金時山
きんんときやま

1,213m

箱根外輪山の中の最高峰で、
金太郎伝説の史跡が残る金時山。
金時茶屋で金時むすめとひと時の歓談を楽しむ。

 
エリア 箱根・富士 日程日帰り 日付2005.11.30 天候晴れ
同行者単独 TIME(休憩含む)3時間51分
コース 金時神社駐車場(7:47)→明神ヶ岳分岐(8:41)→金時山(9:13)食事休憩(9:41) →長尾山(10:19)→乙女峠(10:35)→金時神社駐車場(11:38)

カシミール5万分の1地形図より作成
【参考】国土地理院2万5000分の1=御殿場、関本



金時神社駐車場。無料。未舗装の広場。
約15〜20台の駐車スペースがある。
水洗トイレも併設されている。

駐車場

東名高速道路の御殿場ICで降り、国道138号線で、
仙石原を目指す。乙女トンネルを抜け3kmほど進む。
左前方にエネオスのGSが見えたら、その手前30mほどのゴルフ練習場 の看板に従い左折する。金時神社の駐車場は、このゴルフ練習場の駐車場を 抜けた先の左にある。
御殿場方面から来ると金時神社の看板は見えにくいので注意が必要。


登山口

7時半に到着。車は既に3台ほど停まっていた。朝早い人が多いな。
7時48分。今日は快晴で、頂上からの富士山を期待して出発する。
登山口は金時神社駐車場の横にあり、金時神社方面へ進む。




金時神社



出発して3分程で神社に到着。
だれもいない静かな境内だ。神社でお参りしていく。




最初は木立の中の緩やかな斜面を上がっていく。
国道138号線から近いこともあり、車の音がして山の中という感覚はない。




8時03分。途中の舗装された林道を横切り、先へ登っていく。



金時宿り石

8時10分。金時宿り石に到着。
正面に大きな岩が現れる。真ん中から割れている。もともとは一つの岩が寒さのため割れたらしい。
この下で、金太郎が母である山姥と夜露をしのいだと言われている。
この大岩の左を巻くように登山道を上がっていく。



金時宿り石あたりからは、車の音もせず、山の中を歩いているという感じになる。



明神ヶ岳分岐

8時41分。
右へ行くと明神ヶ岳へ通じる道と合流する。ここを道標に従い左へ登っていく。
ここは眺めが良い。ここから岩のある急登を上がっていく。




途中、大涌谷や芦ノ湖が見える。




岩場の急登を上がっていく。




9時03分。
出発から1時間15分で金時山山頂に到着。



金時山

金時山頂上の目の前は雄大な富士山が見える。裾から頂上まで見える富士山だ。素晴らしい眺めだ。
でも、富士山の周りだけ雲があり、すっきり見えない。しばらく待つが雲は取れそうもない。


頂上には、茶屋が2件ある。この頂上は神奈川県と静岡県の県境になっており、神奈川県側(登って来て手前にある) に建つのが金太郎茶屋。静岡県側(頂上の先にある)に建つのが金時茶屋。この金時茶屋は「金時むすめ」の 愛称で知られている小宮山さんが管理している。
体も冷えてきたので「金時むすめ」で有名な金時茶屋に入った。まだ、朝も早いこともあり、お客さんは一人しかいない。
朝食を兼ねてうどん(600円)を頼む。茶屋の中には著名人の写真や色紙が壁一面に貼ってある。その中には今の天皇陛下 (当時は皇太子時代)の写真もある。へエー。
天井には、ここへの登頂回数ごとに名札が下がっている。数百回はざらで、千回単位の札も沢山ある。こうなると、この茶屋が 信仰の対象で、登頂することでご利益があるのではないかと思えてくる。
先客の人に薦められ、自分も登頂記録に記帳した。回数は1。先客の人は571回目だった。その後、先客の方が出発したので、 金時むすめさんと二人になり、昔の苦労話などをうかがった。
壁に今月11月のTV放映日が2日ある旨の掲示が出ていた。その横には「金時むすめは芸能人ではありません。サインや写真は ご遠慮する旨」の紙が貼ってあった。思わず笑ってしまった。そんな話をしていると、お客さんが持ってきて くれたという、金時むすめの特集記事が載っている新聞や雑誌の切抜きのコピーを3種類もらった。すごい!(感嘆)
それを見ると、1947年の14歳から365日山道を登って茶屋を切り盛りしている。その間交通事故で5日目に意識が戻る、 大腸癌、胆嚢手術。それでも日没とともに、いったん閉店しふもとの家へ。2時間で食事と風呂をすませ、 漆黒の闇の中を茶屋に帰る。お客さんを思い茶屋を開ける使命感にかられているのだ。
金時むすめの由来は、当時の皇太子殿下(今の天皇陛下)が金時山に登ってきたときに、「あなたが金時むすめさんですか」 とお声をかけたことから、この愛称が定着し、これが話題となって多くの人や著名人が大挙訪れるようになったとか。
話をしている間にも、次々おなじみさんが訪れてくる。人柄にひかれ、何十回、何百回と繰り返し登ってくる人が多いのが この山の特徴なのだ。



9時43分。
30分近くも休憩をしてしまった。富士山の雲はまだ、取れない。
あきらめて正面に見える尾根道を乙女峠に向かって出発する。




途中右手に芦ノ湖の遊覧船が見える。




乙女峠方面の登山道は長尾山までは岩場が少なく、歩きやすい。
こちらの登山道は方角の関係で、陽が当らない場所に霜柱が沢山できていた。陽が当っているところは少しぬかるんでいる。 これからの季節は、日が出ると田んぼのようなコースが多くなってくる。



長尾山までの右手には、ずっと富士山が見えている。
でも、雲が取れない。


長尾山

10時19分。 長尾山に到着。山といっても木々で眺望がきかない、広場のような場所だ。
ベンチも何も無いので、通過する。



ここから乙女峠までは、ひたすら滑りやすい粘土質の道を下る。
このくらいの時間帯になると、下から人が沢山上がってくる。



乙女峠

10時35分。 乙女峠に到着。降ってきてT字路のような場所だ。
手前にはベンチがあり7,8人の団体が休んでいる。



そのベンチから大涌谷方面を見ると、大涌谷の噴煙(水蒸気?)が出ているのが良く見える。
前の山は台ヶ岳。



T字路の正面には茶屋があり、右側(御殿場方面)に数m入った先に展望台(一人用)がある。
御殿場市観光12選とあるので、早速上がってみた。



なるほど!素晴らしい富士山のビューポイントではないか。
金時山の頂上からと同じアングルで裾まですべて見える。
富士山だけを写真に撮るなら、金時山に登らなくても、同じかもしれない。
やっぱり、雲が取れない。



ここからは、道標に従い左の仙石原方面へ降る。
大きな岩が転がる歩きにくいコースだ。




乙女峠から25分ほど、岩の登山道を下ってきた。すぐ横に車の音がして、道路が見えてきた。138号線だ。
頭の中のコースでは乙女口で138号線に出て、そこから10分ほどで金時神社駐車場だ。
登山道は道路に沿って先へ続いているが、踏み後もあるので、そのまま138号線に出てみる。
これが、間違いのもとであった。



出てみると、右に乙女トンネルが見える。この時は、少し早く138号線に出てしまった程度の思いで、 そのまま138号線を金時神社に向かって歩き始めた。
(写真右)138号線に出た場所。




しばらく歩いて、地図を見た。
あちゃー、やってしまった。登山コースを外れた。138号線に出るのが早すぎたのだ。
ここから戻るのもしゃくだし、どうせ138号線に出るのだから、このまま行ってしまえと舗装道路歩き。
しかし、地図上では138号線はV字にカーブしており、登山コースはこのV字の最短を横に進むようになっている。



30分ほど余計な舗装路歩きをして、本来出てくる乙女口前を通過。



金時神社駐車場

11時38分。
金時神社駐車場に到着。駐車場は満車状態。何台かは道路端に停めている。
しかし、今回は反省しなければいけない。ハイキング程度とたかをくくって地図を良く見ないで、 思い込みで判断してしまった。昔も同じことをして、痛い目にあっているのに、ぜんぜん学習していない。 大いに反省すべきだ。
当初予定のコースは一番初めの地図にある、乙女トンネルを出て、姥ヶ茶屋までの黒の実線が計画したコースだ。


立ち寄り湯


【宮城野温泉会館】神奈川県足柄下郡箱根町宮城野
入浴料650円、10時〜21時、毎週木曜日定休日(祝日の場合は翌日)、Pあり、0460(2)1800
138号線沿いにある、宮城野バス停手前の早川の支流の火打沢にかかる下川原橋を渡った先にある。
公営の温泉施設であり、外観もいかにも会館といった趣だ。横には広い駐車場がある。 入り口で、自販機で入浴券を買う。地元以外の人は650円だ(地元の人は100円)。2階には大広間がある。
入り口で半券を渡し、靴を下駄箱に入れる。風呂は右手に入ってすぐだ。脱衣場はあまり広くはない。コインロッカーと 籠の脱衣棚がある。洗面台は2,3人程度だ。湯船もあまり広くはない。一度に4人程度で一杯の感じだ。 お湯は結構熱く、しょっぱい湯であった。出たときに成分表を見たら、塩分とカルシウムが多く含まれている。 洗い場は大きさに比例して4つ。
外に露天風呂のような風呂がある。ようなというのは、周りが高さ2mくらいの 壁で囲われており、屋根と壁の上が葦のようなもので覆われているのだ。こちらは広い。内湯の4倍くらいの広さがある。 それに、洗い場が一つあり、中が一杯であればこちらも使える。外湯だけにお湯はぬるめであった。
まさに地方の公営浴場施設といった感じで、個人的には好みでありよかった。



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