連峰が一望できる。



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