ユーシン渓谷
ゆーしんけいこく

740m

秋の一日、ゆっくりと紅葉狩り。
普段は静かな渓谷も、この時期は訪れる人が絶えない。
丹沢山塊随一の紅葉の名所を楽しむ。
 
エリア 西丹沢 日程日帰り 日付2005.11.17 天候晴れ
同行者単独 TIME(休憩含む)4時間38分
コース ユーシンロッジ入口駐車場(7:50)→ユーシンロッジ(10:04)食事休憩ユーシンロッジ(10:53) →ユーシンロッジ入口駐車場(12:28)

カシミール5万分の1地形図より作成
【参考】国土地理院2万5000分の1=中川



ユーシンロッジ入口駐車場。未舗装の広場。
約20〜30台の駐車スペースがある。
満車の場合は手前の道路脇スペースにも駐車が可能。

駐車場

国道246号線の清水橋の信号を右折し、山北藤野線で丹沢湖を目指す。
右折して直ぐに道の駅「山北」が右側にある。そのまま丹沢湖を目指し、中川、玄倉分岐を 玄倉方面へ左折する(地図では右側に進むが、左に巻いて右折するように進む)。
丹沢湖畔沿いに進み、丹沢湖ビジターセンターを過ぎ、そのまま直進する。道幅が狭くなってくるが そのまま玄倉川沿いの林道を進む。途中建設会社の作業場を過ぎ、西丹沢県民の森への分岐を 左に見送り直進する。まもなくゲートがあり、左に大きな駐車スペースがあるユーシンロッジ入口駐車場に 到着する。


登山口

7時半に到着。車はまだ1台もない。支度をしているうちに車3台が次々入ってきた。
その内の一台は若い男性二人で、犬を二匹ゲージにいれ、自転車2台と一緒に荷台に積んできた。 二人は犬をリードにつなぎ、犬連れで自転車に乗り林道を進んでいった。
7時50分。
準備運動後今日も膝痛防止にサポーターをして、ゲート脇をすり抜け歩き始める。




ゲートを抜け、林道を進む。右側は崖で左側が渓谷だ。
朝が早いので、陽はまだ山に遮られ当らない。今日は結構寒いな。
体感的に4,5℃位だ。天気も良く、歩くと暑くなると思い、Tシャツに薄手の山シャツ1枚だ。 チョッと寒いな。



数分で川原が見渡せる場所に出る。左の広い川原の中に、離れ小島が見える。
島の上には木が数本。紅葉している木もある。
なんだか松島みたい、と思ったのは私だけ?



紅葉は最盛期のようだが、思ったより山は色づいていない。
後ろを振り返ると、そろそろ陽が当ってきた。
針葉樹と広葉樹の色の違いがハッキリ分かる。


真っ赤に色づいたもみじの前に、ススキががんばっている。
この辺はあまりススキを見かけない。



8時10分。 ユーシンまで、5.6km。


第1トンネル【境隧道】

先ほどの道標から4分ほどで、最初のトンネルがある。
ユーシンロッジまでは、このトンネルを含め8つのトンネルをくぐるのだ。


各所にあるサイレンとその案内。
ダムの放流に先立って、知らせるためのサイレンだ。
これを見ると玄倉を有名にした事件を思い出す。平成11年8月13日豪雨の中、中州にキャンプをしていた 会社の同僚、家族18名が濁流に飲み込まれ、うち13名が亡くなった事件だ。
TVでその様子が放送され、自然への付き合い方について大いに考えさせられる事件であった。ご冥福をお祈りします。


8時30分。
前方に青崩洞門が見えてきた。
いよいよユーシン渓谷名物のトンネルだ。ザックを降ろし、懐中電灯を取り出す。

第2トンネル【青崩洞門】

ここで、軽四駆が来て人が降りてきた。山北町の職員で、これから資材を運んだトラックが通るので、 このトンネルは危険なので、先へ行かせて欲しいとのこと。
入り口で待っていると、丸太の資材を満載したトラックが来て、軽四駆と共に先へ行った。
役所の方には伝えたが、先に入って行った二人はどうしただろう。

いよいよ中に入る。このトンネルは8つの中で一番長いトンネルだ。
最大の特徴は、トンネルが左にカーブしていること。なので、入り口と出口からの光が届かない真っ暗闇になるのだ。
カーブする直前に明りとりのための穴が左側に開いている。
それを写真にとり、画面で写り具合を確認する。何だ。あまりたいしたことないな、とそのまま先へ進む。
ありゃ、何も見えない。数メートル進んだら、真っ暗闇だ。自分の小さな懐中電灯の明かりは闇に吸い込まれて役に立たない。 直前にカメラの明るい液晶画面を見て、直ぐに歩き出したのが余計にまずかった。
盲目状態でしばらく進む。


やれやれ、前方に明かりが見えてきた。出口だ。
やっぱり、すごいトンネルだ。



トンネルを抜けると、玄倉川が見渡せる。
なんとなくホッとする。

第3トンネル【石崩隧道】

8時39分。直ぐに次のトンネル石崩隧道が現れる。二番目に長いトンネルだ。
真っ直ぐで出口が見える。ちょと怖い思いをしたので、念のため懐中電灯を点けて行く。
でも必要はなかったが。


8時43分。石崩隧道から3分ほどで玄倉ダムに到着。
水が透きとおっている。でもこの青さは何なのだろう。
水に含まれる鉱物のせいなのかな・・・。


ダムの建物の前の水は、底が見える。
ちょっと不気味に感じるのは自分だけかな。



ダムの放水口の近くの斜面から水が出ており、小さな滝のようになっている。


第4トンネル

8時54分。ダム建物に通じる橋が左に見えている。橋の上にさっきの山北町役場の車が停まっている。
橋の反対側の斜面右手では、トラックから丸太材を降ろしている。ははぁーん。砂防ダムの資材だったのか。
お仕事ご苦労様です。
その前には、第4トンネルがある。銘板らしきものはない。素掘りのトンネルといった感じだ。


第4トンネルをくぐって、左にカーブしている先から後ろを振り返ると、先ほどの橋の上に停まっている役場の軽四駆が見える。


8時58分。
ユーシンまで2.5km。


(左)玄倉渓谷(ユーシン渓谷)
(右)紅葉

第5トンネル

9時05分。5番目のトンネルに差し掛かる。
このトンネルにも名前の表示はない。


第6トンネル

9時09分。5番目のトンネルから4分で第6トンネルがある。
岩盤に素堀りで開けたようなトンネルだ。やはりこのトンネルにも名前の表示はない。


第7トンネル

9時17分。7番目のトンネル。
これには第7号隧道と銘板が付いていた。



第7号隧道を抜けると、このあたりでは雰囲気が異なる場所に出た。
今までは自然林の広葉樹ばかりだったが、ここは人工の針葉樹の林だ。


林をぬけた左側。
このあたりまで来ると、川原の巾がかなり広くなる。


第8トンネル

9時24分。最後の8番目のトンネルに到着。第8号隧道と銘板が付いている。
もう、トンネルには飽きたころだ。

最後の8番目のトンネルをぬけると、山神峠(さんじんとうげ)への分岐がある。道標には玄倉8.3kmとあるが、 これは、今歩いてきた、渓谷沿いの山中のコースで、ここからUターンをするように玄倉の丹沢湖ビジターセンター脇 へ通じている。
(右は同じ場所の遠景)


8番目のトンネルの先で、左へ川原に降りる道があるので、降りてみる。
真夏の暑い時期なら、この冷水で顔や手を洗ったら最高だろうなと思う。

しばらくして、もとの道に戻る。雨山橋を渡り5分ほどで雨山峠への登り口が右手にある。
雨山峠は先々週の11月3日に通った場所だ。なるほど、ここへ出るのか。頭の中でまた一つコースがつながった。



9時57分。ユーシンへの分岐。
ここを左に降る(大石山経由檜洞丸方面もこちら)。
直進すれば熊木沢出合経由で塔ノ岳方面。


直ぐに橋を渡ると、その先が分岐している。左は川原へ通じている(と思う)。
ユーシンロッジへは右へ行く。



10時04分。
ユーシンロッジへ到着。だれもいない、静かだ。



ユーシンロッジ広場にある、水洗の公衆トイレ。
デザインが場違い。おとぎの国?ではあるまいし。さすがお役人が作った施設か?(神奈川県立です)

ここまで、写真を撮ったり、川原へ降りたり寄り道をして2時間10分ほど。
歩き足りないな。大石山まで行ってくるか、あるいは下見を兼ねて熊木沢出合まで行ってくるか、と一瞬考えたが、 今日はもう一つ目的がある。不老山へのルート確認をしに来たのだ。周回コースを組むとどうしても4km程度の バス路線歩きが必要になる。チョッと考え物だ。それで、バスの時刻と駐車スペースの確認をしに来たのだ。 車を停めて、ピックアップするにはどうすれば一番効率が良いか。バスは日中何時に何本あるのかを見に来たのだ。
よし、今日はここまで。散策程度にとどめ、ゆっくりしよう。
持ってきたガスで湯を沸かし、熱々のラーメンを食べ、食後のコーヒーを飲んでゆったり(今風ではマッタリ)する。
その内、人がたくさん来るようになった。自分の後からどんどん来ているようだ。50分の大休憩のあと 今来た渓谷を戻る。


10時53分。
同じ道を戻り帰路につく。
写真は第6トンネル。平日にも関わらずたくさんの人が次から次に来る。やはりハイシーズンなのかな。 でも年配者ばかりだ。



それにしても、笑ったのは第2トンネル【青崩洞門】だ。
入り口の外へも黄色い歓声(悲鳴)が聞こえてくる。真っ暗な中、手探りで進んでいるのだろう。
朝のように一人で誰もいないと怖いと感ずるが、これだけ多くの人がいると怖さは無く、逆に楽しさに変わっている。
まるで遊園地のお化け屋敷のようだ。
でもなぁ。ここへ来るならチャンと調べて、懐中電灯くらいは持って来いよな!


12時28分。 ユーシンロッジ入口駐車場に到着。
見てビックリ。駐車場は満車だ。道路前のスペースにも停めてある。
少し戻った先のスペースにもかなりの数の車が停まっている。あれだけ人とすれ違ったのだから当たり前と言えば当たり前だが 、改めて驚いた。
往路は2時間10分、復路は1時間35分。

立ち寄り湯


【ぶなの湯】神奈川県足柄上郡山北町中川
入浴料700円(2H)、10時〜17時、毎週水曜日定休日(祝日の場合は翌日)、Pあり、0465(78)3090
信玄の隠し湯中川温泉にある、公立の温泉施設。中川川の川岸にあり眺めが良い。
広い駐車場は相変わらず満車状態だ。玄関を入り、入り口で入浴券2時間700円を自販機で購入する。靴は右側の靴箱に入れる。 入り口で、係りのおばさんに入浴券にゴム印を押してもらう。その時、帰りにこの券を出してくださいねと言われる。
奥の風呂場に向かう。脱衣場の中には無料の貴重品BOXがあり、財布や時計を入れる。広さはそんなに広いとは感じない。 洗面は広く、ドライヤーも置いてある。浴室に入ると、変形の浴槽がある。あまり広くはない。5人も入ると一杯と感じる ぐらいのスペースだ。洗い場も5つしかない。空いていれば問題はないが、込んだらチョッとといった感じだ。男女の湯は 3日づつで交代していると掲示されていた。 お湯は自分にとってちょうど良い熱さだった。無色無臭の湯で、アルカリ性が強いそうだ。 露天風呂もある。ここは内湯と同じ位の広さで5人ほど入ると一杯だ。屋根がついているので、あまり開放感はない。
ロビーにはお土産コーナーもあり、2階の休憩所は中川川の眺めも良い。駐車場が一杯でもお風呂に入っている人は 少ないようで2階でくつろいでいる人が多いようだ。



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