加入道山・バン木ノ頭
かにゅうどうやま・ばんきのかしら

1,418.4m

道志の湯から加入道山へ登り、
静かで気持ちの良い稜線を歩き、
春の一日を過ごす。

 
エリア 北丹沢 日程日帰り 日付2010.04.11 天候晴れ
同行者単独 TIME(食事休憩含む)5時間16分
コース 道志の湯先の駐車場(7:47)→ 白石峠手前稜線(9:33) → 加入道山(9:44) 食事休憩(9:55) → 白石峠(10:08)→ 水晶沢の頭(10:25)  → シャガクチ丸(10:55) → バン木ノ頭(11:11) → 横浜市野外活動センター(11:54) → 的様(12:37) → 道志の湯先の駐車場(13:03)

カシミール5万分の1地形図より作成
【参考】国土地理院2万5000分の1=大室山、中川



丹沢は都心からも近く、手頃な山歩きが楽しめる人気のスポットです。一般的に丹沢という と多くの方は大山を中心とした東丹沢付近を思い浮かべますが、それに反して北丹沢は交通 手段も限られ、東丹沢に比べ訪れる人も少ないうえ、減少が著しいブナの林も残るなど西丹沢 と並び魅力的な地域の一つです。
今回は丹沢の日帰り温泉の老舗である道志の湯から登り、白石峠へ出て加入道山へ寄った後、 気持ちの良い稜線を歩き、バン木ノ頭から下降し、横浜市野外活動センター(キャンプ場) を経由し戻ってくる周回ルートです。バン木ノ頭からキャンプ場までの下りは山と高原地図 では、破線で表示されていますが、稜線からの分岐の道標や途中の踏み跡もしっかりあり、 問題になるような箇所はありませんでした。
登山口の始めは「森未来祈念植樹地」と名付けられ、横浜市民と道志村民が合同で植樹を 実施したエリアを登って行きます。この場所は山梨県道志村ですが、神奈川県横浜市とは 関係が深く、横浜市の水道水はこの道志村から取水しており、両者が豊かな水資源を守ろうと 合同で植樹を行った場所を進んで行きます。余談ではありますが国主導の「平成の大合併」 による市町村合併のときに道志村では県境を跨ぎ、そのうえ地続きではない横浜市との合併 を希望した経緯があります。確かその最大の理由は横浜市の水源は道志村ということから の希望だったと新聞にありました。結果は話だけで終わりましたが、それだけ横浜市と道志 村の関係は深い証しでもあり、合同の植樹作業となったようです。なお、ルート最後にある キャンプ場も横浜市の野外キャンプ場で建物には横浜市と道志村の市章が描かれていました。
登り始めて、白石峠のある稜線までは急登を上がっていきますが、登った先の稜線は自然が 色濃く残っており、歩きやすいルートと合わせまだまだ丹沢も捨てたものではないと感ずる 好きな場所のひとつです。ただひとつ残念なことは、稜線上にはずっと無粋な鹿柵と並行 して進み、せっかくの自然の景観が台無しになっていることです。数キロに渡りこれだけの 鹿柵の設置には、大変な時間と費用と労力を費やしたのではないかと思うと、増えすぎた 鹿のコントロールを優先したほうが理にかなっているのではないかと思ってしまいました。 (動物愛護の方に叱られそうです)
当日は日差しも暖かく山々にも春が訪れ、まもなく花の時期を迎えますが、木々の芽はまだ 小さく硬く、芽吹きの時期はもうちょっと先のようです。個人的には、まもなく訪れる 新緑の後の春ゼミの大合唱の下を歩くのが好きです。さわやかな山の空気に浸かり、心身 ともにリフレッシュができました。




駐車スペースは坂道に沿って上下2段になっており、合計50台程度は駐車可能です。
舗装されていますが、区画割りはありません。トイレ、水、自販機はありません。

道志の湯先駐車場

国道413号線(道志みち)を青山交差点から山中湖方面へ進みます。途中、道志村役場を過ぎ、 さらに道なりに1キロ余り進むと左側に「道志の湯」の案内看板に従い、左折します。 道なりに道志の湯を目指し、道志の湯を左に見送りその先の左へ分かれる道を入った右側が駐車場です。 左に分かれる場所には、「白石峠・加入道山 登山道入口」の矢印表示があります。 駐車場は段々畑のような2段のスペースで、上下とも舗装されていますが区割りはありません。 フェンスには無料駐車場の札があります。なお、登山道入口は駐車場を道なりに進んだ先にあるため 少しでも近い上の段に停めました。




道志の湯先の左手に入る道を左折する。
(写真分岐を左へ入る)
なお、駐車場は分岐点の上部にある。
(写真フェンスに囲まれたスペース)


分岐にある登山道入口案内。
上の写真丸印拡大。
(フェンス内が駐車場)


出発

7時46分。
駐車場に到着し、支度を整え出発です。
登山道入口は駐車場を出て、舗装路数十m先の右手にあります。






7時54分。(スタートから8分)
「森 未来 記念植樹地」に到着しました。



「森 未来 記念植樹地」
平成13年10月8日(月・祝日)大型バス26台に分乗した横浜市民、道志村民・関係機関等 総計1,303名の参加による植樹祭がこの地で開催されました。当日は雨天、道志村民による 荘厳な太鼓演奏、トン汁の温かいもてなし、交通誘導と安全対策などを受けて、ブナや ミズナラなど1人10本・1万本の広葉樹苗木をドロンコになって一生懸命植えました。 そして、私たちに大きな感動と夢をいただきました。やがてこの木が、森となり地球 環境の新しい「未来の森」の礎となるようみんなで育て守りましょう。 横浜市水道局 平成14年3月

登山道は道志村、横浜市全18区の植樹マップが掲示された植樹地区の中を登って行きます。


植樹した苗木が鹿に食べられないよう、フェンスで囲われており、
そのフェンスを越えるため木製の陸橋のようなものが設置されており、
これを超えて登山道を進みます。 なお、植樹帯を抜けるときにも、フェンスを越えるため同じものがあります。



植樹帯は横浜市の全区ごとにエリアが分かれ、
幼木が支柱とともに、一面に広がっています。
全てが順調に育っているわけではないようですが、
適当な間隔で残っており、数十年後には大きな森に
なるのかもしれません。



8時07分。(スタートから21分)
植樹帯を木製の橋で超えると、ごく一般的な登山道に出ます。
やはりこのような自然の光景がしっくりきます。



ルート右側には、枯れ枝越しに
双耳峰の鳥の胸山が見えています。



途中にある東屋。
ここから少しずつ急登が始まります。


常に右側が開けたルートをひたすら登って行きます。


途中、杉の林を抜けていきます。
樹林帯は陽が差さず暗く感じます。


白石峠のある稜線に出る手間にザレ場があり、
ここは慎重に歩を進める必要があります。


9時29分。(スタートから1時間42分)
このザレ場からは、谷筋のため樹木に邪魔されず
富士山が良く見えます。
今日は雲が掛かりすっきりとは見えません。


この木道を左へ上がれば、白石峠のある稜線に出ます。



9時33分。(スタートから1時間46分)
白石峠のある稜線に出ました(関東自然歩道)。
ここを右へ300mで白石峠です。
左へ300m行けば加入道山山頂です。
今日のルートは右側の白石峠を経由して稜線をバン木の頭で下る予定ですが、
その前に左側の加入道山山頂に寄って行くことにしました。



稜線を加入道山山頂へ向かって進みます。
葉のない木々の枝越しに、加入道山の山頂のシルエットが望めます。



加入道山山頂1,418.4m

9時44分。(スタートから1時間57分)
加入道山山頂に到着しました。



山頂は平らで広く、大きなテーブルがあり、その横(稜線の下)には避難小屋があります。
ここで食事休憩をとりました。朝はおにぎり一つでしたので、空腹を強く感じていました。
日ごろの生活(会社勤め)では、こんなに空腹を感じません。やはり山を歩くと健康的です。
9時55分。11分間の食事休憩の後、いったん稜線を戻って白石峠方面へ向かいます。
ここまで誰とも会いませんでしたが、山頂で若い男女と初めてすれちがいました。



稜線脇の木。鹿害。



白石峠1,307m

10時08分。(スタートから2時間21分)
加入道山山頂(600m)から13分後に到着です。
写真は右(加入道山0.6q)から来て左(モロクボ沢の頭3.6q)方向へ進みます。
手前は下って用木沢出会3.9kmです。


稜線上を軽いアップダウンを繰り返して進みますが、
左側は鹿避けの柵が延々と続いています。
気持ちよい稜線歩きが台無しです。


水晶沢の頭1,278m

10時24分。(スタートから2時間37分)
水晶沢の頭に到着です(表示はありません)。
休憩用のベンチもありますが、ここは先へ進みます。






シャガクチ丸1,191m

10時55分。(スタートから3時間08分)
シャガクチ丸に到着です。
道標には白石峠から1.9q、モロクボ沢の頭へ1.7qとありますが名称はありません。
何もない稜線の途中といった感じですが、
すぐ横の木にシャガクチ丸(蛇ガ口丸)の札がありました。


稜線上の先には、バン木の頭が見えています。
今日は、この先のバン木の頭から尾根を下って横浜市野外活動センターへ向かいます。


バン木の頭

11時11分。(スタートから3時間24分)
バン木の頭に到着です。
道標には白石峠から2.6q、モロクボ沢の頭へ1.0qとあり、右は横浜市野外活動センターとあります。
道標に従いここから右に伸びている尾根(写真右)を下りますが、エアリアでは赤の破線で示されています。
ベンチに腰を下ろし少し休憩をとりました。


ルートは良く踏まれており、狭いながらもしっかりとした尾根上の道を下って行きます。



このルート上には直径1mを超えるような大木の栂(ツガ)の林があり、一見の価値ありです。



ルートは檜沢で大きく右に曲がり、杉林の落ち葉の中を沢にそって進んで行きます。
この辺りまで来ると、傾斜はほとんど感じないルートです。


杉林から5分ほどで正面に倉庫(建物)が見えてきます。
横浜市野外活動センターの端に到着です。



横浜市野外活動センター

11時54分。(スタートから4時間07分)
上の写真の倉庫のすぐ先でノマノ沢に架かる橋を渡ると、横浜市野外活動センターに入ります。
センター内は広く、どちらに進んで良いか迷いますが、大きな建物のある方向へ向かいます。



大きな施設の左側へ向かって上がって行きます。



上の大きな施設の左側に舗装路があります。
国道、室久保林道への案内板があります。これに従い進みます。



センター入口にメインの施設らしき建物があります。
この建物前を右に進むと国道、室久保林道方面です。



鎖の先が室久保林道です。



林道に出たら右方向へ向かいます。
ここから駐車場まで、約1時間の林道歩きです。



林道を歩いて28分ほどで、右手に水場があります。
どこから出ているのか、周りを見てみると黒いゴム製の水道管のような物が見えます。これで水を引いているようです。
その奥には今は使っていない様子の建物があり、入口には道志水源林の表示があります。
横浜市の水道水を取水している施設なのかと勝手に想像し、水道水になる水なら安全だろうと一口飲んでみました。
冷たくておいしい水です。



的様(まとさま)

12時37分。(スタートから4時間50分)
林道歩き37分で、林道左手にある的様に到着しました。
「的様の由来」
道志村の伝説の一つにこの室久保沢の的が挙げられる。昔頼朝公が富士の巻狩りの折、この地に 標的を造り武道練成のため矢を射ったと伝えられる。現在もここより四キロ離れた戸渡部落 には射場として櫓を組んだ場所があり櫓開戸と呼ばれている。この一ノ的は涼水が勢いよく流れ 落ちており、石英閃縁岩の一枚岩に鮮やかな三重の的を見ることができる。なお、二ノ的、三ノ的 は埋没し見ることはできない。この地に鎮守を祀り水の神的様を永久に尊崇し、毎年四月八日を 祭日と定めて里人集い五穀豊穣を祈念する。


的様



的様の上を流れる水が、数m先で小さな滝になっていました。



的様を見学後、再び林道を歩き駐車場を目指します。
岩花橋を渡り、コテージ前の道を歩きます。


まもなく白石橋を渡ると、正面に駐車場が見えます。



駐車場

13時03分。(スタートから5時間16分)
駐車場に到着しました。
天候に恵まれ静かな山歩きが堪能でき、心身ともにリフレッシュしました。
この後、すぐ先の道志の湯に入り、帰途につきました。



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