編笠山
あみかさやま

2,523.7m

さやかな風に吹かれ雄大な眺めと
山麓での森林浴を堪能する。
久々の膝痛で下山は苦行の時間。

 
エリア 日程日帰り 日付2010.09.20 天候曇りのち晴れ
同行者単独 TIME(山頂休憩13分、食事休憩17分含む)6時間32分
コース 観音平駐車場(5:50)→ 雲海(6:47) → 押手川(7:24) → 編笠山(08:40)休憩(08:53)→ 青年小屋(09:20)(食事休憩)(09:37)  → 押手川(10:43) → 雲海(11:19) → 紅葉台(11:48) → 観音平駐車場(12:22)

カシミール5万分の1地形図より作成
【参考】国土地理院2万5000分の1=八ヶ岳西部



暑く長い夏が終わり、やっと秋に入ったようです。それにしても最近の夏は猛暑日が当たり前で、 体にこたえる日々が続きました。丹沢などの低山はこの酷暑ではひたすら汗をしぼられ辛い山行を 余儀なくされます。熱中症も怖くこの時期はおのずと標高の高い山を目指すようになります。 訪れたのは八ヶ岳主脈の最南端に位置する編笠山です。なかなかお洒落でセンスを感じる名前です。 遠目からはお椀を伏せたようななだらかな形状をしており、名前の由来もその辺からきているのでしょうか。 中央高速から近く、登山口まで車が入れることからも人気のある山のようです。事前にHPで見ると シーズン中、観音平にある駐車場は朝の5時前にはほぼ満車状態に近く、車中泊する人が多くいる ようです。なお、駐車場に入れなかった車は道路の端に縦列駐車をし、この列が数百メートルはざらのようです。
遠方の山へはいつものようにP泊で頂上を目指し、今回も前日の夜に自宅を出発し、山麓の駐車場に 向かいました。ここへは中央高速の小淵沢ICで降りますが、ICから登山口駐車場のある観音平 への途中には道の駅「こぶちさわ」があり、今回はここでP泊をしました。登山口の観音平駐車場へ 直接行っても良かったのですが、トイレや水場を考えて道の駅にしました。夜間の11時過ぎに到着し、 仮眠をとり朝の4時10分に起床、ここから15分もあれば到着する観音平駐車場へ向かいました。 到着すると、まだ真っ暗な駐車場(50台程度駐車可)は既に半分は埋まっていました。車中で軽い朝食 と支度を整え、明るくなったら出発です。「まるで大学生のようだな。」・・・・と自嘲気味につぶやいて みました。「いつまでできるかな。」・・・・「まだまだいけるよ。」・・・・数えてみると単独で 山に出かけるようになって、ちょうど10年です。素人山屋も一つの区切りを迎えたのかもしれません。 最初のころは山岳会や仲間との山行を考えたこともありましたが、今は一人での山歩きが自分に とっては自然であり、当たり前なのです。一人歩きはグループ山行にはない魅力がたくさんあり、 このスタイルを変えるのはまだ先のようです。
さて、この山は大きな岩が目立ち、特に山頂付近には多くあります。編笠山山頂から青年小屋に 下る大岩の斜面では、2,3mの大岩の上を数百メートルにわたって飛ぶように降りてきました。 しかし、この大岩飛びが忘れていた膝痛になるとは、この時は深く考えませんでした。少し左膝に 違和感を覚えましたが、たいしたことはないと軽く考えていました。その後青年小屋での休憩後の 下りは、膝痛との戦いで、このときほど距離を長く感じることはありません。その間反省しながら 下ってきたわけですが、やはり一番は日ごろの運動不足とそれによる筋力低下です。加えて夜の お付き合いによる不摂生もあり、さらに年甲斐もなく、大岩の斜面を強引に下ってきたことです。 なお、駐車場のある観音平付近は遊歩道もあり、高原の静かな散策にも最適な場所です。




無料。未舗装路で区割りはなく約50台駐車可能です。(写真は昼間に撮ったものです)
シーズン中なのでトイレは移動用の簡易トイレが2台ありました。
水、自販機等はありません。シーズン中は朝5時で満車になることもあります。

観音平駐車場

中央高速を小渕沢ICを出たら右へ進み、八ヶ岳高原ラインを進みます。 一km程先の右側に道の駅「こぶちさわ」があります。観音平駐車場はこの「こぶちさわ」を右に見送り 道なりに八ヶ岳高原ラインを進みます。しばらく進むと左に観音平への道を分ける 分岐があり、ここを左折します。舗装された山道を道なりに進むと観音平駐車場に到着します。


P泊

今回は上記の観音平駐車場でP泊するつもりでいましたが、 地図を見ると小淵沢ICから観音平駐車場の道すがらに道の駅「こぶちさわ」があります。(写真は昼間に撮ったものです)
これなら道の駅でP泊する方が快適です。24時間利用できる舗装された駐車場、水洗トイレ、洗面所、自販機など、 山の中の駐車場とは雲泥の差です。
前日の夜11時に到着し、翌日は朝の4時10分に起床、5時前には観音平駐車場へ到着しました。 すでに駐車場は半分程度は埋まっており、車中で夜が明けるのを待っている様子です。



出発

5時50分。
天候は曇りです。車中で軽い朝食をとり、身支度を整え出発です。
登山口は駐車場の一番奥の左にあります。道標にある編笠山・権現岳方面へ向かいます。



登山道入口にあった「ツキノワグマ情報」の掲示です。
今回は不案内な山域なので、クマよけの鈴を付けて歩くことにしました。



陽が出ていないので、薄暗い笹の茂る登山道を歩きます。
この辺り斜度はほとんどありません。
今日はちょっと、天気が気になります。



急登ではありませんが、すこしずつ勾配が増してきます。







雲海

6時47分。スタートから57分。
雲海に到着です。石のベンチが2台あり、少し開けた場所です。
帰りはここを左手前「富士見平」方面へ下ります。
編笠山へは直進です。


先へ進むに従い、少しずつ勾配がきつくなってきますが、
まだまだ急登には程遠い楽な山道です。
だんだん岩が多くなってきます。


先行するお二人に追い付きました。
お互いクマよけの鈴を付けているので、遠くからお互いに存在はわかっていました。
なお、この人達は押手川から、右側の青年小屋方面へ登って行きました。


押手川

7時24分。スタートから1時間34分。
押手川に到着しました。ここは周りが少し開けた場所です。
ここは分岐になっており、編笠山山頂へは左方向へ進みます。
右は青年小屋方面です。
なお、帰りは青年小屋経由で戻ってきますので、ここで合流予定です。



この場所は押手川という地名ですが、川や水場はありません。
<押手川>
「標高2,100メートル うっそうたる森林に冷気さえ感じ、あたり
一面は苔におおわれた平坦地。その昔、ここを訪れた登山者が
水を求めて手で苔を押し探したところコンコンと清浄冷水が湧
きでたことから、押手川といわれた。観音平から1時間30分登山
者の休憩地として最適である。」


踏み跡は岩ではっきりしないところも、木々に付けられたテープを目印登っていきます。



押手川からはだんだんに、苔むした岩の急登になってきます。



高度を稼ぎながら急登を登って行くと、直角に右に曲がる道標があります。
ここからは狭い急登になります。



このルート唯一の梯子(鉄製)があります。



ツガの林が終わり、低い樹木になってきました。
それにつれ空が明るくなってきます。
頂上が近いことが判ります。



登山道脇に青年小屋の看板がありました。

山頂まで 本当に ホントに あとちょっと! 頑張って!
冷たいビールやかき氷あります。
山頂より15分 青年小屋にて



ハイマツになり上方の空が開けてきました。
この先が頂上です。



編笠山山頂2,523.7m

8時40分。スタートから2時間50分。
編笠山山頂に到着しました。



山頂は広く石がゴロゴロしており、非常に歩きにく場所です。



山頂から南側には霊峰富士が見えます。
今日は雲一つない快晴とはいきませんでしたが、展望が楽しめます。



富士の右には南アルプスの山々が望めます。
そのさらに右には北アルプスの峰々も見えています。



山頂の北側には権現岳から赤岳、阿弥陀岳の稜線が見渡せ、最高の眺めです。



権現岳山頂の権現小屋もはっきりと見えます。(写真は上のマルをズーム)



頂上での展望を楽しんだ後は、青年小屋へ向かいます。
道標の青年小屋・権現岳方面です。


正面に権現岳を望み、細い道を下って行きます。


かなりの急坂を慎重に下って行きます。
この辺りはシャクナゲの群生地で、花の時期はさぞかし素晴らしい眺めが堪能できそうです。

正面の山(右)が権現岳山頂、下方の青い屋根が青年小屋です。



ハイマツとシャクナゲの間の細い急坂を下っていくと、岩の斜面に出ます。
ここからは小屋の前で休憩しているグループやテント場のテントなどが良く見えます。

ここから小屋までの斜面は大岩の堆積した斜面をくだりますが、
大岩は2,3m程度の大きさで、下るには大きな岩を選んで、飛び移りながら下ってきます。
この時、左ひざに違和感を覚えましたが、そのまま一気に小屋まで下ってきました。



小屋に到着し、振り向いて撮った写真です。
緑のお椀をふせたような山が編笠山山頂です。
山頂から小屋まで500メート程度ですが、あっという間に降りてきました。



青年小屋

9時20分。スタートから3時間30分。
青年小屋に到着です。テラスと小屋の中にお客さんがいます。
入口の赤提灯です。「遠い飲み屋」とあります。
たしかに・・・。


小屋の前は権現岳を望む広場になっており、ベンチもあります。
ここで昼食タイムとしました。



17分間の昼食タイムの後、帰路につきます。
小屋前の広場を、道標に従って押手川・観音平方面とある巻き道へ入ります。

歩きだしてしばらくしてから、左膝にかすかな痛みを感じてきました。
ここしばらくは忘れていた痛みです。
過去の経験から、あとしばらく下ると痛みが強くなってくるはずです。
その前に少しでも距離を稼ごうと、先を急ぎますが、急ぐほど痛みが増してきます。


下山途中右手が開けた場所で、編笠山の山頂が望めます。
下山開始から20分ほどで、まだ痛みも少なく写真を撮る余裕もありました。


押手川

10時44分。スタートから4時間54分。
細い山道から広い樹林帯に入ったら、間もなくして往路に通過した押手川に到着しました。
この辺りでは膝痛は全開で、かなり辛い状況で下っています。
広場の倒木に腰を掛けしばらく休憩すると、若干痛みは軽くなりました。



痛みがなければ、普通の山道ですが、石を越えるのも一苦労です。



雲海

11時19分。スタートから5時間29分。
石のベンチがある雲海に到着しました。
ここはY字路になっており、復路は右側の富士見平方面へ向かいます。



ここからは笹が生い茂るハイキングコースのような緩やかな山道を下って行きますが、
このような場所でも痛みをこらえやっと歩いている状況です。
森林浴には最適の場所です。


紅葉台

11時47分。スタートから5時間57分。
整備された遊歩道を左に曲がりますが、その右手に、展望台とかかれたベンチがあります。
このベンチでしばし休憩をとりましたが、展望台といっても樹木に遮られ眺望はまったくありません。



休息後に笹の間の遊歩道を観音平に向け進んで行きます。
途中に千畳岩といわれる大きな岩があります。
歩いていて本当に気持ちの良い場所です。


遊歩道の終点には観音歩道入口1,003mとあります。
1キロに渡る遊歩道です。



観音平駐車場

12時22分。スタートから6時間32分。
遊歩道入口から真っすぐ進むと、ほどなくして車を停めた観音平駐車場に到着しました。
膝痛は出ましたが、雄大な八ヶ岳の眺望とさわやかな風に吹かれ心身共にリフレッシュでき満足の一日でした。



立ち寄り湯


延命の湯】山梨県北杜市小淵沢町2968-1
入浴料600円、10時00分〜24時00分、休み毎月第一月曜(2月、10月は第一月曜、火曜)、Pあり、0551-36-6111
道の駅「こぶちさわ」に併設されている日帰り温泉です。道の駅「こぶちさわ」の横に宿泊施設スパティオ小淵沢があり、その横に併設されています。 駐車場も道の駅とは別に確保されています。入口でげた箱に靴を入れ、入浴券を自販機で購入します。ロビーは広く明るい施設です。 浴場の脱衣所も広く、100円が戻る無料のロッカーもあります。浴室も広く、大浴場と気泡バスにサウナがあります。もちろん露天風呂もあり、 その横には東屋風の屋根のある岩風呂の露天風呂もあります。お湯は薄く茶色に濁った湯です。なんでも高濃度の天然ミネラル温泉とのことです。 洗い場の蛇口は16か所あり、シャンプーとボディソープが備わっています。脱衣所の洗面台は6箇所あり、それぞれにドライヤーも常備されています。 当日はお昼過ぎに訪れたこともあり、比較的空いておりゆっくりお湯を楽しむことができました。なお、施設は食事処のほかに、高速道路のSA のようなお土産コーナーもあり、車で寄るには非常に便利な施設です。



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